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  • 昭和56年度|
  • 第4章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 4 公団、事業団その他6団体の決算

蚕糸砂糖類価格安定事業団


(16) 蚕糸砂糖類価格安定事業団

 この事業団は、繭及び生糸の価格について、安定価格帯を超える異常な変動を防止するとともに、この安定価格帯の中の一定の幅の中にこれらの価格を安定させるため、生糸の買入れ、輸入、売りもどし及び売り渡し、繭の保管に要する経費の助成、委託による乾繭の売渡し等の業務を行うとともに、輸入に係る砂糖の価格調整並びに国内産糖及び国内産ぶどう糖の価格支持のための砂糖及びぶどう糖の買入れ及び売りもどしの業務を行うことを目的として設置されているもので、56事業年度末現在(注1) の資本金は60億3030万円(うち国の出資50億3030万円)となっており、同事業団の会計は、繭糸価格異常変動防止、繭糸価格中間安定等及び砂糖類価格安定の3勘定に区分して経理されている。

 なお、同事業団は、56年10月1日蚕糸砂糖類価格安定事業団法(昭和56年法律第44号)附則第6条及び第8条の規定により解散した日本蚕糸事業団及び糖価安定事業団の一切の権利及び義務を承継(注2) して設立されたものである。

 (繭糸価格異常変動防止勘定)

この勘定は、糸価の異常変動防止のための生糸売買、繭価維持補助及び共同保管繭売買の各事業の経理を行うものである。

 56事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額2億0972万余円、支出では、支出決定済額7771万余円、不用額192億2264万余円となっている。不用額の主なものは生糸買入費(支出予算現額158億4000万円)の158億4000万円及び借入金償還(同21億3600万余円)の21億3600万余円である。

 なお、56事業年度における損益についてみると、受入利息等の利益2億の0970万余円、一般管理費等の損失7821万余円で、1億3149万余円の利益金を生じており、日本蚕糸事業団から承継した積立金と合わせ29億0412万余円が翌事業年度へ繰越し整理されている。

 (繭糸価格中間安定等勘定)

この勘定は、生糸価格中間安定、受託乾繭、生糸短期保管及び繭糸生産流通合理化助成の各事業の経理を行うものである。

 56事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額1627億8163万余円、支出では、支出決定済額1625億7203万余円、翌事業年度繰越額6億4042万余円、不用額548億6668万余円となっている。

 翌事業年度繰越額はすべて生糸価格中間安定事業に係る生糸買入費(支出予算現額263億9881万余円)の分であり、また、不用額の主なものは、生糸価格中間安定事業に係る生糸買入費の215億4197万余円、生糸短期保管事業に係る生糸買入費(同206億4000万円)の206億4000万円である。

 前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、国産生糸の買入れ60俵、外国産生糸の輸入5,223俵及び売渡し17,125俵である。

 なお、56事業年度における損益についてみると、長期保管生糸期末たな卸高等の利益1514億7224万余円、長期保管生糸期首たな卸高等の損失1541億8299万余円で、27億1074万余円を損失金を生じており、日本蚕糸事業団から承継した積立金41億3447万余円を減額して整理している。また、同事業年度末における蚕糸業振興資金の残高は16億2055万余円となっている。

 (砂糖類価格安定勘定)

この勘定は、輸入に係る砂糖及び国内産糖等の売買事業の経理を行うものである。

 56事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額378億8424万余円、支出では、支出決定済額474億7035万余円、不用額8億2389万余円となっている。不用額の主なものは国内産糖等価格安定事業費(支出予算現額471億8620万余円)の7億4904万余円である。

 前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、輸入に係る砂糖の売買92万余t、国内産糖の売買45万余tである。

 なお、56事業年度における損益についてみると、国内産糖等調整金収入等の利益429億6439万余円、国内産糖等価格安定事業費等の損失474億7902万余円で、45億1462万余円の損失金を生じており、糖価安定事業団から承継した欠損金と合わせ244億0824万余円が翌事業年度へ繰越し整理されている。

(注1)

蚕糸砂糖類価格安定事業団の56事業年度は、56年10月1日から57年3月31日までである。

(注2) この承継に係る両事業団の貸借対照表上の資産、負債及び資本は、(1)日本蚕糸事業団については、異常変動防止勘定の有価証券等の資産58億4649万余円、未払費用等の負債7386万余円及び政府出資金等の資本57億7262万余円、中間安定等勘定の長期保管生糸等の資産1554億6906万余円、短期借入金等の負債1452億2116万余円、政府出資金等の資本102億4790万余円、(2)糖価安定事業団については、有価証券等の資産180億1443万余円、前受金等の負債215億4224万余円及び糖価安定資金の積立金163億6580万余円及び繰越欠損金198億9361万余円である。