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  • 昭和57年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第5 農林漁業金融公庫|
  • 不当事項|
  • 貸付金

振興山村・過疎地域経営改善資金等の貸付けが不当と認められるもの


(162)(163) 振興山村・過疎地域経営改善資金等の貸付けが不当と認められるもの

科目 貸付金
部局等の名称 北海道、青森両支店
受託金融機関 北海道、青森県両信用農業協同組合連合会
貸付けの根拠 農林漁業金融公庫法(昭和27年法律第355号)、過疎地域振興特別措置法(昭和55年法律第19号)
貸付金の種類 振興山村・過疎地域経営改善資金、総合施設資金
貸付けの内容 農業者等に対する振興山村・過疎地域経営改善資金等の貸付け
貸付件数 2件
貸付金の合計額 52,100,000円

 上記の貸付けは、貸付けの目的に沿わない結果になっていて、貸付金14,677,071円が不当と認められる。

(説明)
 農林漁業金融公庫では、農林漁業金融公庫法等の規定に基づき農林漁業者等に対し、農林漁業の生産力の維持増進等に必要な長期かつ低利の資金であって、一般の金融機関から融通を受けることが困難な資金を直接又は金融機関に委託して貸し付けている。
 このうち、同公庫が金融機関に委託して貸付けを行う場合は、借入申込者からの借入申込書類等について、受託金融機関が審査した後、同公庫において関係法令等に照らして適当と認められたときは貸付決定をし、受託金融機関は、借用証書その他必要な条件を整備させたうえ貸付実行をして事業の進ちょくに応じて貸付金を払い出すものであるが、その払出しは借受者から事業費支払先の請求書や事業完成報告書等を提出させるとともに、努めて実査を行うことにより、貸付対象の事業量及び事業費を確認して行うこととしている。
 しかして、本院で昭和58年中に、振興山村・過疎地域経営改善資金等の資金の貸付けについて調査したところ、同公庫及び受託金融機関の審査及び調査確認が適切でなかったり、受託金融機関に対する指導監督が十分でなかったりしたため、上記の2貸付事業において、貸付対象事業の一部が実施されていなかったり、貸付対象事業費よりも低額で事業が実施されていたりしていて、貸付けが不当と認められるものが、次表のとおり、14,677,071円見受けられた。

支店名
(受託金融機関名)
貸付先
(転貸先)
貸付対象 貸付
昭和年月
(貸付利率)
貸付対象事業費 左に対する貸付金額 左のうち不当と認めた額

摘要

千円 千円 千円
(振興山村・過疎地域経営改善資金)
(162) 北海道支店 農業協同組合
(農業者)
繁殖用肉牛 56.12
(年5%)
10,880 8,700 4,507 事業の一部不実施
北海道信用農業協同組合連合会
 この貸付けは、繁殖用肉牛30頭の購入に必要な資金10,880,000円(貸付対象事業費同額)の一部として8,700,000円を貸し付けたもので、借主は貸付対象事業費どおりの価格で繁殖用肉牛を購入したこととしていたが、実際は貸付対象頭数より少ない19頭を5,240,700円で購入していた。
 したがって、適切な貸付金額は4,192,560円となり、本件貸付金額との差額4,507,440円は過大な貸付けとなっている。
(総合施設資金)
(163) 青森支店 農業者 農地ほか 56.3
(年5%)
51,679 43,400 10,169 低額取得
青森県信用農業協同組合連合会
 この貸付けは、農地37,004m2 の取得に必要な資金55,500,000円(貸付対象事業費46,700,000円)及びトラクタ1台等の購入に必要な資金4,979,300円(貸付対象事業費同額)計60,479,300円(貸付対象事業費51,679,300円)の一部として43,400,000円を貸し付けたもので、借主は農地を55,500,000円で取得し、トラクタ等を4,979,300円で購入したこととしていたが、実際は、農地を上記価格より低額な40,743,333円(うち貸付対象事業費31,943,333円)で取得していた。
 したがって、適切な貸付金額は33,230,369円となり、本件貸付金額との差額10,169,631円は過大な貸付けとなっている。
62,559 52,100 14,677