この事業団は、人工衛星及び同衛星打上げ用ロケットの開発、打上げ及び追跡を総合的、計画的かつ効率的に行い、宇宙の開発及び利用の促進に寄与することを目的として設置されているもので、53事業年度末現在の資本金は3704億4315万余円(うち国の出資3704億0355万余円)となっている。
53事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額772億2892万余円、支出では、支出決定済額769億4071万余円、翌事業年度繰越額171億4151万余円、不用額26億1223万余円となっている。
翌事業年度繰越額の主なものは、ロケット開発費(支出予算現額338億9095万余円)の91億1496万余円、ロケット打上及施設建設費(同135億5301万余円)の27億0277万余円及び筑波宇宙センター施設建設費(同71億4590万余円)の21億3656万余円、不用額の主なものは、ロケット開発費の13億7060万余円、追跡管制費(同79億3604万余円)の5億4069万余円及びロケット打上及施設建設費の3億3418万余円である。
前記の支出に係る業務実績の主なものは、実験用中型放送衛星「ゆり」、実験用静止通信衛星「あやめ」の打上げ、追跡管制及び技術試験衛星IV型、Nロケットの開発である。
なお、53事業年度における損益についてみると、国庫補助金等の収益89億0994万余円、ロケット開発費等の費用751億5284万余円で、662億4289万余円の純損失を生じており、前事業年度からの繰越欠損金と合わせ1821億0400万余円が翌事業年度へ繰り越されている。