科目 | (補助金勘定) (款)補助金 (項)補助金 |
部局等の名称 | 日本私学振興財団 |
補助の対象 | 私立大学等における専任教職員の給与その他教育又は研究に要する経常的経費 |
補助の根拠 | 私立学校振興助成法(昭和50年法律第61号) |
事業主体 | 学校法人東北学院ほか8学校法人 |
上記に対する財団の補助金交付額の合計 | 5,657,735,000円 |
上記の9事業主体において、補助金の交付を受けるため日本私学振興財団(以下「財団」という。)に提出した資料に、補助金算定の対象とはならない教員を記入するなど事実と異なる内容を記載しているのに、財団ではこれに基づいて補助金の額を算定したため、補助金60,661,000円が過大に交付された結果となっている。これを学校法人別に掲げると別表 のとおりである。
(説明)
この補助金は、私立学校振興助成法に基づき、私立の大学、短期大学及び高等専門学校(以下「私立大学等」という。)の教育条件の維持及び向上並びに学生の修学上の経済的負担の軽減を図ることなどを目的として、財団が国の補助金を財源として、私立大学等における専任教職員の給与その他教育又は研究に要する経常的経費に充てるため学校法人に交付するものである。
この補助金について、財団では、補助金額算定の資料として、各学校法人から補助金交付申請書とともに前年度の12月末日現在の専任教職員及び学生数、前年度の学生納付金収入、教育研究経費支出及び設備関係支出などに関する資料を提出させ、補助金額の算定に当たっては、経常的経費を専任教員等給与費、専任職員給与費、教育研究経常費等の経費に区分し、それぞれの経費ごとに専任教員等の数、専任職員数又は学生数等を一定の補助単価に乗ずるなどの方法により補助金の基準額を算出し、さらに、各私立大学等の教育研究条件の良否によって補助金額に差異を設けるため、学生総定員に対する在籍学生数、専任教員等の数に対する在籍学生数及び学生納付金収入に対する教育研究経費支出・設備関係支出の各割合に基づいて算出した調整係数を基準額に乗ずるなどの方法により補助金の額を算定することとしている。
また、補助金額算定の基礎となる専任教員は、当該私立大学等の専任教員として発令され、常時勤務していて、1週間の割当授業時間数が6時間(以下「基準授業時間数」という。)以上であることなどの要件に該当する者としている。
しかして、前記の9事業主体においては、前記の資料に、補助金算定の対象とはならない教員及び過大な学生数を記入していたり、教育研究経費支出から控除すべき経費を含めていたり、設備関係支出に実際には支出していない経費を含めていたりなどしているのに、財団では、これに基づいて補助金の額を算定したため、補助金60,661,000円が過大に交付された結果となっている。
事業主体 (本部所在地) |
年度 | 補助金交付額 | 不当と認めた補助金額 | |
千円 | 千円 | |||
(139) | 学校法人 東北学院 (宮城県仙台市) |
59 | 1,170,447 | 2,352 |
上記の学校法人は、財団に提出した資料に、東北学院大学法学部に係る昭和58年12月末日現在の専任教員等の数を31人と記入していて、財団では、これに基づき、同学部の専任教員等給与費等についての補助金を107,606,000円とし、これにその他の経費についての補助金1,062,841,000円を加え、同学校法人に対する補助金総額を1,170,447,000円と算定していた。 しかし、上記の専任教員等のうち1名は1週間の割当授業時間数が基準授業時間数を下回っているため補助金算定の対象とはならないので、これを除外して算定すると、適正な補助金は1,168,095,000円となる。 |
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(140) | 学校法人 工学院大学 (東京都新宿区) |
58 | 1,123,801 | 3,496 |
上記の学校法人は、財団に提出した資料に、工学院大学工学部第一部に係る昭和57年12月末日現在の専任教員等の数を184人と記入していて、財団では、これに基づき、同学部の専任教員等給与費等についての補助金を620,740,000円とし、これにその他の経費についての補助金503,061,000円を加え、同学校法人に対する補助金総額を1,123,801,000円と算定していた。 しかし、上記の専任教員等のうち1名は1週間の割当授業時間数が基準授業時間数を下回っているため補助金算定の対象とはならないので、これを除外して算定すると、適正な補助金は1,120,305,000円となる。 |
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(141) | 学校法人 大正大学 (東京都豊島区) |
59 | 466,270 | 12,599 |
上記の学校法人は、財団に提出した資料に、大正大学文学部に係る昭和58年12月末日現在の専任教員等の数を65人と記入していて、財団では、これに基づき、補助金の基準額に、専任教員等の数に対する在籍学生数の割合等により算出した調整係数を乗ずるなどの方法により、専任教員等給与費等についての補助金を334,633,000円とし、これにその他の経費についての補助金131,637,000円を加え、同学校法人に対する補助金総額を466,270,000円と算定していた。 しかし、上記の専任教員等のうち1名は58年12月末日現在既に退職しているため補助金算定の対象とはならないので、これを除外して算定すると、補助金の基準額が減少し、さらに、専任教員等の数に対する在籍学生数の割合等に基づいて算出した調整係数が下がることになるので、適正な補助金は453,671,000円となる。 |
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(142) | 学校法人 田中千代学園 (東京都町田市) |
58 | 114,611 | 9,735 |
上記の学校法人は、財団に提出した資料に、田中千代学園短期大学に係る昭和57年度の教育研究経費支出を55,761千円と記入していて、財団では、これに基づき、同短期大学の学生納付金収入に対する教育研究経費支出と設備関係支出との合計額の割合等により算出した調整係数を補助金の基準額に乗ずるなどの方法により、同短期大学の専任教員等給与費等についての補助金を106,466,000円とし、これにその他の経費についての補助金8,145,000円を加え、同学校法人に対する補助金総額を114,611,000円と算定していた。 しかし、上記の教育研究経費支出には、学生寮に係る支出額14,760千円及びスクールバスの運行に係る支出額21,907千円が含まれており、これらの支出は、寮費及びバス利用料金を財源として運営されている事業に係るものであるから、これらの事業の収入額を控除して適正な教育研究経費支出を算定すると20,974千円となる。したがって、学生納付金収入に対する教育研究経費支出と設備関係支出との合計額の割合等に基づいて算出した調整係数が下がることになるので、適正な補助金は104,876,000円となる。 |
