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  • 昭和60年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
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  • 保険料

労働保険の保険料の徴収に当たり、徴収額に過不足があったもの


(71) 労働保険の保険料の徴収に当たり、徴収額に過不足があったもの

会計名及び科目 労働保険特別会計(徴収勘定)(款)保険収入(項)保険料収入
部局等の名称 北海道労働基準局ほか23労働基準局、埼玉県ほか9都府県
保険料納付義務者 1,102事業主

 上記の1,102事業主から保険料を徴収するに当たって、申告に対する調査確認が十分でなかったため、徴収額が不足していたものが856事業主分451,721,861円、徴収額が過大になっていたものが338事業主分96,705,928円あった(注) 。これらについては、本院の注意により、すべて徴収決定又は還付決定の処置が執られた。これを都道府県労働基準局及び都府県ごとに集計して掲げると別表のとおりである。
 これは、北海道労働基準局ほか23労働基準局及び埼玉県ほか9都府県管内の2,258事業主について本院が調査した結果である。

 (注)  同一事業主について2年度分を調査しているため、年度を異にして徴収不足と徴収過大の事態があった場合は、それぞれを1事業主として整理している。

(説明)

 労働保険は、労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)及び雇用保険を総称するものであるが、いずれも、工場、事務所、商店等に雇われる労働者を被保険者とし、労災保険にあっては業務上の事由又は通勤による負傷、疾病等に対し療養補償給付等を、また、雇用保険にあっては失業等に対し失業給付等を行う保険である。そして、その保険料は、労災保険分については事業主が負担し、雇用保険分については、失業給付に充てる部分は被保険者と事業主とが折半して負担し、雇用安定事業等に充てる部分は事業主が負担することとなっている。 この保険料については、原則として、毎年度の初めに、事業主から都道府県労働基準局又は都道府県に対し、その年度の労働者に支払う賃金総額の見込額に労災保険率(注1) と雇用保険率(注2) とを合計した保険料率を乗じた概算保険料が申告、納付され、次の年度の初めに、実際に支払った賃金総額に基づいて計算した確定保険料申告書が提出されて精算が行われることとなっていて、この申告書の提出を受けた都道府県労働基準局又は都道府県は、申告書の記載内容を審査し、誤りがあるときは正当な保険料の額を決定してこれを事業主に通知し、保険料の過不足分が精算されることとなっている。

 しかして、保険料徴収の適否について検査したところ、前記の24労働基準局及び10都府県では、事業主が確定保険料申告書を提出するに当たり、制度の理解が十分でなかったり、計算誤りをしたりなどして、実際に支払った賃金の一部を脱漏しているなど賃金総額の記載が事実と相違していたもの、労災保険率の適用を誤っていたものがあったのに、これに対する調査確認が十分でなかったため、本院が調査した2,258事業主分のうち、856事業主分451,721,861円が徴収不足、338事業主分96,705,928円が徴収過大になっていた。

(注1)  労災保険率労災保険の適用を受けるすべての事業の過去3年間の業務災害及び通勤災害に係る災害率等を考慮して定められており、事業の種類ごとに昭和60年度の場合は最低1000分の5から最高1000分の129となっている。

(注2)  雇用保険率失業給付、雇用安定事業等に要する費用を考慮して定められており、60年度の場合は1000分の14.5(ただし、農林、水産等の事業は1000分の16.5、建設の事業は1000分の17.5)となっている。

(別表)

労働基準局・都府県名 本院が調査した事業主数 徴収不足があった事業主数
徴収過大があった事業主数
徴収不足額
徴収過大額(△)

北海道労働基準局

155

67
36
千円
34,810
△9,341
秋田労働基準局 26 6
-
837
-
山形労働基準局 38 7
-
2,487
-
茨城労働基準局 82 39
6
53,018
△4,149
群馬労働基準局 63 23
19
9,741
△3,690
埼玉労働基準局 59 18
10
13,689
△3,718
千葉労働基準局 59 12
8
3,163
△4,139
東京労働基準局 235 102
55
63,131
△16,593
神奈川労働基準局 140 63
30
38,142
△15,926
新潟労働基準局 81 21
13
6,077
△2,778
石川労働基準局 64 29
9
13,565
△1,154
山梨労働基準局 47 17
-
5,505
-
岐阜労働基準局 56 20
13
9,659
△2,831
静岡労働基準局 51 18
7
11,046
△556
愛知労働基準局 74 36
16
14,700
△5,085
京都労働基準局 80 26
3
29,405
△2,630
大阪労働基準局 155 59
41
39,598
△8,230
兵庫労働基準局 54 18
11
10,698
△2,273
奈良労働基準局 44 20
7
12,430
△1,524
鳥取労働基準局 32 9
1
4,392
△1,043
香川労働基準局 88 20
-
6,588
-
高知労働基準局 43 15
-
3,932
-
福岡労働基準局 53 13
-
5,939
-
熊本労働基準局 83 34
6
6,278
△3,116
埼玉県 39 25
8
9,544
△1,494
千葉県 30 23
-
15,821
-
東京都 61 9
7
1,166
△634
新潟県 40 7
-
688
-
静岡県 37 28
-
8,020
-
愛知県 57 36
6
8,581
△1,048
大阪府 24 8
6
1,677
△858
兵庫県 31 -
4
-
△610
広島県 50 18
12
5,813
△1,986
福岡県 27 10
4
1,565
△1,288
 計 2,258 856
338
451,721
△96,705