会計名及び科目 | 労働保険特別会計(徴収勘定) (款)保険収入(項)保険料収入 |
部局等の名称 | 北海道労働基準局ほか24労働基準局、千葉県ほか7都県 |
保険料納付義務者 | 1,178事業主 |
上記の1,178事業主から保険料を徴収するに当たって、申告に対する調査確認が十分でなかったため、徴収額が不足していたものが939事業主分514,200,382円、徴収額が過大になっていたものが360事業主分101,474,843円あった。これらについては、本院の注意により、すべて徴収決定又は還付決定の処置が執られた。これを都道府県労働基準局及び都県ごとに集計して掲げると別表
のとおりである。
これは、北海道労働基準局ほか24労働基準局及び千葉県ほか8都県管内の1,996事業主について本院が調査した結果である。
(説明)
労働保険は、労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)及び雇用保険を総称するもので、いずれも、工場、事務所、商店等に雇われる労働者を被保険者とし、労災保険にあっては業務上の事由又は通勤による負傷、疾病等に対し療養補償給付等を、また、雇用保険にあっては失業等に対し失業給付等を行う保険である。そして、その保険料は、労災保険分については事業主が負担し、雇用保険分については、失業給付に充てる部分は被保険者と事業主とが折半して負担し、雇用安定事業等に充てる部分は事業主が負担することとなっている。この保険料については、原則として、毎年度の初めに、事業主から都道府県労働基準局又は都道府県に対し、その年度の労働者に支払う賃金総額の見込額に労災保険率(注1)
と雇用保険率(注2)
とを合計した保険料率を乗じて得た概算保険料が申告、納付され、次の年度の初めに、実際に支払った賃金総額に基づいて計算した確定保険料申告書が提出されて精算が行われることとなっていて、この申告書の提出を受けた都道府県労働基準局又は都道府県は、申告書の記載内容を審査し、誤りがあるときは正当な保険料の額を決定してこれを事業主に通知し、保険料の過不足分が精算されることとなっている。
しかして、保険料徴収の適否について検査したところ、北海道労働基準局ほか24労働基準局及び千葉県ほか7都県では、事業主が確定保険料申告書を提出するに当たり、制度の理解が十分でなかったり、計算誤りをしたりなどして、実際に支払った賃金の一部を脱漏しているなど賃金総額の記載が事実と相違していたものや労災保険率の適用を誤っていたものがあったのに、これに対する調査確認が十分でなかったため、本院が調査した1,984事業主分のうち、939事業主分514,200,382円が徴収不足、360事業主分101,474,843円が徴収過大になっていた(注3)
。
(注1) 労災保険率 労災保険の適用を受けるすべての事業の過去3年間の業務災害及び通勤災害に係る災害率等を考慮して定められており、事業の種類ごとに昭和63年度の場合は最低1000分の5から最高1000分の145となっている。
(注2) 雇用保険率 失業給付、雇用安定事業等に要する費用を考慮して定められており、63年度の場合は1000分の14.5(ただし、農林、水産等の事業は1000分の16.5、建設の事業は1000分の17.5)となっている。
(注3) 同一事業主について2年度分を調査しているため、年度を異にして徴収不足と徴収過大の事態があった場合は、それぞれを1事業主として整理している。
労働基準局・都県名 | 本院が調査した事業主数 | 徴収不足があった事業主数 徴収過大があった事業主数 |
徴収不足額 徴収過大額(△) |
千円 | |||
北海道労働基準局 | 163 | 77 44 |
26,059 △6,380 |
宮城労働基準局 | 36 | 18 6 |
7,875 △1,098 |
山形労働基準局 | 51 | 15 10 |
2,523 △1,120 |
栃木労働基準局 | 27 | 14 4 |
3,067 △996 |
群馬労働基準局 | 83 | 36 19 |
16,402 △7,615 |
埼玉労働基準局 | 68 | 33 15 |
22,098 △7,476 |
千葉労働基準局 | 72 | 35 10 |
12,809 △4,115 |
東京労働基準局 | 253 | 140 45 |
103,670 △18,550 |
神奈川労働基準局 | 82 | 33 15 |
10,961 △2,776 |
富山労働基準局 | 34 | 14 4 |
14,932 △625 |
石川労働基準局 | 52 | 26 11 |
10,271 △1,823 |
岐阜労働基準局 | 64 | 35 19 |
36,481 △8,763 |
愛知労働基準局 | 142 | 64 22 |
51,808 △6,627 |
三重労働基準局 | 26 | 10 6 |
13,700 △5,824 |
滋賀労働基準局 | 39 | 20 7 |
15,819 △1,768 |
京都労働基準局 | 78 | 27 11 |
19,143 △5,193 |
大阪労働基準局 | 130 | 67 20 |
45,539 △5,500 |
兵庫労働基準局 | 30 | 13 7 |
5,023 △1,554 |
和歌山労働基準局 | 21 | 10 10 |
2,076 △567 |
広島労働基準局 | 80 | 24 8 |
8,313 △434 |
山口労働基準局 | 30 | 5 3 |
606 △1,002 |
徳島労働基準局 | 36 | 23 4 |
9,658 △616 |
佐賀労働基準局 | 33 | 11 4 |
2,120 △426 |
鹿児島労働基準局 | 47 | 10 6 |
2,867 △1,399 |
沖縄労働基準局 | 27 | 15 5 |
3,081 △647 |
千葉県 | 52 | 34 5 |
7,021 △253 |
東京都 | 105 | 62 25 |
41,732 △5,520 |
神奈川県 | 38 | 23 5 |
5,428 △850 |
石川県 | 9 | 5 - |
763 - |
三重県 | 16 | 8 3 |
2,163 △114 |
兵庫県 | 32 | 17 4 |
8,116 △1,213 |
山口県 | 14 | 6 1 |
771 △ 309 |
佐賀県 | 14 | 9 2 |
1,289 △305 |
計 | 1,984 | 939 360 |
514,200 △101,474 |