この特別会計は、国が行う自動車損害賠償責任再保険事業、自動車損害賠償責任共済保険事業及び自動車損害賠償保障事業に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されているもので、保険、保障及び業務の3勘定に区分して経理されている。
(保険勘定)
56年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに1兆5550億6071万余円、歳出では、支出済歳出額3596億1155万余円、不用額1兆1644億1052万余円となっている。不用額の主なものは再保険及保険費(歳出予算現額3747億1143万余円)の194億0819万余円である。
上記の経理の基礎となった56年度末における再保険及び保険加入の自動車数は4010万余両、56年度における再保険及び保険関係の成立件数は2493万余件であり、また、上記の支出に係る業務実績の主なものは再保険金又は保険金689,220件3456億4421万余円の支払である。
なお、56年度における損益についてみると、再保険料及保険料等の利益1兆0781億8229万余円、再保険金及保険金等の損失1兆0515億5952万余円で、266億2277万余円の利益を生じており、この利益は翌年度に積立金に組み入れられている。また、56年度末における積立金の現在額は5810億7917万余円となっている。
(保障勘定)
この勘定は、自動車損害賠償保障事業(保有者が明らかでない自動車によって生命、身体を害されて損害賠償の請求をすることのできない被害者の受けた損害を国がてん補するなどの事業)の経理を行うものである。
56年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額690億1868万余円、収納済歳入額671億1831万余円、不納欠損額5634万余円、収納未済歳入額18億4401万余円、歳出では、支出済歳出額54億2149万余円、不用額606億3213万余円となっている。
収納未済歳入額はすべて雑収入(徴収決定済額61億6963万余円)の分であり、また、不用額の主なものは保障費(歳出予算現額52億4500万円)の3億0417万余円である。
前記の支出に係る業務実績の主なものは保障金2,837件35億2434万余円の支払である。
なお、56年度における損益についてみると、賦課金等の利益237億5623万余円、保障金等の損失168億8369万余円で、68億7254万余円の利益を生じており、この利益は翌年度に積立金に組み入れられている。また、56年度末における積立金の現在額は485億9381万余円となっている。
(業務勘定)
56年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに10億4604万余円、歳出では、支出済歳出額10億2204万余円、不用額1億6447万余円となっている。