この公団は、外国貿易の増進上、特に枢要な地位を占める東京港及び横浜港において、外貿埠頭の施設整備を推進するとともにその効率的な使用を確保することにより、港湾機能の向上を図り、もって外国貿易の増進に寄与することを目的として設置されていたもので、56事業年度末現在(注1) の資本金は217億6200万円(うち国の出資108億6200万円)となっている。
56事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額173億7784万余円、支出では、支出決定済額177億1600万余円、不用額9億7808万余円となっている。不用額の主なものは外貿埠頭建設費(支出予算現額10億5687万余円)の2億7369万余円である。
上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、コンテナ埠頭等31バースの維持管理及び貸付けである。
56事業年度における損益についてみると、岸壁等貸付料収入等の収益125億6289万余円、外貿埠頭管理業務費等の費用120億2715万余円で、5億3573万余円の利益を生じている。また、56事業年度末における借入金の残高は39億7700万円(全額農林中央金庫からの借入金)、京浜外貿埠頭債券の発行残高は643億4645万円となっている。
しかして、同公団は、外貿埠頭公団の解散及び業務の承継に関する法律(昭和56年法律第28号)の規定に基づき57年3月31日に解散しており、解散時の貸借対照表上、資産は預金55億2773万余円等の流動資産76億1926万余円、コンテナ埠頭等の事業資産1043億0871万余円、事業資産建設仮勘定105億2101万余円及びその他の固定資産等5億2904万余円計1229億7804万余円、負債は流動負債7億6509万余円、京浜外貿埠頭債券等の固定負債710億5390万円及び事業資産減価償却引当金等の諸引当金289億7104万余円計1007億9004万余円、資本は国及び地方公共団体の出資金217億6200万円、利益剰余金5億3573万余円及び繰越欠損金1億0973万余円差引計221億8800万余円となっている。そして、同日付けをもって同公団の一切の権利及び義務(公団に対する国並びに東京都及び横浜市の出資金に係るものを除く。)は運輸大臣が指定する法人が承継し、国の公団に対する出資金は同法人に対する無利子貸付金となった。(注2)
(注1) | 公団の56事業年度は56年4月1日から57年3月30日までである。 |
(注2) | 運輸大臣が指定する法人は財団法人東京港埠頭公社及び財団法人横浜港埠頭公社で、これらに対する国の無利子貸付金の額はそれぞれ63億8600万円及び44億7600万円である。 |