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  • 昭和56年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
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  • 工事

進入道路改良工事の施行に当たり、コンクリートプロック練り積み擁壁工費等の積算を誤ったため、契約額が割高になったもの


(109)  進入道路改良工事の施行に当たり、コンクリートブロック練り積み擁壁工費等の積算を誤ったため、契約額が割高になったもの

会計名及び科目 空港整備特別会計(項)航空路整備事業費
部局等の名称 東京航空局
工事名 小木の城ARSR進入道路改良工事(第1期)
工事の概要 航空路監視レーダ(ARSR)局舎への進入道路を改良するため、切盛土、コンクリート擁壁、コンクリートブロック練り積み擁壁、道路舗装等を施工する工事
工事費 413,000,000円(当初契約額342,000,000円)
請負人 株式会社植木組
契約 昭和56年5月 指名競争契約
しゅん功検査 昭和56年12月
支払 昭和56年7月、57年1月 2回

 この工事は、工事費の積算に当たってコンクリートブロツク練り積み擁壁のコンクリート量等の算定を誤ったため、契約額が約4360万円割高になったと認められる。

(説明)

 この工事は、新潟県三島郡三島町に設置する小木の城航空路監視レーダ局舎への進入道路の一部延長3,520mを改良するため、道路拡幅(拡幅後の車道幅員4m)に伴う切土及び盛土27,090m3 、コンクリート擁壁22箇所延べ582m、コンクリートブロツク練り積み擁壁15箇所延べ744m、道路舗装18,568m2 等を施工するものである。

 しかして、この工事に際しては、設計業務を設計業者に委託し、その設計書等を採択したうえ工事費を積算し予定価格を定めていたが、この予定価格の内訳についてみると、コンクリートブロック練り積み擁壁工費のうち、コンクリートブロック積み工費の積算において次のとおり算定を誤ったため、積算額が過大となっている点が見受けられた。

 すなわち、コンクリートブロック積み工費の積算に当たり、資材量は10m2 当たりを単位として算出することとして、コンクリート量は切土部7.9m3 及び盛土部1.8m3 、裏込材は切土部11.6m3 及び盛土部11.1m3 等とし、これを基にコンクリートブロック積み面積1m2 当たり単価を切土部30,689円及び盛土部17,372円と算出し、これに切土部2,966m2 及び盛土部184m2 の面積を乗じて94,220,022円と算定していた。

 しかしながら、設計書に示されているコンクリートブロック積み工は10m当たりを単位として前記の資材量を算出しており、この場合、切土部及び盛土部の平均法(のり)長は4.78m及び1.89mであって面積にして切土部47.8m2 分及び盛土部18.9m2 分の資材量であるのであるから、これを10m2 当たりとして算定することとしたのは誤りである。

 上記について、設計図面に基づき適正と認められる数量により計算すると、10m2 当たりでは、コンクリート量は計上漏れとなっていた胴込めコンクリート1.8m3 を含め切土部3.3m3 、盛土部2.8m3 、また、裏込材は切土部2.4m3 、盛土部5.6m3 となるので、これを基に1m2 当たりの単価を計算すると、切土部については直高に応じて機械を使用する場合が生ずるが本件積算においては直高2m以上の施工箇所で必要なトラッククレーンの運転経費の積算漏れなどがあり、これを考慮しても1m2 当たり切土部の直高2m未満14,472円、直高2m以上17,261円となり、盛土部については15,943円となる。したがって、この単価に、切土部については直高2m未満の1,363m2 、直高2m以上の1,592m2 を、また、盛土部については181m2 を乗じて50,090,531円と算出すべきであったと認められる。

 いま、仮に上記のほかに積算過大となっていた共通仮設費1,931,173円及び積算過少となっていた舗装工費、排水側溝工費等6,338,297円を考慮して工事費を修正計算すると総額369,386,405円となり、本件契約額はこれに比べ約4360万円割高になったと認められる。