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  • 昭和63年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第3 文部省|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

国立大学に係るガス料金の支払を適切なものにするよう改善させたもの


 国立大学に係るガス料金の支払を適切なものにするよう改善させたもの

会計名及び科目
国立学校特別会計 (項)国立学校

部局等の名称 (1) 名古屋大学
(2) 鹿児島大学
契約名 ガス需給契約
契約の概要 実験研究用バーナー、暖房用ボイラー等の燃料に使用するガスの供給を受ける契約
契約の相手方 (1) 東邦瓦斯株式会社
(2) 日本瓦斯株式会社
支払
昭和61年5月〜平成元年4月

支払ガス料金 (1) 243,324,673円 内訳 昭和61年度分 90,960,605円
昭和62年度分 79,155,987円
昭和63年度分 73,208,081円
(2) 133,929,784円 内訳 昭和61年度分 45,089,121円
昭和62年度分 44,873,534円
昭和63年度分 43,967,129円

 上記の国立大学に係るガス料金の支払において、同一構内に設置された複数のガスメーターの料金については合算して算定することが可能であるのに個別に算定されていたため、ガス料金が(1)において約730万円、(2)において約1910万円、計約2650万円不経済になっていた。

 このような事態を生じていたのは、ガス料金は、同一構内に設置された複数のガスメーターについては、ガス使用者からの申込みにより、ガス供給者と使用者との間において協議のうえ、その使用量を合計した量をガスメーター1個の使用量として算定することが可能であるのに、この協議を行わず、上記契約の相手方がガスメーターごとに算定した請求額をガス料金として支払っていたことによるもので、ガス会社に申込みを行って、協議を行い、ガス料金の支払を適切なものに改める要があると認められた。

 上記に関し当局に指摘したところ、改善の処置が執られた。

(説明)
 名古屋、鹿児島両大学では、実験研究用バーナー、暖房用ボイラー等の燃料には都市ガスを使用しているが、その供給は東邦瓦斯株式会社又は日本瓦斯株式会社(以下「ガス会社」という。)との間にガス需給契約を締結することにより行われている。そして、昭和61年度から63年度までの3箇年間におけるガス料金(ガス税を含む。以下同じ。)の支払額は、(1)において総額2億4332万余円(61年度分9096万余円、62年度分7915万余円、63年度分7320万余円)、(2)において総額1億3392万余円(61年度分4508万余円、62年度分4487万余円、63年度分4396万余円)となっている。
 しかして、上記の契約に基づくガス料金の支払について、本院が調査したところ、(1)においては、大学敷地内に設置されたガスメーター(最少時121個から最多時129個)ごとの月間の使用量(63年4月分の例によると、1個当たり平均550m3 。 以下同年月分を例示。)に応じた基本料金と従量料金(ガス1m3 当たり単価×使用量)とを加えて算定したガス会社からの請求額を、(2)においては、大学敷地内に設置されたガスメーター(最少時86個から最多時90個)ごとの月間の使用量(1個当たり平均752m3 )に応じた基準料金と単位料金(1m3 当たり単価×(使用量−基準使用量))とを加えて算定したガス会社からの請求額をガス料金として支払っていた。

 しかしながら、ガス会社の一般ガス供給規程及び同実施細則によれば、ガスの使用場所が同一構内の場合にはこれを1需要場所とし、これにガスメーター1個を設置することを原則とするが、1需要場所に2個以上のガスメーターを設置した場合であっても、ガス料金支払の際の算定について、使用者から申込みがあったときには、ガス会社と使用者との間において協議のうえ、それぞれのガスメーターの使用量の合計量をガスメーター1個による場合の使用量とみなして料金の算定をすること(以下「合算方式」という。)ができることとなっている。
 そして、両大学のガス料金を、合算方式によることとした場合には、両大学とも大学敷地が5つの構内に分散しているのでそれぞれの需要場所ごとに、各ガスメーターの使用量を合計した量(1需要場所ごとの平均(1)では13,965m3 、(2)では13,386m3 )に応じて算定されることになり、〔1〕 基本料金はガスメーターごとに計算されていたものが需要場所ごとに1つとして計算されること、〔2〕 従量料金(基準料金及び単位料金)はガス1m3 当たり単価が使用量の増大によって逓減することから、大幅な節減になると認められる。

 したがって、両大学では、ガス料金の算定について合算方式によることとするようガス会社に対して申し込み、この協議を行うべきであったのに、これを行わないまま、ガスメーターごとに算定されたガス料金を支払っていたことは適切とは認められない。
 いま、仮に61年度以降におけるガス需給契約について、合算方式に改めることとして、ガス料金を修正計算すると、(1)においては総額2億3595万余円(61年度分8999万余円、62年度分7696万余円、63年度分6899万余円)、(2)においては総額1億1473万余円(61年度分3894万余円、62年度分3845万余円、63年度分3732万余円)となり、支払額を、(1)では約730万円(61年度分約90万円、62年度分約210万円、63年度分約420万円)、(2)では約1910万円(61年度分約610万円、62年度分約640方円、63年度分約660万円)、計約2650万円節減できると認められた。

 上記についての本院の指摘に基づき、両大学では、ガス会社に対し、ガス料金を合算方式により算定するよう申し込み、ガス会社と協議を行って、名古屋大学においては平成元年4月分から、鹿児島大学においては同年6月分から、それぞれ合算方式によることとするよう改めさせ、ガス料金の支払を適切なものにするための処置を講じた。