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上記の補助事業において、補助対象とは認められない経費を補助対象事業費に含めていたため、国庫補助金20,028,599円が不当と認められる。
(説明)
この補助金は、産業医学の振興を図り労働者の健康管理の充実に資するため、財団法人産業医学振興財団が、学校法人産業医科大学(以下「大学」という。)に対し、大学及び大学病院の運営並びに施設、設備の整備に要する経費の一部を補助するために要する経費を補助するもので、大学の運営に要する経費並びに大学及び大学病院の施設、設備の整備に要する経費については定額を、また、大学病院の運営に要する経費については昭和56年度以前は定額、57年度については、人に伴う経費は2分の1以内、教育研究経費は10分の10以内をそれぞれ補助することとなっている。
しかして、労働省では、54年度から57年度までの4箇年間に補助対象事業費39,973,002,000円に対する国庫補助金26,768,165,800円を交付しているが、大学及び大学病院の運営に要する経費のうちの職員退職手当積立金については、大学では職員俸給年額の1000分の80相当額を毎年積み立てることとしていて、その額を54年度から57年度までの4箇年間で計606,720,667円(国庫補助金相当額560,539,338円)と算出して同積立金に繰り入れ、事業費を精算していた。
しかし、上記積立金のうち、嘱託職員延べ35名及び臨時職員延べ209名に係る職員退職手当積立金21,246,082円(国庫補助金相当額20,028,599円)については、大学の職員退職手当支給規程等によってこれらの職員には退職手当を支給しないこととなっているのであるから、積み立てる要がなく、補助の対象とはならないものである。