この事業団は、主要な畜産物の価格の安定、乳業者等の経営に要する資金の調達の円滑化及び畜産の振興に資するための事業に対する助成等に必要な業務を行うことを目的として設置されているもので、56事業年度末現在の資本金は83億4070万円(うち国の出資78億9700万円)となっており、同事業団の会計は、一般、輸入牛肉、債務保証、助成及び補給金等の5勘定に区分して経理されている。
(一般勘定)
56事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額3億4921万余円、支出では、支出決定済額11億8279万余円、不用額345億1619万余円となっている。不用額の主なものは借入金返済金(支出予算現額298億7572万余円)の298億7572万余円である。
上記の支出に係る業務実績の主なものは、国内産脱脂粉乳38,000t及び国内産バター7,210tの保管である。
なお、56事業年度における損益についてみると、期末乳製品たな卸高等の利益288億4469万余円、期首乳製品たな卸高等の損失287億7718万余円で、6750万余円の純益金を生じており、この純益金は、翌事業年度に債務保証勘定からの繰入金1146万余円と合わせ繰越欠損金60億9918万余円の減額に充てており、欠損金60億2021万余円が繰り越されている。
(輸入牛肉勘定)
56事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額1053億7550万余円、支出では、支出決定済額797億5848万余円、翌事業年度繰越額171万余円、不用額457億4950万余円となっている。不用額の主なものは輸入牛肉買入保管事業費(支出予算現額1234億4649万余円)の452億2403万余円である。
上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、輸入牛肉9万余tの買入れ及び8万余tの売渡しである。
なお、56事業年度における損益についてみると、輸入牛肉売上高等の利益1310億0126万余円、輸入牛肉買入高等の損失1014億1688万余円で、295億8438万余円の純益金を生じており、この純益金のうち、翌事業年度に助成勘定に295億5976万余円が組み入れられることになっており、また、残余の2462万余円は前事業年度から繰り越された積立金と合わせ20億8517万余円が積立金として積み立てられることになっている。
(債務保証勘定)
56事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額8294万余円、支出では、支出決定済額6654万余円、不用額2052万余円となっている。
上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、運転資金等に対する新規の保証25件11億0400万円で、56事業年度末の保証残高は30件10億3152万円となっている。
なお、56事業年度における損益についてみると、受入利息等の利益8063万余円、一般管理費等の損失6630万余円で、1432万余円の純益金を生じており、この純益金のうち、翌事業年度に、一般勘定に1146万余円が組み入れられ、残余の286万余円は前事業年度から繰り越された積立金と合わせ2292万余円が積立金として積み立てられている。
(助成勘定)
56事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額803億8963万余円、支出では、支出決定済額450億4882万余円、翌事業年度繰越額8322万余円、不用額350億9800万余円となっている。不用額の主なものは指定助成対象事業費(支出予算現額624億2788万余円)の334億2723万余円である。
上記の支出に係る業務実績の主なものは、酪農経営負債整理資金特別融通事業等30項目の指定助成対象事業に対する補助272億0128万余円及び学校給食用牛乳62万余tの牛乳供給事業に対する補助157億8774万余円である。
なお、56事業年度における損益についてみると、資金より戻入金等の利益、助成事業費等の損失ともに449億2626万余円となっている。
(補給金等勘定)
56事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額479億8223万余円、支出では、支出決定済額481億5173万余円、翌事業年度繰越額171万余円、不用額35億4434万余円となっている。不用額の主なものは借入金返済金(支出予算現額26億6345万余円)の26億6345万余円である。
上記の支出に係る業務実績の主なものは、加工原料乳193万tに対する加工原料乳生産者補給交付金474億2009万余円の交付である。
なお、56事業年度における損益についてみると、交付金収入等の利益558億5550万余円、補給金事業費等の損失559億7066万余円で、1億1515万余円の損失金を生じており、同事業年度末における積立金23億1686万余円を減額して翌事業年度において整理されている。