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  • 昭和56年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第8 労働省|
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  • 補助金

職業訓練関係補助金の経理が不当と認められるもの


(146)−(149) 職業訓練関係補助金の経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)労働本省 (項)職業転換対策事業費
(項)職業訓練費
部局等の名称 山形県ほか2県
補助の根拠 職業訓練法 (昭和44年法律第64号)
事業主体 山形県ほか2県
補助事業 山形県職業転換訓練事業等4事業
上記に対する国庫補助金交付額の合計 昭和55年度 563,787,448円

 上記の4補助事業において、事業費を過大に精算していたり、補助の対象とは認められないものを事業費に含めていたりしていて国庫補助金11,460,640円が不当と認められる。これを県別に掲げると別表 のとおりである。

(説明)

 この補助金は、職業訓練法の規定に基づいて都道府県知事が、職業の転換を必要とする離転職者で公共職業安定所長が新たな職業に必要な技能を習得させるために入校を指示した者に職業転換訓練を実施した場合、及び中学校卒業者等に職業に必要な基礎的技能を習得させるために職業訓練を実施した場合に、その都道府県に対して訓練に要する費用を補助するものである。そして、この交付額は、都道府県が設置している職業訓練校において職業転換訓練等を実施した場合の人件費については職業訓練校の管理職員、職業訓練指導員及び講師等の別に定めた経費基準額(注) にそれぞれ勤務した月数を乗じて得た額、民間の学校等に委託して行う委託訓練の経費については訓練実施員数に所定の経費基準額を乗じて得た額、定年退職前職業訓練に係る経費については労働大臣が必要と認めた額と、それぞれの実支出済額とを比較して、いずれか少ない方の額を補助対象事業費とし、これに2分の1の補助率を乗じて得た額としている。

 しかして、前記3事業主体においては、補助対象事業費の精算に当たり、講師を職業訓練指導員として人件費を算定したり、委託訓練に要した経費の実支出済額を過大に計上したりして過大に精算し、また、労働省の定める基準によらない訓練を定年退職前職業訓練として補助の対象としていた。

(注)  経費基準額 職業訓練関係補助事業を実施するために必要な経費を標準的に定めた額で、例えば、職業訓練校の管理職員、職業訓練指導員等の人件費についてはその月額給与又は手当が、委託訓練の委託料については訓練実施員1人当たりの訓練費が定められている。

(別表)

県名 補助事業 事業主体
補助対象事業費
左に対する国庫補助金
不当と認めた補助対象事業費
不当と認めた国庫補助金
摘要

(146)

山形県

職業転換訓練事業

山形県
千円
120,521
千円
61,893
千円
4,428
千円
2,214

事業費の精算過大
(147)  同 職業訓練事業  同 235,557 117,778 7,487 3,743
 これらの2事業は、昭和55年度補助事業として山形県立山形高等技術専門学校ほか4校で職業転換訓練及び職業訓練を実施したもので、補助対象の人件費のうち、職業訓練指導員の人件費については人数を18人及び37人とし、これに経費基準額及び勤務した月数を乗じて65,016,000円及び133,644,000円として、補助対象の人件費を86,918,000円及び187,051,000円とし、事業費を精算していた。

 しかし、実際は、上記の職業訓練指導員のうち2人及び3人は講師であって、講師として講師手当の補助の対象となり職業訓練指導員の補助の対象とはならないので、適正な補助対象の人件費を計算すると82,489,770円及び179,563,960円となって、結局、4,428,230円及び7,487,040円が過大に精算されていた。

(148) 愛知県 職業転換訓練事業 愛知県 547,902 303,998 8,708 4,354 補助の対象外
 この事業は、昭和55年度補助事業として愛知県立名古屋職業訓練校ほか6校で職業転換訓練を実施したもので、このうち、名古屋職業訓練校ほか4校で定年退職前職業訓練として実施した6訓練については、定年退職予定者163人の訓練を実施したこととして、これに要した経費を8,708,675円とし、事業費を精算していた。

 しかし、実際は、上記の訓練は労働省が定めた基準による定年退職前職業訓練ではなく、若年者等を対象とした訓練を実施していたものであって、補助の対象とはならないものである。

(149) 山口県 職業転換訓練事業 山口県 155,302 80,118 2,301 1,149 事業費の精算過大
 この事業は、昭和55年度補助事業として山口県立東部高等職業訓練校ほか1校で職業転換訓練を実施したもので、このうち委託訓練については、経費基準額に訓練実施員数を乗じて得た額を16,881,000円とし、事業費を精算していた。しかし、実際は、上記の委託訓練に支払った経費の額は14,580,000円であるから、2,301,000円が過大に精算されていた。
1,059,283 563,787 22,924 11,460