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(143) | 学校法人 大阪歯科大学 (大阪府大阪市) |
58 | 1,045,153 | 1,148 |
59 | 856,973 | 919 | ||
小計 | 1,902,126 | 2,067 | ||
上記の学校法人は、財団に提出した資料に、大阪歯科大学に係る昭和57年度及び58年度の非常勤教員の授業時間数(経常的経費のうちの非常勤教員給与費の算定基礎となる。)をそれぞれ3,336時間、57年12月末日現在の大学院の学生数を71人と記入していて、財団では、これに基づき、58年度における同大学の非常勤教員給与費及び教育研究経常費等についての補助金を126,639,000円とし、これにその他の経費についての補助金918,514,000円を加え、同学校法人に対する補助金総額を1,045,153,0000円、また、59年度における同大学の非常勤教員給与費についての補助金を4,263,000円とし、これにその他の経費についての補助金852,710,000円を加え、同学校法人に対する補助金総額を856,973,000円と算定していた。 しかし、上記の非常勤教員の授業時間数は57年度733時間及び58年度719時間過大に計上されており、また、上記の学生のうち1名は57年12月末日現在既に在籍しておらず、いずれも補助金算定の対象とはならないので、これを除外して算定すると、適正な補助金は58年度1,044,005,000円、59年度856,054,000円となる。 |
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(144) | 学校法人 東亜大学学園 (山口県下関市) |
58 | 87,596 | 12,134 |
上記の学校法人は、財団に提出した資料に、東亜大学に係る昭和57年度の設備関係支出を240,151千円と記入していて、財団では、これに基づき、同大学の学生納付金収入に対する教育研究経費支出と設備関係支出との合計額の割合等により算出した調整係数を補助金の基準額に乗ずるなどの方法により、同大学の専任教員等給与費等についての補助金を82,676,000円とし、これにその他の経費についての補助金4,920,000円を加え、同学校法人に対する補助金総額を87,596,000円と算定していた。 しかし、上記の設備関係支出のなかに、実際には購入していない教育研究用機器の価額209,700千円を含めており、これを除外して算定すると、学生納付金収入に対する教育研究経費支出と設備関係支出との合計額の割合等に基づき算出した調整係数が下がることになるので、適正な補助金は75,462,000円となる。 |
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(145) | 学校法人 久留米工業大学 (福岡県久留米市) |
58 | 240,055 | 2,351 |
上記の学校法人は、財団に提出した資料に、久留米工業大学に係る昭和57年12月末日現在の専任教員等の数を55人と記入していて、財団では、これに基づき、同大学の専任教員等給与費等についての補助金を153,017,000円とし、これにその他の経費についての補助金87,038,000円を加え、同学校法人に対する補助金総額を240,055,000円と算定していた。 しかし、上記の専任教員等のうち1名は1週間の割当授業時間数が基準授業時間数を下回っているため補助金算定の対象とはならないので、これを除外して算定すると、適正な補助金は237,704,000円となる。 |
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(146) | 学校法人 日本文理大学 (大分県大分市) |
59 | 246,450 | 9,434 |
上記の学校法人は、財団に提出した資料に、日本文理大学工学部に係る昭和58年12月末日現在の在籍学生数を2,068人と記入していて、財団では、これに基づき、補助金の基準額に、学生総定員に対する在籍学生数の割合等により算出した調整係数を乗ずるなどの方法により、同大学の教育研究経常費等についての補助金を233,058,000円とし、これにその他の経費についての補助金13,392,000円を加え、同学校法人に対する補助金総額を246,450,000円と算定していた。 しかし、上記の学生のうち41名は58年12月末日現在既に在籍しておらず補助金算定の対象とはならないので、これを除外して算定すると、補助金の基準額が減少し、さらに、学生総定員に対する在籍学生数の割合等に基づいて算出した調整係数が下がることになるので、適正な補助金は237,016,000円となる。 |
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(147) | 学校法人 佐藤学園 (大分県別府市) |
58 | 306,379 | 6,493 |
上記の学校法人は、財団に提出した資料に、別府大学に係る昭和57年度の教育研究経費支出を65,310千円と記入していて、財団では、これに基づき、同大学の学生納付金収入に対する教育研究経費支出と設備関係支出との合計額の割合等により算出した調整係数を補助金の基準額に乗ずるなどの方法により、同大学の専任教員等給与費等についての補助金を154,209,000円とし、これにその他の経費についての補助金152,170,000円を加え、同学校法人に対する補助金総額を306,379,000円と算定していた。 しかし、上記の教育研究経費支出には、学生寮に係る支出額600千円が含まれており、この支出は、寮費を財源として運営されている事業に係るものであるから、この事業の収入額を控除して適正な教育研究経費支出を算定すると64,710千円となる。したがって、学生納付金収入に対する教育研究経費支出と設備関係支出との合計額の割合等に基づいて算出した調整係数が下がることになるので、適正な補助金は299,886,000円となる。 |
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計 | 5,657,735 | 60,661 |