会計名及び科目 | 一般会計 (組織)工業技術院 | (項)鉱工業技術振興費 (項)大型工業技術研究開発費 (項)エネルギー技術研究開発費 |
部局等の名称 | 工業技術院 | |
委託費により取得した物品の概要 | 民間企業等に委託して実施する大型工業技術研究開発等の実施に伴い委託費により取得した物品 | |
委託費により取得した物品の57年度末現在高 | 44,431,630,725円(取得価格) |
上記部局が実施している大型工業技術、エネルギー関連技術等の研究開発のための委託事業において、受託者が取得した機械装置等の物品の管理が適切を欠いているものが2,310点取得価格3,078,135,507円見受けられた。
これら物品については、委託研究完了の都度早期に利活用を図るなどの要があるものであるが、上記部局において適切な措置を講ずることなく推移しているため、受託者が国に無断で処分しているなどしていたので、速やかに利活用等を行えるよう管理体制の整備を図る要があると認められた。
上記に関し当局に指摘したところ、改善の処置が執られた。
(説明)
工業技術院では、毎年度、大型工業技術、エネルギー関連技術等の研究開発事業を研究開発委託費により民間企業等(以下「受託者」という。)に委託して実施しており、この委託研究の実施に伴い受託者において研究開発用の機械装置等の物品を多数取得しているが、これらの物品の昭和57年度末現在高は17,291点44,431,630,725円に上っている。そして、このうち3,559点8,786,047,052円についてその管理状況を調査したところ、管理が適切を欠くと認められるものが2,310点3,078,135,507円見受けられた。
いま、これらの事態をその態様別に示すと次のとおりである。
(1) 受託者において紛失したり、受託者が無断で処分したりしていたもの
(2) 受託者が国に無断で使用しているもの
(3) 受託者に3年から9年の長期間にわたり保管させていたため、老朽化したり陳腐化したりして使用不能となっているもの
(4) 受託者に2年から11年の長期間にわたり保管させているもの
ア 受託者が払下げを希望しているのに、これに対する措置を執っていないもの
イ 受託者が国への返納を希望しているのに、これに対する措置を執っていないもの
このような事態となったのは、委託費取得物品の利活用等を速やかに行えるような管理体制が十分でなかったことによるものと認められ、毎年度の委託研究が完了した都度、継続して使用する見込みのない物品の有無、国における利活用の可能性の有無、払下げ希望の有無等の調査やその後の処理について、関係事務処理手続きを整備するとともに、関係部門間の連絡調整を十分行えるよう適切な処置を講ずる要があると認められた。
上記についての本院の指摘に基づき、工業技術院では、58年10月「委託契約に基づき取得する物品の管理及び処分に係る事務処理要領」を定め、関係部門間の連絡を十分行うなどして委託研究完了の都度早期に委託費取得物品の国の機関や払下げ希望の受託者における利活用等を図るとともに、受託者において紛失したり、無断で処分したり、無断で使用していたりしていたものについては弁償金等を徴収する処置を執ることとした。