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  • 昭和56年度|
  • 第4章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第1 歳入歳出決算|
  • 2 特別会計

国立病院特別会計


(15) 厚生省所管 国立病院特別会計

 この特別会計は、国立病院、国立がんセンター及び国立循環器病センター並びに国立療養所の円滑な運営とその経理の適正を図るため設置されているもので、病院及び療養所の2勘定に区分して経理されている。

 (病院勘定)

 56年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額3083億8042万余円、収納済歳入額3078億5087万余円、不納欠損額75万余円、収納未済歳入額5億2879万余円、歳出では、支出済歳出額3014億3046万余円、翌年度繰越額46億0001万余円、不用額20億6543万余円となっている。

 収納未済歳入額の主なものは診療収入(徴収決定済額2300億6496万余円)の5億2217万余円であり、また、翌年度繰越額はすべて施設整備費(歳出予算現額393億0039万余円)の分であり、不用額の主なものは、看護婦等養成費(同36億7976万余円)の6億0807万余円及び国債整理基金特別会計へ繰入(同168億9984万余円)の4億2533万余円である。

 前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、国立病院等98箇所(入院定床35,690床)の入院患者延べ1122万余人及び外来患者延べ1158万余人の診断、治療である。

 なお、56年度における損益についてみると、診療収入等の利益2762億7999万余円、病院経営費等の損失2639億7217万余円で、123億0782万余円の利益を生じており、この利益は翌年度に基金に組み入れられている。また、56年度末における借入金の現在額は2139億9250万円(全額資金運用部資金からの借入金)となっており、基金の現在額は2869億0632万余円、積立金の現在額は33億9310万余円となっている。

 (療養所勘定)

 56年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額2645億7723万余円、収納済歳入額2642億6476万余円、不納欠損額84万余円、収納未済歳入額3億1162万余円、歳出では、支出済歳出額2595億5974万余円、翌年度繰越額34億7319万余円、不用額1億4972万余円となっている。

 収納未済歳入額の主なものは診療収入(徴収決定済額1667億6924万余円)の3億0282万余円であり、また、翌年度繰越額はすべて施設整備費(歳出予算現額350億2381万円)の分である。

 前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、国立療養所140箇所(入院定床46,075床)の入院患者延べ1588万余人及び外来患者延べ271万余人の診断、治療である。

 なお、56年度における損益についてみると、診療収入等の利益2231億6623万余円、療養所経営費等の損失2306億2084万余円で、74億5460万余円の損失を生じており、この損失額は翌年度に基金を減額して整理されている。また、56年度末における借入金の現在額は1618億5250万円(全額資金運用部資金からの借入金)となっており、基金の現在額は2128億8368万余円、積立金の現在額は74億1818万余円となっている。