会計名及び科目 | 一般会計(組織)厚生本省 (項)児童扶養手当給付諸費 |
部局等の名称 | 厚生本省(支給庁) |
北海道ほか5都県(支給決定庁) | |
支給の相手方 | 154人 |
児童扶養手当の支給額の合計 | 209,739,500円 |
上記の154人に児童扶養手当209,739,500円を支給しているが、支給決定に当たって、請求に対する指導及び調査確認が十分でなかったため、36,244,900円が不適正に支給されていた。これらについては、本院の注意により、すべて返還の処置が執られた。これを都道県ごとに集計して掲げると別表
のとおりである。
これは、北海道ほか18都府県において児童扶養手当の支給を受けた者について本院が調査した結果である。
(説明)
児童扶養手当(以下「手当」という。)は、父と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与することを目的として、児童の父母が婚姻を解消したり、父が死亡したりなどしている場合に、これらの児童を監護する母又は養育する者に対し支給するものであるが、その児童が父と生計を同じくしているとき、母の配偶者に養育されているとき、母又は養育者が公的年金(国民年金法に基づく老齢福祉年金及び障害福祉年金を除く。)の給付を受けることができるときなどには、手当の全部又は一部を支給しないことになっている。
手当の支給については、市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、申請者から提出された児童扶養手当認定請求書について、記載もれ又は誤記がないかどうか、婚姻関係の有無等の資格に係る戸籍謄本、住民票等の書類が添付されているかどうかなどについて審査を行ったうえ、都道府県に進達し、都道府県は、住民票等の添付書類や関係部局等から提供を受けた資料等により申請事実の調査確認を行い、受給資格があると認定した者に対して、児童扶養手当認定通知書及び児童扶養手当証書を交付することとなっている。
そして、受給者から毎年1回、住民票等の書類を添付した児童扶養手当現況届を提出させ、上記の認定請求書についてと同様の手続きにより受給資格について調査確認し、上記の現況届を提出しない者については追跡調査を行うことにより受給者の実態の把握に努めることとなっており、また、児童の母が婚姻をしたなどのため受給資格を喪失した場合には、速やかに児童扶養手当資格喪失届を提出させ、住民票等で確認のうえ、受給資格喪失の手続きを行うこととなっている。
しかして、手当の支給の適否について検査したところ、前記19都道府県のうち北海道ほか5都県では、児童の母が婚姻していて児童が母の配偶者に養育されていたもの、児童の母又は養育者が公的年金の支給対象となっていたもの、児童が父と生計を同じくしていたものなど上記の認定請求書、現況届又は資格喪失届の記載内容が事実と相違しているものがあったにもかかわらず、これに対する指導及び調査確認が十分でないまま、支給すべきでないのに支給の決定をしたり、資格喪失の時期を実際よりも遅く決定したりしたため、本院が調査した受給者4,454人のうち154人に支給した209,739,500円について36,244,900円が不適正に支給されていた。
都道府県名 | 本院が調査した市区町 | 本院が調査した受給者数 | 不適正受給者数 | 左の受給者に支給した児童扶養手当 | 左のうち不適正児童扶養手当 |
北海道 |
札幌市ほか14市町 |
人 1,260 |
人 25 |
千円 36,691 |
千円 5,775 |
東京都 | 新宿区ほか9市区 | 865 | 37 | 55,207 | 6,923 |
神奈川県 | 横浜市ほか9市町 | 918 | 38 | 44,088 | 7,715 |
愛知県 | 名古屋市ほか3市 | 234 | 15 | 20,331 | 3,148 |
山口県 | 山口市ほか10市町 | 686 | 22 | 29,742 | 5,964 |
福岡県 | 春日市ほか17市町 | 491 | 17 | 23,677 | 6,718 |
計 | 68箇所 | 4,454 | 154 | 209,739 | 36,244 |