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  • 昭和63年度|
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核医学診断に係る診療報酬の請求が不足していたもの


(15) 核医学診断に係る診療報酬の請求が不足していたもの

会計名及び科目 国立学校特別会計(款)附属病院収入(項)附属病院収入
部局等の名称 神戸大学
核医学診断の概要 患者に放射性医薬品を投与し、その患者の臓器の形態・機能及び病巣の有無等を検査し判断する行為
核医学診断に係る診療報酬請求額 121,857,110円(昭和63年度)

 上記の診断に係る診療報酬の請求に当たり、放射性医薬品の使用量の変更を連絡していなかったことなどのため、核医学診断料等のうち放射性医薬品の薬剤料を過小に算定していて、診療報酬請求額が4,632,140円不足していたと認められる。

(説明)
 神戸大学医学部附属病院(以下「大学病院」という。)では、肝臓・心臓疾患等の患者の病状を検査するため、その患者に放射性医薬品を投与して体内から放出される微量の放射線を測定し、放射性医薬品の体内における分布状態を画面に表示して、その患者の臓器の形態・機能及び病巣の有無等を判断する核医学診断を行っている。
 この診断を行った場合には、厚生省の告示に基づいて核医学診断料等を算定し、診療報酬として社会保険診療報酬支払基金等に請求できることとなっている。この請求額の算定に当たり、大学病院では、診療部門が所定の検査項目を記入した検査伝票を作成・発行し、料金算定部門がこの検査項目を入力コードに読み替えてコンピュータ処理している。
 しかして、核医学診断に係る診療報酬の請求について調査したところ、大学病院では、診療部門において、この診断に用いる放射性医薬品(クエン酸ガリウム等)の標準の使用量を変更して増量していたのに、これを料金算定部門に連絡していなかったり、標準の使用量以上に実際には使用していたのに、これを検査伝票に記載していなかったりしたため、料金算定部門においてコンピュータ処理が適切に行われず、放射性医薬品の薬剤料を低額に算定していて、核医学診断に係る診療報酬請求額が、前記のとおり4,632,140円不足していたと認められる。