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  • 昭和56年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第3厚生省|
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  • 補助金

救急医療施設運営費等補助金の経理が不当と認められるもの


(16)−(18) 救急医療施設運営費等補助金の経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)厚生本省 (項)保健衛生諸費
部局等の名称 北海道ほか2県
事業主体 県1、市2、計3事業主体
補助事業 旭川市が病院の開設者の行う病院群輪番制病院の運営事業に対し補助する事業等3事業
上記に対する国庫補助金交付額の合計 昭和55年度 37,053,000円
昭和56年度 11,591,000円

 上記の3補助事業において、事業費を過大に精算していて国庫補助金23,202,000円が不当と認められる。これを道県別に掲げると次表のとおりである。

道県名 事業 事業主体 年度 補助対象事業費 左に対する国庫補助金 不当と認めた補助対象事業費 不当と認めた国庫補助金 摘要

(16)

北海道

病院群輪番制病院運営事業

旭川市


55
56
千円
17,360
17,930
千円
8,680
8,965
千円
9,451
10,021
千円
4,726
5,011

事業費の精算過大

  この事業は、休日又は夜間における初期救急医療施設からの転送患者等の医療を確保するため、病院の開設者の行う病院群輪番制病院の運営事業に対して市町村が行う補助事業について都道府県が補助した場合に当該都道府県に対して国が補助するもので、この交付額は、基準額(診療日数に55年度60,000円、56年度63,000円を乗じて得た額)と補助の対象となる人件費の実支出額とを比較して少ない方の額を選定し、この選定額と市町村が病院群輪番制病院に補助した額(以下「市町村補助額」という。)とを比較して少ない方の額に3分の2を乗じて得た国庫補助基本額と都道府県が補助した額とを比較して少ない方の額に2分の1を乗じて得た額となっている。

 しかして、事業主体は、社団法人旭川市医師会(以下「旭川市医師会」という。)に対し病院群輪番制病院を指定すること及び病院群輪番制病院運営事業に必要な経費を支払うことを委託し、この委託料として55年度26,267,450円、56年度26,895,000円を支払っていた。そして、この額を市町村補助額とし、選定額55年度26,040,000円、56年度26,895,000円と比較して少ない方の額の3分の2である55年度17,360,000円、56年度17,930,000円を補助対象事業費としていた。

 しかし、事業主体から業務の委託を受けた旭川市医師会は、委託料として受領した上記金額のうち55、56両年度とも11,862,500円を病院群輪番制病院に交付したにすぎないのであるから、この交付した額をもって市町村補助額とすべきであり、そして、この額は55、56両年度とも上記選定額を下回ることとなるから、この市町村補助額に3分の2を乗じて得た額が本件補助対象事業費となるものである。

(17) 兵庫県 救命救急センター運営事業 兵庫県 55 77,739 25,913 34,551 11,517 事業費の精算過大

  この事業は、重篤救急患者の医療の確保を図るため、都道府県が設置した救命救急センター運営事業に対して国が補助するもので、この交付額は、基準額(年額77,739,000円)と補助の対象となる人件費、材料費等(以下「対象経費」という。)の実支出額とを比較して少ない方の額を選定し、この選定額と総事業費から診療収入及び寄附金その他の収入額を控除して得た差引事業費とを比較して少ない方の額に3分の1を乗じて得た額となっている。そして、救命救急センター運営事業を設置者が委託契約によって運営する場合には対象経費の実支出額は委託契約額を計上することになっている。

 しかして、事業主体では、この事業を公立豊岡病院組合に委託して実施し、対象経費の実支出額として同組合における総事業費266,987,885円を計上し、この額と基準額を比較して少ない方の額を選定し、この選定額が差引事業費147,838,787円を下回ることから基準額77,739,000円を補助対象事業費としていたが、対象経費の実支出額としては委託契約額43,188,000円を計上すべきであり、この委託契約額が本件補助対象事業費となるものである。

(18) 福岡県 休日夜間急患センター運営事業  田川市 55
56
7,380
7,878
2,460
2,626
1,302
4,538
435
1,513
事業費の精算過大
この事業は、休日夜間における地域住民の救急医療の確保を図るため、市町村が行う休日夜間急患センターの運営事業について都道府県が補助した場合に当該都道府県に対して国が補助するもので、この交付額は、基準額(診療日数に、休日については55年度36,000円、56年度39,000円及び夜間については55年度72,000円、56年度78,000円をそれぞれ乗じて得た額の合計額)と補助の対象となる人件費、材料費等の実支出額とを比較して少ない方の額を選定し、この選定額と実際に要した総事業費から実際に受け入れた診療収入及び寄附金その他の収入額を控除して得た差引事業費とを比較して少ない方の額に3分の1を乗じて得た国庫補助基本額と都道府県が補助した額とを比較して少ない方の額となっている。

 しかして、事業主体では、総事業費及び収入額について、実際額によらず予算額により差引事業費を55年度10,170,000円、56年度10,218,000円とし、55、56両年度とも差引事業費が選定額55年度7,380,000円、56年度7,878,000円を上回ったとして、この選定額を補助対象事業費としていた。

 しかし、実際の差引事業費は55年度6,077,404円、56年度3,339,130円であり、この額は55、56両年度とも上記選定額を下回ることとなるから、この差引事業費が本件補助対象事業費となるものである。

128,287 48,644 59,865 23,202