科目 | (損益勘定) (項)施設保全費 |
部局等の名称 | 東京千代田地区管理部 |
工事名 | 昭和56年度晴海局臨時電話架設工事(宅内−1)ほか10工事 |
工事の概要 | 東京国際貿易センター内の展示館に催物主催者の請求により臨時電話を新設し、催物終了後に撤去する工事 |
工事費 | 昭和56年度総額52,160,000円(当初契約額総額47,700,000円) |
昭和57年度総額56,200,000円(当初契約額総額53,500,000円) | |
請負人 | 東洋電機通信工業株式会社 |
契約 | 昭和56年4月〜58年1月 11回 指名競争契約 |
支払 | 昭和56年7月〜58年4月 11回 |
これらの工事は、多数の電話機を計画的かつ集中的に新設及び撤去するものであるのに、工事費の積算に当たり、作業規模が極めて小さく、作業箇所間の移動に相当の時間を要する場合に適用する複合単価により算出したため、契約額が約6160万円割高になったと認められる。
(説明)
これらの工事は、東京国際貿易センター内の展示館で各種の催物を開催する各主催者からの請求を受けて、展示館に臨時電話を新設し、催物終了後に撤去するもので、昭和56年度において総数4,167個、57年度において総数4,366個の電話機を新設、撤去している。
しかして、これらの工事費の積算については、本社が制定した「電気通信設備請負工事予定価格の積算要領〔宅内〕」(以下「積算要領」という。)の単独加入電話の新設及び撤去の複合単価を適用して工事費総額109,855,107円(56年度52,919,918円、57年度56,935,189円)と算定していた。
そして、この複合単価は、一般の加入電話の場合のように不特定多数の顧客からの請求により、その都度先方に赴いて、1作業箇所当たり平均1個程度の電話機を新設又は撤去する工事で、作業箇所が各地に点在しているため、その間の移動に相当の時間を要する場合に適用されるものである。
しかしながら、本件工事の作業実態についてみると、催物の予定時期及び電話機の設置予定数量を事前に把握しており、1開催当たり平均75個程度の多数の電話機を計画的、集中的に新設及び撤去していて、作業箇所間の移動にもほとんど時間を要しない状況であった。
そして、積算要領では、別途、一定の地域で集中的に老朽劣化した設備を取り替える整備取替工事等のように多数の電話機の新設及び撤去を計画的に施工する場合に適用される複合単価を定めており、これは前記単独加入電話の新設及び撤去の複合単価に比べ約6割程度低価になっているもので、本件工事はこれと同種の作業内容となっていることから、この複合単価で積算すべきであったと認められた。
いま、仮に上記により工事費を修正計算すると、総額46,741,669円(56年度22,362,522円、57年度24,379,147円)となり、本件契約額108,360,000円は、これに比べて約6160万円割高であったと認められる。