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  • 昭和56年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第2文部省|
  • 不当事項|
  • 補助金

補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの


(7)−(11) 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)文部本省 (項)学校教育振興費
(項)公立文教施設整備費
部局等の名称 新潟県ほか3県
補助の根拠 義務教育諸学校施設費国庫負担法(昭和33年法律第81号)等
事業主体 新潟市ほか3市
補助事業 新潟市立上山中学校校舎増築等6事業
上記に対する国庫補助金交付額の合計 516,309,000円

 上記の6補助事業において、補助の対象とは認められないものを事業費に含めていたり、補助事業の適用を誤ったりしていて、国庫補助金65,983,000円が過大に交付された結果となっているものが、次表のとおりある。

県名 補助事業 事業主体
事業費
左に対する国庫補助金 不当と認めた事業費 不当と認めた国庫補助金
摘要

(7)

新潟県

上山中学校校舎増築

新潟市
千円
196,177
千円
130,784
千円
36,703
千円
24,468

補助の対象外

この事業は、昭和56年度事業として、校舎を増築したもので、同中学校の59年4月の予定学級数22学級に応ずる校舎の必要面積6,288m2 から保有面積4,522m2 を差し引いた1,766m2 のうち1,673m2 を補助対象とし、これに1m2 当たりの補助単価116,100円を乗じて算出した額を事業費としていた。
 しかして、上記の22学級は、55年5月1日現在の通学区域内の2小学校の3年から5年までの在籍児童数を基に同市独自の推計方法により算出した57年度から59年度までの入学予定生徒数により算定していたが、この入学予定生徒数は、文部省が定めた算定方法では56年5月1日現在の前記2小学校の4年から6年までの在籍児童数で算定することになっており、これによれば予定学級数は20学級となる。
 したがって、補助対象面積は、この20学級に応ずる校舎の必要面積5,882m2 から保有面積4,522m2 を差し引いた1,360m2 となり、過大な面積313m2 に対する事業費相当額は補助の対象から除外すべきであると認められる。

(8)  同 南中野山小学校校舎増築 新潟市 339,111 226,074 25,821 17,214 補助の対象外

  この事業は、昭和54年度事業として、校舎を増築したもので、同小学校の57年4月の予定学級数26学級に応ずる校舎の必要面積5,895m2 から保有面積2,524m2 を差し引いた3,371m2 のうち3,244m2 を補助対象とし、これに1m2 当たりの補助単価103,500円を乗じて算出した額を事業費としていた。
 しかして、上記の26学級は、54年5月1日現在の1年から3年までの在籍児童数に、52年8月1日現在の住民台帳に基づく1歳から3歳までの幼児数を基に同市独自の推計方法により算出した55年度から57年度までの入学予定児童数を加え、これらに集団住宅の建設に伴い増加が予測される児童数をそれぞれ加算して算定していたが、このうち入学予定児童数は、文部省が定めた算定方法では54年5月1日現在の住民台帳の3歳から5歳までの幼児数に基づいて算定することになっており、これによれば予定学級数は24学級となる。
 したがって、補助対象面積は、この24学級に応ずる校舎の必要面積5,521m2 から保有面積2,524m2 を差し引いた2,997m2 となり、過大な面積247m2 に対する事業費相当額は補助の対象から除外すべきであると認められる。

(9) 岡山県 平津小学校校舎増築 岡山市 87,615 58,410 20,091 13,394 補助の対象外

 この事業は、昭和56年度事業として、校舎を増築したもので、同小学校の56年5月1日現在の学級数14学級に応ずる校舎の必要面積3,360m2 から保有面積2,825m2 を差し引いた535m2 に57年度入学予定の児童数の増加に対応する1学級分の校舎面積189m2 を加えた724m2 のうち704m2 を補助対象とし、これに1m2 当たりの補助単価129,100円及び117,700円を乗じて算出した額を事業費としていた。
 しかして、57年度の入学予定児童数は、56年5月1日現在の住民台帳に基づいて97人とし、これに対応する学級数を3学級としていたが、この入学予定児童数には隣接する小学校の入学予定児童を含めるなどしており、正しい入学予定児童数は81人であるから2学級で足り、1学級の増加は必要なかったものである。
 したがって、補助対象面積は、この14学級に応ずる校舎の必要面積3,360m2 から保有面積2,825m2 を差し引いた535m2 となり、過大な面積169m2 に対する事業費相当額は補助の対象から除外すべきであると認められる。

(10) 山口県  福川南小学校学校食堂施設整備 新南陽市 60,690
} 30,345
} 14,800 7,400 補助の対象外
学校食堂設備整備 2,100 1,050
 これらの事業は、昭和55年度事業として、学校食堂の施設及び設備を整備したもので、施設については同小学校の58年4月の在籍予定児童数606人に応ずる基準面積510m2 を補助対象としこれに1m2 当たりの補助単価119,000円を乗じて算出した額、設備については上記606人に応ずる基準金額2,100,000円をそれぞれ事業費としていた。
 しかして、上記の606人は、55年5月1日現在における同小学校の1年から3年までの在籍児童数259人に、同日現在の住民台帳に基づく56年度から58年度までの同小学校の入学予定児童数347人を加えて算定していたが、この入学予定児童数には同小学校の通学区域でない地区の入学予定児童を含めるなどしており、正しい入学予定児童数は309人となるので、これによれば58年4月の在籍予定児童数は568人となる。
 したがって、施設についての補助対象面積は568人に応ずる基準面積390m2 となり、また、設備についての基準金額は1,580,000円となるので、過大な面積120m2 に対する事業費相当額及び過大な設備に対する基準金額の差額相当額は補助の対象から除外すべきであると認められる。
(11) 大分県 鶴谷中学校校舎増築 佐伯市 139,292 69,646 21,041 3,507 補助事業の適用誤り

 この事業は、昭和56年度事業として、校舎を増築したもので、56年5月1日現在の学級数26学級に応ずる校舎の必要面積6,684m2 から保有面積5,446m2 を差し引いた1,238m2 を補助対象とし、これに1m2 当たりの補助単価111,400円を乗じて算出した額を事業費としていた。
 しかし、このうち187m2 は、55年度に取り壊した危険校舎の代替として建築したものであるから増築事業(補助率2分の1)としてではなく、改築事業(補助率3分の1)として補助すべきものである。

824,985 516,309 118,456 65,983