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  • 昭和56年度|
  • 第4章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 2 政府関係機関の収入支出決算

国民金融公庫


 (5)  住宅金融公庫

 この公庫は、国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足る住宅の建設等に必要な資金で、銀行その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通すること及び金融機関の住宅建設等に必要な資金の貸付けにつき保険を行うことなどを目的として設置されているもので、56年度末現在の資本金は972億円となっている。

 56年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額1兆0054億1890万余円、支出では支出済額1兆0608億9038万余円、不用額396億6744万余円となっている。不用額の主なものは支払利息(支出予算現額1兆0571億7905万余円)の349億6412万余円である。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、住宅資金融通事業では住宅建設等514,053戸分など貸付契約3兆1670億9897万円、前年度までに貸付契約を行った分を含めた貸付実行3兆1155億1748万余円、貸付金回収6694億6608万余円で、56年度末における貸付金の残高は4,426,286件15兆6813億6829万余円となっており、この貸付金残高のうち弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は49億6085万余円(うち1年以上延滞のもの33億5306万余円)となっている。また、住宅融資保険事業では保険関係が成立した住宅融資保険の保険価額は9,041件922億1910万余円となっている。

 なお、56年度における損益についてみると、貸付金利息等の利益1兆1073億2954万余円、借入金利息等の損失1兆1460億9508万余円で、387億6553万余円の損失金を生じているが、これは、住宅資金融通事業において392億8616万余円の損失金が生じ、一方、住宅融資保険事業において5億2062万余円の利益金が生じたことによるものである。上記の住宅資金融通事業に係る損失金は翌年度へ繰越し整理され、住宅融資保険事業に係る利益金は同年度末の住宅融資保険積立金と合わせ44億2611万余円が翌年度に住宅融資保険積立金として積み立てられている。 56年度末における借入金の残高は15兆7826億2800万円(資金運用部資金並びに簡易生命保険及び郵便年金の積立金からの借入金)、住宅金融公庫財形住宅債券及び住宅金融公庫宅地債券の発行残高は387億4338万円となってる。