会計名 | 国立病院特別会計 | (病院勘定) (療養所勘定) |
部局等の名称 | 国立病院等82施設、国立療養所114施設 | |
減免の概要 | 医療費のうち患者から徴収することとされている額の一部又は全部を減免しているもの | |
減免した額 | 178,385,177円(昭和59年度) |
上記の各部局では、医療費のうち患者から徴収することとされている額(以下「患者負担分」という。)の一部又は全部を減免しているものが、昭和59年度で約1億7830万円に上っていた。
このような減免を行っているのは、職員等に対して患者負担分を減免することとしていた従来からの慣行等に従っていることによるもので、医療保障制度が充実している現状からみて、このような取扱いを廃止する処置を講ずる要があると認められた。
上記に関し当局に指摘したところ、改善の処置が執られた。
(説明)
厚生省では、国立病院、国立療養所、国立がんセンター及び国立循環器病センター(以下「病院等」という。)において医療を行っており、この医療費は、健康保険法(大正11年法律第70号)等に基づく保険給付分等については社会保険診療報酬支払基金等に対し、また、患者負担分については直接患者に対し、それぞれ請求して徴収することとされている。
しかして、病院等の昭和59年度における医療費の徴収状況について検査したところ、直接患者に請求することとされている患者負担分のうち、病院等の職員、賃金職員及びこれらの家族並びに看護婦、助産婦等の養成所の生徒等に係るものについてその一部又は全部を減免しているものが196病院等で64,372件約1億7830万円見受けられた。 このような減免を行っているのは、厚生省医務局長が定めている国立病院入院費等取扱細則若しくは国立療養所入所費等取扱細則又は病院長等が独自に定めた内規において従前からの慣行等を尊重する趣旨で引き続き減免の取扱いを規定しているところによるものである。
しかしながら、近年、医療保障制度が充実してきている状況の下で、医療費の受益者負担の原則の確立が図られていることなどからも、上記のような減免を引き続いて行っているのは適切ではないと認められた。
上記についての本院の指摘に基づき、厚生省では、60年11月に上記の両細則を改正するとともに、病院長等に対して通達を発し、職員等に対する患者負担分の減免を廃止することとする処置を講じた。