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  • 昭和56年度|
  • 第4章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 4 公団、事業団その他6団体の決算

住宅・都市整備公団


(15) 住宅・都市整備公団

 この公団は、住宅事情の改善を特に必要とする大都市地域その他の都市地域において健康で文化的な生活を営むに足りる良好な居住性能及び居住環境を有する集団住宅及び宅地の大規模な供給を行うとともに、当該地域において市街地開発事業等を行い、並びに根幹的な都市公園の整備を行うこと等により、国民生活の安定と福祉の増進に寄与することを目的として設置されているもので、56事業年度末現在(注1) の資本金は995億0994万余円(うち国の出資970億8962万余円)となっており、同公団の会計は、住宅・都市整備、鉄道・軌道の2勘定に区分して経理されている。

 なお、同公団は、56年10月1日、住宅・都市整備公団法(昭和56年法律第48号)附則第6条及び第7条の規定により解散した日本住宅公団及び宅地開発公団の一切の権利及び義務を承継(注2) して設立されたものである。

 (住宅・都市整備勘定)

 56事業年度の収入、債務負担決算についてみると、収入では収入決定済額1兆1198億7764万余円、債務負担では、債務負担済額1兆1120億7767万余円、翌事業年度繰越額1201億9378万余円、不用額2982億3780万余円となっている。

 翌事業年度繰越額の主なものは、住宅等建設費(債務負担予算現額6468億4582万余円)の596億2970万余円及び宅地造成費(同2236億8537万余円)の570億2737万余円であり、不用額の主なものは住宅等建設費の2591億5999万余円である。

 前記の収入、債務負担に係る業務実績の主なものは、賃貸住宅等18,895.5戸の建設、住宅建設用地101haの取得、賃貸住宅3,643戸の管理の開始(56事業年度末現在管理戸数625,241戸(うち賃貸中623,834戸))、及び分譲住宅16,592戸の供給(56事業年度末現在管理戸数295,820戸(うち分譲済み290,686戸))、宅地造成用地392haの取得、宅地等99haの譲渡である。

 なお、56事業年度における損益についてみると、住宅管理及譲渡収入等の収益、振替支払利息等の費用ともに5128億9533万余円となっている。また、同事業年度末における借入金の残高は7兆6218億6958万余円(資金運用部資金、簡易生命保険及び郵便年金の積立金、生命保険相互会社等からの借入金)、住宅・都市整備債券、住宅債券及び宅地開発債券並びに特別住宅債券の発行残高は3886億9576万余円となっており、関連施設整備事業助成基金の残高は76億6135万余円となっている。

 (鉄道・軌道勘定)

 56事業年度の収入、債務負担決算についてみると、収入では収入決定済額6億4514万余円、債務負担では、債務負担済額9億4256万余円、翌事業年度繰越額1億1007万余円、不用額12億9180万余円となっている。

 翌事業年度繰越額はすべて鉄道等建設費(債務負担予算現額19億3179万余円)の分であり、不用額の主なものは鉄道等建設費の11億6411万余円である。

 前記の債務負担に係る業務実績の主なものは、千葉ニュータウン線の小室〜千葉ニュータウン中央間(延長4km)に係る工事である。

 なお、損益については、本勘定で経理している事業がすべて建設期間中であるため計上されていない。また、56事業年度末における借入金の残高は22億5453万余円(全額資金運用部資金からの借入金)、宅地開発債券の発行残高は20億3147万余円となっている。

(注1) 住宅・都市整備公団の56事業年度は、56年10月1日から57年3月31日までである。
(注2) この承継に係る両公団の貸借対照表上の資産、負債及び資本は、(1)日本住宅公団については、住宅資産等の資産8兆6343億2856万余円、長期借入金等の負債8兆5357億3861万余円及び政府出資金等の資本金985億8995万余円、(2)宅地開発公団については、宅地開発勘定の宅地建設仮勘定等の資産1897億4684万余円、宅地開発債券等の負債1750億6833万余円及び政府出資金4億9500万円並びに関連施設整備事業助成基金141億8351万余円、鉄道・軌道勘定の鉄道建設仮勘定等の資産51億9062万余円、宅地開発債券等の負債48億9662万余円及び政府出資金等の資本金2億9399万余円である。