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上記の3事業主体において、補助金の交付を受けるため日本私学振興財団(以下「財団」という。)に提出した資料に事実と異なる内容を記入しているのに、財団では、この資料に基づいて補助金の額を算定したため、補助金21,261,000円が過大に交付された結果となっている。
これを学校法人別に掲げると次表のとおりである。
事業主体 (本部所在地) |
年度 | 補助金交付額 | 不当と認めた補助金額 | ||
千円 | 千円 | ||||
(182) | 学校法人桃山学院 (大阪府大阪市) |
55 | 497,279 | 4,140 | |
56 | 540,795 | 4,276 | |||
上記学校法人は、財団に提出した昭和55年度分資料に、桃山学院大学経営学部に係る54年12月末日現在の在籍学生数を1,597人、56年度分資料に 社会学部に係る55年12月末日現在の在籍学生数を1,440人と記入していて、財団では、これに基づいて学生定員に対する在籍学生数の割合を算出し、その割合等を勘案した調整係数(注)
を55年度及び56年度の補助金の基準額にそれぞれ乗ずるなどの方法により、55年度における経営学部の専任教員給与費等に対する補助金を84,827,000円、同大学の専任職員給与費に対する補助金を128,982,000円とし、これらにその他の補助金を加え総額497,279,000円、また、56年度における社会学部の専任教員給与費等に対する補助金を92,413,000円、同大学の専任職員給与費に対する補助金を133,396,000円とし、これらにその他の補助金を加え総額540,795,000円と算定していた。 しかし、実際の学生数はそれぞれ1,615人及び1,451人であって、この結果、学生定員に対する在籍学生数の割合が変わることにより調整係数が異なることとなるので、適正な補助金は55年度493,139,000円、56年度536,519,000円となる。 |
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調整係数 | 補助金額の算定の際、大学等の教育研究条件等の良否によって補助額に差異を設けるための係数で、例えば学生定員に対する学生数の割合が学部ごとの一定基準を超えた場合、教育条件が良好でないとして基準額を一定の割合で減ずることとするもの | ||||
(183) | 学校法人久留米工業大学 (福岡県久留米市) |
55 | 242,038 | 9,096 | |
56 | 248,785 | 1,707 | |||
上記学校法人は、財団に提出した昭和55年度及び56年度分資料に、久留米工業大学に係る専任教員数を54年12月末日現在54人、55年12月末日現在57人とそれぞれ記入していて、財団では、これに一定の補助単価等を乗じて得た補助金の基準額に、専任教員等の数に対する在籍学生数の割合等を勘案した調整係数を乗ずるなどの方法により、55年度における同大学の専任教員給与費等及び非常勤教員給与費に対する補助金を158,943,000円、専任職員給与費に対する補助金を80,114,000円とし、これらにその他の補助金を加え総額242,038,000円、また、56年度における同大学の専任教員給与費等及び非常勤教員給与費に対する補助金を151,212,000円とし、これにその他の補助金を加え総額248,785,000円と算定していた。 しかし、上記専任教負のうち54年12月末日現在の2名及び55年12月末 日現在の1名は非常勤講師として発令されているので、非常勤教員給与費の補助の対象となり専任教員給与費等の補助の対象とはならないものであるから、両年度における専任教員給与費等及び非常勤教員給与費に対する補助金の基準額が異なることになり、更に55年度においては専任教員等の数に対する在籍学生数の割合が変わることにより調整係数が異なることとなるので、適正な補助金は55年度232,942,000円、56年度247,078,000円となる。 |
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(184) | 学校法人享栄学園 (愛知県名古屋市) |
55 | 62,268 | 2,042 | |
上記学校法人は、財団に提出した昭和55年度分資料に、鈴鹿短期大学に係る54年12月末日現在の専任教員数を21人と記入していて、財団では、これに一定の補助単価等を乗ずるなどの方法により、55年度における同短期大学の専任教員給与費等に対する補助金を46,127,000円とし、これにその他の補助金を加え総額62,268,000円と算定していたが、うち1名は非常勤講師として別途非常勤教員給与費の補助の対象となっており、専任教員給与費の補助の対象とはならないので、適正な補助金は60,226,000円となる。 | |||||
計 | 1,591,165 | 21,261 |