この基金は、東南アジア地域その他の開発途上にある海外の地域の産業の開発又は経済の安定に寄与するため、その開発又は安定に必要な資金で日本輸出入銀行及び一般の金融機関から供給を受けることが困難なものについてその円滑な供給を図るなどのために必要な業務を行い、もって海外経済協力を促進することを目的として設置されているもので、56事業年度末現在の資本金は9732億4447万余円(全額国の出資)となっている。
56事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額541億4304万余円、支出では、支出決定済額699億4187万余円、不用額64億7159万余円となっている。不用額の主なものは支払利息(支出予算現額734億0284万余円)の62億0291万余円である。
上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、貸付け98件3177億9840万余円及び出資9件207億8629万余円、貸付金回収482億5734万余円で、56事業年度末における貸付金の残高は954件1兆9581億3589万余円、出資金の残高は15会社等736億2769万余円となっている。また、この貸付金残高のうち弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は20億5977万余円(うち1年以上延滞のもの12億6889万余円)となっている。
なお、56事業年度における損益についてみると、貸付金利息等の利益753億2515万余円、借入金利息等の損失840億8346万余円で、87億5831万余円の損失金を生じており、同事業年度末における積立金87億5831万余円を減額して翌事業年度において整理されている。また、同事業年度末における借入金の残高は1兆0642億5802万円(全額資金運用部資金からの借入金)、海外経済協力基金債券の発行残高は231億5000万円となっている。