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  • 昭和60年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第4 文部省|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

変圧器の設置を効率的なものにし電力量料金の節減を図るよう改善させたもの


変圧器の設置を効率的なものにし電力量料金の節減を図るよう改善させたもの

会計名及び科目 国立学校特別会計(項)国立学校(項)大学附属病院(項)研究所
部局等の名称 北海道大学ほか21大学
契約名 電気需給契約
契約の相手方 北海道電力株式会社ほか8会社
使用電力量料金 8,738,187,856円(昭和60年度)

 上記各部局において、設置してある変圧器の総容量が過大であったため、電力量料金が約6800万円不経済になっていた。

 このような不経済な事態を生じているのは、変圧器にかかる負荷電力等の実態についての把握及び変圧器に係る電力の損失についての理解が十分でなかったことによるもので、負荷電力等の実態を調査のうえ変圧器の容量をこれに適合したものに改める要があると認められた。

 上記に関し当局に指摘したところ、改善の処置が執られた。

(説明)

 各国立大学(以下「大学」という。)では、校舎、病棟等の建物に照明設備、空気調和設備、実験設備機器、医療設備機器等の電力を消費する設備機器(以下「負荷設備」という。)を設置し、毎年多量の電力を使用している。そして、大学の地区ごとに電力会社と電気需給契約を結び、電力の供給を受けて、契約電力に応じた基本料金及び使用電力量に応じた電力量料金からなる電気料金を支払っており、昭和60年度における全大学(95大学)の主要な施設等が所在する198地区で支払った電気料金は277億1162万余円となっている。

 これらの地区では、特別高圧又は高圧で電力の供給を受けており、特別高圧で供給を受けた電力は受変電所において特別高圧変圧器により高圧電力に降下したうえで、また、高圧で供給を受けた電力は受電所からそのまま、それぞれ学部別等の各区域に配電し、各区域では、これを更に校舎、病棟等ごとに設置した二次変電所に送電し、高圧変圧器により電圧を降下したうえ各負荷設備に送電している。

 変圧器には、負荷設備を使用していないときでも一次側コイルに電流が流れていて無負荷損が発生しており、その量は変圧器の容量の大きさに応じて増加する。また、負荷設備を使用しているときは、更に一次側コイル及び二次側コイルにも負荷電流が流れて負荷損が発生し、その量は負荷率(負荷電力/変圧器容量)の2乗に比例する(以下これら両損失を「運転損失」という。)。そして、所定の負荷電力に対して変圧器の容量が著しく大きい場合には無負荷損による電力消費が大きくなり、逆に変圧器の容量が著しく小さい場合には負荷損による電力消費が大きくなり、その結果いずれも運転損失が大きくなって非効率な運転となり、現在使用されている高圧変圧器(以下「変圧器」という。)が最も効率的に運転できるのは、負荷率が概ね45%から65%程度(以下「最大効率時負荷率」という。)のときである(注1) 。したがって、変圧器の設置に当たっては、これにかかる負荷電力が最も大きい場合においても安定した運転ができる容量を保持することが必要であるが、それだけでなく、平均的な負荷電力に対してもその負荷率が最大効率時負荷率に近いものとなるようにすることによって、運転損失ができるだけ少なくなるように経済性に配慮することが必要である。

 しかして、本院が、61年中に会計実地検査を行った51大学のうち、契約電力が大きく(2,000KW以上)、かつ、変圧器の総容量が契約電力に比べて大きい(3.5倍以上)北海道大学ほか21大学の28地区(注2) (電力量料金計87億3818万余円)について、変圧器総数4,798台、総容量590,388KVAの設置状況を調査したところ、次のような事態となっていた。

 すなわち、受変電所内で各区域別に記録されている負荷電力の実績値から各月において負荷電力が最大であった日の平均負荷電力をその月の平均負荷電力とみなして、年間平均負荷電力を算出し、これに対する各区域における負荷率を計算すると、1.8%から69.3%まで分布していて、最大効率時負荷率に比し著しく低いものが多く、そのため、それら全体の平均も16.7%と最大効率時負荷率に比べ著しく低い状況となっており、変圧器の容量がこれにかかる負荷電力に対して著しく過大なものとなっているため、無負荷損が大きく、不経済な事態となっているものと認められた。

 いま、仮に、〔1〕 各区域の最大負荷電力に対して安定した運転ができる変圧器の総容量を、各区域の60年度における最大負荷電力等に基づいて算出し、〔2〕 各区域の年間平均負荷電力に対して運転損失の少ない変圧器の総容量を、前記のとおり算出した年間平均負荷電力に基づき、その区域の変圧器の最大効率時負荷率等を考慮のうえ算出し、〔3〕 これらのうちいずれか大きい方をその区域の変圧器の総容量とし、〔4〕 各区域に現に設置されている変圧器のうち、その種類、容量及びこれにかかる負荷設備の状況等を考慮したうえ、当該区域の変圧器の総容量を確保するために必要な変圧器を残し、残余の運転を休止させることとすれば、変圧器総数は3,613台、総容量は466,436KVAで足りることとなり、これに伴い一時的に配線変更等のための工事費を要する場合もあるが、これらの変圧器の運転損失による年間電力量料金を約6800万円節減できる計算となる。

 このような事態を生じているのは、変圧器にかかる負荷電力等の実態についての把握及び変圧器に係る電力の損失についての理解が十分でなかったことによるもので、負荷電力等の実態を調査のうえ変圧器の容量をこれに適合したものに改める要があると認められた。

 上記についての本院の指摘に基づき、文部省では、各国立大学に対し61年11月に「変圧器の管理等について」の通知を発し、変圧器にかかる負荷設備及び負荷電力の実態を把握のうえ、変圧器の設置が適正なものとなるよう、改善を図るための処置を講じた。

(注1)  各変圧器の運転損失特性についての製造会社の資料による。

(注2)  北海道大学ほか21大学の28地区 北海道大学札幌、東北大学青葉山・川内、星陵、山形大学飯田、筑波大学筑波、群馬大学昭和、千葉大学西千葉、亥鼻、東京工業大学大岡山、長津田、横浜国立大学常盤台、富山医科薬科大学杉谷、金沢大学宝町、信州大学旭、滋賀医科大学瀬田月輪、京都大学中央、大阪大学吹田、豊中、神戸大学六甲台、島根医科大学塩治、愛媛大学重信、九州大学箱崎、病院、佐賀医科大学鍋島、長崎大学坂本、大分医科大学狭間、鹿児島大学郡元、宇宿各地区