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  • 昭和61年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
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船員保険の保険料の徴収に当たり、徴収額が不足していたもの


(17) 船員保険の保険料の徴収に当たり、徴収額が不足していたもの

会計名及び科目 船員保険特別会計(款)保険収入(項)保険料収入
部局等の名称 山形県ほか5府県(4保険課及び2社会保険事務所)
保険料納付義務者 77船舶所有者

 上記の77船舶所有者から保険料を徴収するに当たって、届出に対する調査確認及び指導が十分でなかったなどのため、100,777,308円が徴収不足になっていた。これらについては、本院の注意により、すべて徴収決定の処置が執られた。これを府県ごとに集計して掲げると別表 のとおりである。
 これは、秋田県ほか6府県の4保険課及び3社会保険事務所管内の1,329船舶所有者のうち153船舶所有者について本院が調査した結果である。

(説明)
 船員保険は、主として総トン数5トン以上の船舶を所有する者(船舶の借入人等を含む。以下同じ。)に雇用される船員を被保険者として疾病、負傷、分娩、失業、職務上の事由による障害又は死亡等に関し医療、療養費、傷病手当金、出産手当金、失業保険金、年金等の給付を行う保険である。そして、その保険料は、被保険者と船舶所有者とが負担し、船舶所有者が納付することとなっている。船舶所有者は、所轄の都道府県に対し、新たに船員を雇用したときには資格取得年月日、報酬月額等を記載した被保険者資格取得届を提出するほか、被保険者の報酬が歩合により定められているときには毎年9月10日までに同月1日現在において報酬月額を算定し記載した報酬月額基準日届を、また、被保険者の報酬月額が従前に比べて一定以上増減したときには報酬月額変更届を提出することとなっており、これらの届け書の提出を受けた都道府県は、届け書に記載された被保険者の報酬月額に基づいて標準報酬月額(注) を決定し、これに保険料率を乗じて得た額を保険料として徴収している。

 しかして、保険料徴収の適否について検査したところ、前記の7府県のうち山形県ほか5府県では、船舶所有者が上記の届出に当たり、制度の理解が十分でなかったり、誠実でなかったり、錯誤をしたりして、被保険者の歩合金の算定を誤っていたもの、報酬月額に算入しなければならない諸手当を脱漏していたもの、資格取得届の提出を怠っていたものなどがあったのに、これに対する調査確認及び指導が十分でなかったなどのため、本院が調査した150船舶所有者分のうちの77船舶所有者分100,777,308円が徴収不足になっていた。

(注)  標準報酬月額 第1級68,000円から第39級710,000円までの等級にそれぞれ区分されているもので、被保険者に実際に支給される報酬月額はこの等級のいずれかに当てはめられる。

(別表)

府県名 課・社会保険事務所 本院が調査した船舶所有者数 徴収不足があった船舶所有者数 徴収不足額
千円
山形県 鶴岡社会保険事務所 15 11 7,132
大阪府 保険課 47 11 5,746
岡山県 保険課 43 19 10,471
長崎県 長崎南社会保険事務所 5 3 3,065
大分県 保険課 25 24 73,482
宮崎県 保険課 15 9 878
 計 150 77 100,777