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  • 昭和56年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第3厚生省|
  • 不当事項|
  • 保険・補助金

医療給付費の支払に当たり、支払対象とならない基準看護に係る加算金を支払っていたもの


(14)(15) 医療給付費の支払に当たり、支払対象とならない基準看護に係る加算金を支払っていたもの

(14) 政府が管掌する保険

会計名及び科目 厚生保険特別会計 (健康勘定) (項)保険給付費
(日雇健康勘定) (項)保険給付費
船員保険特別会計
(項)保険給付費
部局等の名称
社会保険庁(支出庁)
鹿児島県(監督庁)

診療報酬の審査及び支払の委託先 社会保険診療報酬支払基金
保険医療機関 医療法人慈圭会八反丸病院ほか1病院
保険医療機関に対する支払額 213,005,370円
支払 昭和56年8月から57年4月までの分

(15) 国民健康保険

会計名及び科目 一般会計 (組織)厚生本省 (項)国民健康保険助成費
 (目)療養給付費補助金
 (目)財政調整交付金
部局等の名称 鹿児島県
補助及び交付の根拠 国民健康保険法(昭和33年法律第192号)
交付先 市町村51、国民健康保険組合2
上記に対する
 療養給付費補助金 25,718,652,633円 }合計 29,822,434,633円
 財政調整交付金 4,103,782,000円
診療報酬の審査及び支払の委託先 鹿児島県国民健康保険団体連合会
保険医療機関 政府が管掌する保険の場合に同じ。
保険医療機関に対する支払額 287,401,593円
支払 昭和56年8月から57年4月までの分

 本件は、上記の2保険医療機関に対する医療給付費の支払に係る鹿児島県等の審査が適切でなかったため、支払の対象とならない基準看護に係る加算金が支払われていて、政府が管掌する保険に係る分7,832,630円、国民健康保険に係る分11,767,340円(国庫補助金等相当額合計8,116,805円)が不当と認められる。

(説明)

 厚生省では、保険医療機関が入院患者の看護を行った場合、基本看護料(1日につき1,000円)に看護の程度に応じて定められた基準看護に係る加算金(注) を加算して支払機関(政府が管掌する保険にあっては社会保険診療報酬支払基金(以下「基金」という。)、国民健康保険にあっては都道府県の国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。))に請求することを認めている。

 そして、基準看護については、「看護、給食及び寝具設備の基準」(昭和33年厚生省告示第178号)により、入院患者数に対する看護婦等の数の割合が高いものから、順次特2類、特1類、1類、2類及び3類の5種類の看護に区分しているが、2類及び3類の基準看護については、「基準看護、基準給食及び基準寝具設備の承認に関する取扱いについて」(昭和56年5月保発第39号厚生省保険局長通知)により、一般病棟(結核病棟及び精神病棟以外の病棟)におけるものは昭和56年6月1日以降は認めないこととされている。

 しかるに、上記の2保険医療機関(いずれも56年5月まで2類の基準看護を行う保険医療機関として鹿児島県知事の承認決定を受けていた。)は、一般病棟における2類の基準看護を56年7月1日現在も実施していることを明記した基準看護実施状況報告書を定時報告として鹿児島県知事に提出していたのに、同県においてこれを看過したため医療機関等に対して適切な処置を執ることができなかったばかりでなく、上記の医療機関が同年6月以降の診療に係る診療報酬明細書(以下「レセプト」という。)においても、従前どおり一般病棟における2類の基準看護に係る加算金を加算してレセプトの審査機関である基金及び連合会に提出していたのに、基金及び連合会においても上記の事実に気付かなかったため、上記の2保険医療機関に対して56年6月診療月から57年2月診療月までの支払対象とならない基準看護に係る加算金が支払われたもので、政府が管掌する保険に係る分7,832,630円、国民健康保険に係る分11,767,340円(国庫補助金等相当額合計8,116,805円)が不当と認められる。

(注)  基準看護に係る加算金

区分 入院患者1人1日当たり加算金

特2類

2,480
特1類 1,900
1類 1,100
2類 650
3類 370