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  • 昭和56年度|
  • 第4章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 4 公団、事業団その他6団体の決算

地域振興整備公団


(13) 地域振興整備公団

 この公団は、地域社会の中心となる都市の開発整備等に必要な業務、工業の再配置の促進に必要な業務及び石炭鉱業の不況により特に疲弊の著しい産炭地域における鉱工業等の振興に必要な業務を行うことにより、全国的な人口及び産業の適正な配置と地域住民の福祉の向上に寄与することを目的として設置されているもので、56事業年度末現在の資本金は725億0300万円(全額国の出資)となっており、同公団の会計は、地方都市開発整備等事業、工業再配置事業、産炭地域振興事業の3勘定に区分して経理されている。

 (地方都市開発整備等事業勘定)

 この勘定は、健全な市街地を形成するため必要な宅地の造成等の業務に関する経理を行うものである。

 56事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額297億4343万余円、支出では、支出決定済額300億9915万余円、翌事業年度繰越額8億2388万余円、不用額4億0881万余円となっている。

 翌事業年度繰越額の主なものは地方都市開発整備事業費(支出予算現額154億8007万余円)の8億2121万余円である。

 前記の支出に係る業務実績の主なものは6地区に係る宅地の造成である。

 なお、56事業年度における損益についてみると、宅地売上高等の収益、宅地売上原価等の費用ともに97億6003万余円となっている。また、同事業年度末における借入金の残高は498億9500万円(全額資金運用部資金からの借入金)、地域振興整備債券の発行残高は470億1650万円となっている。

 (工業再配置事業勘定)

 この勘定は、工業の再配置を促進するため必要な工場用地の造成、工業の集積の程度が低い地域に工場移転のため必要な資金の貸付け等の業務に関する経理を行うものである。

 56事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額526億7940万余円、支出では、支出決定済額436億0587万余円、翌事業年度繰越額31億0766万余円、不用額7億3599万余円となっている。

 翌事業年度繰越額の主なものは造成直接費(支出予算現額111億0806万余円)の30億9950万余円であり、不用額の主なものは利子及債券発行諸費(同86億2603万円)の3億0383万余円である。

 前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、13工場団地に係る用地の造成、及び跡地見返資金等の貸付け23件174億4000万円、貸付金の回収216億8340万円で、56事業年度末における貸付金残高は64件384億2480万円となっており、また、この貸付金残高のうち弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は9440万円(すべて1年以上延滞)となっている。

 なお、56事業年度における損益についてみると、工場用地売上高等の収益、工場用地売上原価等の費用ともに109億1926万余円となっている。また、同事業年度末における借入金の残高は262億円(全額資金運用部資金からの借入金)、地域振興整備債券の発行残高は811億6600万円となっている。

 (産炭地域振興事業勘定)

 この勘定は、産炭地域振興のため必要な鉱工業等の用に供する土地の造成、設備資金の貸付け等の業務に関する経理を行うものである。

 56事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額456億1714万余円、支出では、支出決定済額469億6258万余円、翌事業年度繰越額203万余円、不用額34億3276万余円となっている。

 不用額の主なものは造成直接費(支出予算現額85億3480万円)の21億5396万余円である。

 前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、鉱工業等の29団地に係る用地の造成、及び設備資金等の貸付け126件159億円、貸付金の回収128億6157万余円で、56事業年度末における貸付金残高は995件815億7508万余円となっており、また、この貸付金残高のうち弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は32億3926万余円(うち1年以上延滞のもの30億6142万余円)となっている。

 なお、56事業年度における損益についてみると、土地売上高等の収益147億9248万余円、融資事業総係費等の費用145億7318万余円で、2億1930万余円の利益を生じており、この利益は同事業年度末における利益積立金残高63億4630万余円と合わせ翌事業年度に利益積立金として積み立てられることになっている。また、56事業年度末における借入金の残高は987億4996万円(全額資金運用部資金からの借入金)となっている。