ページトップ
  • 昭和53年度|
  • 第4章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 4 公団、事業団その他8団体の決算

石炭鉱業合理化事業団


(2) 石炭鉱業合理化事業団

 この事業団は、石炭鉱業の合理化のため、その整備及び石炭坑の近代化等に必要な設備資金の貸付け等に関する業務を行い、併せて電力用炭の購入及び販売に関する業務を行うことを目的として設置されているもので、53事業年度末現在の資本金は1287億1245万円(全額国の出資)となっており、同事業団の会計は、整備、貸付保証等、電力用炭の3勘定に区分して経理されている。

 (整備勘定)

 この勘定は、石炭鉱山整理促進交付金の交付等、石炭鉱業の整備業務に関する経理を行うものである。

 53事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額180億9882万余円、支出では、支出決定済額175億5559万余円、翌事業年度への繰越額6541万余円、不用額10億0601万余円となっている。不用額の主なものは短期借入返済金(支出予算現額134億8000万円)の6億5800万円である。

 上記の支出に係る業務実績の主なものは、石炭鉱山整理促進交付金30億4324万円の交付である。
 なお、53事業年度における損益についてみると、炭鉱整理促進費補助金等の収益61億1698万余円、石炭鉱山整理促進交付金等の費用46億1183万余円で、15億0514万余円の利益を生じており、前事業年度からの繰越欠損金からこれを差し引いた欠損金46億4929万余円が翌事業年度へ繰り越されている。

 (貸付保証等勘定)

 この勘定は、石炭鉱業の経営の改善に必要な資金の貸付け等の業務に関する経理を行うものである。

  53事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額784億0287万余円、支出では、支出決定済額828億5330万余円、翌事業年度への繰越額4887万余円、不用額95億3924万余円となっている。不用額の主なものは経営改善資金貸付金(支出予算現額463億円)の61億5000万円である。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、経営改善資金等の貸付け78件523億4047万余円、貸付金の回収459億8062万余円で、53事業年度末における貸付金残高969件1352億2203万余円となっている。また、この貸付金残高のうち、弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は126億7983万余円(すべて1年以上延滞)となっている。
 なお、53事業年度における損益についてみると、石炭鉱業安定補給交付金等の収益、石炭鉱業安定補給金等の費用ともに196億2594万余円となっている。また、53事業年度末における借入金の残高は31億7100万円(全額資金運用部資金からの借入金)となっており、利益積立金の残高は14億6475万余円となっている。

 (電力用炭勘定)

 この勘定は、電力用炭の購入、販売の業務に関する経理を行うものである。

 53事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額1357億9958万余円、支出では、支出決定済額1357億8619万余円、不用額17億4943万余円となっている。不用額の主なものは電力用炭購入費(支出予算現額891億4628万余円)の17億0256万余円である。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、電力用炭711万余tの購入及び販売である。
 なお、53事業年度における損益についてみると、電力用炭販売事業収益等の収益882億6358万余円、電力用炭販売原価等の費用882億6581万余円で、222万余円の損失を生じており、この損失は前事業年度からの利益積立金を減額して整理されている。また、53事業年度末における利益積立金の残高は1198万余円となっている。