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  • 昭和59年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第2 文部省|
  • 不当事項|
  • 補助金

補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの


(27)−(33) 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)文部本省 (項)社会教育助成費
(項)公立文教施設整備費
部局等の名称 宮城県ほか5都県
補助の根拠 義務教育諸学校施設費国庫負担法(昭和33年法律第81号)等
事業主体 市6、町1、計7事業主体
補助事業 大和町公民館整備等7事業
上記に対する国庫補助金交付額の合計 580,982,000円

 上記の7補助事業において、補助の対象とは認められないものを事業費に含めていたり、補助事業で取得した財産を目的外に使用したりしていて、国庫補助金55,134,000円が不当と認められる。これを都県別に掲げると別表 のとおりである。

 (説明)

 文部省所管の補助事業は、地方公共団体等が事業主体となって実施するもので、同省ではこれらの事業主体に対して事業に要する費用について補助金を交付している。
 しかして、これらの補助事業の実施及び経理について検査したところ、前記の7事業主体が実施した公民館整備事業等の7事業において、補助の対象とは認められないものを事業費に含めていたり、補助事業で取得した財産を目的外に使用したりしていた。
 いま、これらについて不当の態様別に示すと次のとおりである。
  補助の対象とは認められないものを事業費に含めているもの

6事業 不当と認めた国庫補助金 53,426,000円

補助事業で取得した財産を目的外に使用しているもの

1事業 不当と認めた国庫補助金 1,708,000円

(別表)

都県名 補助事業 事業主体 補助対象事業費 左に対する国庫補助金 不当と認めた補助対象事業費 不当と認めた国庫補助金

摘要

千円 千円 千円 千円
(27) 宮城県 公民館整備 黒川郡
大和町
19,078 2,500 13,036 1,708 目的外使用

 この事業は、昭和40年度補助事業として、住民のための生活に即した教育、学術及び文化に関する各種の事業を行うため、鉄筋コンクリート造り2階建て延面積697.9m2 の公民館を補助対象事業費19,078,000円で設置したものである。
 しかし、同町では、59年11月に同公民館を全面的に改修し、以後役場庁舎として使用している。

(28) 東京都 第3中学校
校舎増築
調布市 163,058 81,529 42,107 10,128 補助の対象外

 この事業は、昭和59年度補助事業として、第3中学校の校舎を増築したもので、同中学校の59年5月1日現在の学級数31学級に応ずる校舎の必要面積7,638m2 から保有面積6,484m2 を差し引いた1,154m2 を補助対象とし、これに1m2 当たりの補助単価139,900円を乗ずるなどして算出した額を補助対象事業費としていた。
 しかし、同中学校については、55、57両年度に健全な建物298m2 を取り壊しており、これは保有しているものとし、必要面積から差し引くなどして補助対象面積を算定することとなっているのに、これをすることなく本件補助の対象面積に含めていたものである。

(29) 長野県 南小学校
校舎新築
上田市 737,235 368,617 25,875 12,937 補助の対象外

 この事業は、昭和57年度補助事業として、城下小学校ほか1校から59年4月に分離新設した南小学校の校舎を新築したもので、同小学校の59年4月の予定学級数23学級に応ずる校舎の必要面積5,328m2 を補助対象とし、これに1m2 当たりの補助単価137,000円を乗ずるなどして算出した額を補助対象事業費としていた。
 しかし、上記予定学級数23学級は、入学予定児童数に予定通学区域外に在住する者を誤って含めていたことによるもので、正しい入学予定児童数によれば、予定学級数は22学級となり、これに応ずる校舎の必要面積は5,141m2 であるから、これを上記の5,328m2 から差し引いた7m2 に対する事業費相当額は補助の対象から除外すべきであると認められる。

(30) 長野県 四賀小学校
校舎増築
諏訪市 61,966 30,983 19,163 9,582

補助の対象外

 この事業は、昭和58年度補助事業として、四賀小学校の校舎を増築したもので、同小学校の58年5月1日現在の学級数20学級に応ずる校舎の必要面積4,773m2 から保有面積4,242m2 を差し引いた531m2 のうち498m2 を補助対象とし、これに1m2 当たりの補助単価123,200円を乗ずるなどして算出した額を補助対象事業費としていた。
 しかし、上記の20学級のうち、2学年の4学級は児童数を136人と誤ったことによるもので、正しい児童数134人によれば学級数は3学級となる。したがって、同校の全学級数は19学級となり、これに応ずる校舎の必要面積は4,586m2 であるから、これから上記の保有面積を差し引くと補助対象面積は344m2 となり、過大な面積154m2 に対する事業費相当額は補助の対象から除外すべきであると認められる。

(31) 滋賀県 堅田中学校
校舎増築
大津市 41,898 27,932 9,065 6,044 補助の対象外

 この事業は、昭和59年度補助事業として、堅田中学校の校舎を増築したもので、同中学校の59年5月1日現在の学級数25学級に応ずる校舎の必要面積6,497m2 から保有面積6,496m2 を差し引いた1m2 に、60年4月までに増加することが明らかである2学級分の校舎面積374m2 を加えた375m2 のうち342m2 を補助対象とし、これに1m2 当たりの補助単価121,300円を乗ずるなどして算出した額を補助対象事業費としていた。
 しかし、同中学校については、55年度に健全な建物74m2 を取り壊しており、これは補助対象とした342m2 から除外すべきであると認められる。

(32) 奈良県 白橿北小学校
校舎増築
橿原市 95,667 47,833 22,880 11,440 補助の対象外

 この事業は、昭和58年度補助事業として、白橿北小学校の校舎を増築したもので、同小学校の58年5月1日現在の学級数23学級に応ずる校舎の必要面積4,963m2 から保有面積4,248m2 を差し引いた715m2 を補助対象とし、これに1m2 当たりの補助単価133,800円を乗じて算出した額を補助対象事業費としていた。
 しかし、上記の23学級のうち、2学年の4学級は児童数を136人と誤ったことによるもので、正しい児童数126人によれば学級数は3学級となる。したがって、同校の全学級数は22学級となり、これに応ずる校舎の必要面積は4,792m2 であるから、これから上記の保有面積を差し引くと補助対象面積は544m2 となり、過大な面積171m2 に対する事業費相当額は補助の対象から除外すべきであると認められる。

(33) 宮崎県 細野小学校
校舎増築
小林市 43,177 21,588 19,770 3,295 補助の対象外

 この事業は、昭和58年度補助事業として、細野小学校の校舎を増築したもので、同小学校の58年5月1日現在の学級数16学級に応ずる校舎の必要面積3,717m2 から保有面積3,334m2 を差し引いた383m2 のうち380m2 を補助対象とし、これに1m2 当たりの補助単価112,500円を乗ずるなどして算出した額を補助対象事業費としていた。
 しかし、同小学校については、54、55両年度に危険な建物174m2 を取り壊しており、これは保有面積に算入して必要面積から差し引かなければならないこととなっているのに、これを差し引くことなく本件補助の対象面積に含めていたものである。

1,162,079 580,982 151,896 55,134