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中小企業高度化資金の貸付けが不当と認められるもの


(155)−(161) 中小企業高度化資金の貸付けが不当と認められるもの

科目 貸付金
部局等の名称 中小企業事業団(昭和55年10月1日以前は「中小企業振興事業団」)
貸付けの根拠 中小企業事業団法(昭和55年法律第53号)等
貸付けの内容 中小企業者に対し中小企業高度化資金の貸付けを行う都道府県に対する資金の貸付け
貸付先 千葉県ほか6都県
貸付金額 6,496,754,000円
都県の貸付先及び貸付金額 8中小企業者8,871,549,000円

 上記の8中小企業者に対する8,871,549,000円の貸付けにおいて、310,798,477円の貸付けが不当と認められ、ひいては中小企業事業団の貸付金相当額234,366,144円が貸付けの目的に沿わない結果になっていると認められるものが、別表 のとおりある。

(説明)
 中小企業事業団(以下「事業団」という。)では、中小企業者が企業規模の適正化、事業の共同化、工場・店舗等の集団化等を図るための事業の用に供する土地、建物その他の施設の取得等を行う場合に、これに必要な資金として中小企業高度化資金の貸付けを行う都道府県に対して、その財源の一部を貸し付けており、その貸付条件は、貸付利率を無利子から年4.1%、償還期限を16年以内(昭和63年4月26日以降の貸付けについては20年以内)とし、都道府県はこの借入金に自己資金を合わせて中小企業者(大企業及びその役員から50%以上の出資を受けている中小企業者を除く。)に貸し付けていて、その貸付条件は、貸付利率を無利子又は年2.7%、償還期限を上記と同様16年以内(63年4月26日以降の貸付けについては20年以内)としていて、極めて低利かつ長期のものとなっている。そして、事業団が都道府県に貸し付ける場合は、あらかじめ都道府県において借入申込者の事業計画に対する診断を実施し、事業団で当該事業計画の内容を審査したうえ妥当と認めたものについて貸し付けることとしている。
 しかして、上記の貸付けについて調査したところ、事業団及び千葉県ほか6都県において、貸付けに当たっての審査を的確に行っていなかったり、貸付け後の管理が適切を欠いたりしていたなどのため、貸付けの対象とならないものに対して貸し付けていたり、貸付対象施設が貸付けの目的外に使用されていたりなどしていて、310,798,477円の貸付けが不当と認められ、ひいては事業団の貸付金相当額234,366,144円が貸付けの目的に沿わない結果になっていると認められる。

(別表)

都県名 都県の貸付先
(所在地)
貸付対象 貸付
昭和年月
(貸付利率)
償還期限
平成年月
貸付金額 左のうち不当と認めた貸付金相当額 貸付けの目的に沿わない結果になった事業団の貸付金相当額 摘要
同上に対する事業団の貸付金相当額
千円 千円 千円
(工場等集団化事業)
(155) 千葉県 工業団地協同組合(野田市) 工場、土地 61.11
(年2.7%)
13.9 95,122
(61,463)
6,323 4,086 低額設置
 この貸付けは、工場の設置及び土地285m2 の取得、造成に必要な資金149,360,000円(うち貸付対象事業費分146,343,000円)の一部として貸し付けたもので、借入者は、貸付対象施設のうち組合員1名が使用する工場を他の組合員に請け負わせて33,500,000円(貸付対象事業費同額)で設置したとしているが、実際は、当該組合員が自ら施工するなどしてこの額よりも低額な23,770,918円で設置していた。
 したがって、適切な貸付金額は88,798,160円となり、本件貸付金額95,122,000円との差額6,323,840円(うち事業団の貸付金相当額4,086,143円)が過大な貸付けとなっている。
 なお、本件の不当貸付金額については、平成元年11月に繰上償還された。
(156) 東京都 鋳物団地協同組合
(大田区)
事務所、構築物等 54.4
(年2.7%)
7.3 792,070
(511,799)
34,328 22,181 目的外使用
 この貸付けは、事務所等の建物延べ10,852.55m2 等の設置に必要な資金1,589,219,000円(うち貸付対象事業費分1,218,596,000円)の一部として貸し付けたもので、借入者は、当該事務所等の建物のうち延べ2,014.54m2 等(貸付対象事業費241,545,000円)を組合員1名に使用させていたが、同組合員は、昭和59年7月から当該建物の一部延べ639.28m2 等を組合員以外の者に賃貸していた。
 したがって、上記建物等の賃貸部分(賃貸開始時の貸付金残高相当額34,328,490円、うち事業団の貸付金相当額22,181,482円)は、貸付けの目的外に使用されていたものである。
 なお、本件の不当貸付金残高20,597,828円(事業団の貸付金相当額13,309,363円)については、繰上償還の措置を執ることになった。
(店舗等集団化事業)
(157) 埼玉県 協同組合卸センター
(越谷市)
土地 58.9
(年2.7%)
10.6 2,929,503
(2,301,752)
75,502 59,323 貸付対象外
土地造成等 59.2
(年2.7%)
10.12 96,248
(75,623)
318 250
店舗等 59.7
(年2.7%)
11.6 2,167,574
(1,703,093)
129,488 101,740
小計 5,193,325
(4,080,468)
205,308 161,314
 この貸付けは、土地65,187m2 の取得等に必要な資金5,471,989,000円(うち貸付対象事業費分4,322,503,000円)の一部として、また、店舗等の建物延べ32,205.34m2 等の設置に必要な資金4,640,225,000円(うち貸付対象事業費分3,096,550,000円)の一部として、それぞれ貸し付けたもので、借入者は、当該土地及び建物等のうち土地1,680.07m2 (貸付対象事業費108,315,289円)及び店舗等延べ1,497.76m2 (貸付対象事業費184,984,000円)を組合員1名に使用させていたが、同組合員は、大企業及びその役員から資本金の50%以上の出資を受けていた。
 したがって、同組合員に使用させている店舗等及びその敷地(貸付金相当額計205,308,829円、うち事業団の貸付金相当額計161,314,017円)は、貸付けの対象とならないものである。
 なお、本件の不当貸付金残高164,798,874円(事業団の貸付金相当額129,484,777円)については、繰上償還の措置を執ることになった。
(158) 三重県 協同組合卸センター
(津市)
土地等 58.4
(年2.7%)
10.2 233,870
(151,115)
3,550 2,294 目的外使用
卸売業者
(同)
事務所、倉庫等 59.3
(年2.7%)
11.2 31,452
(20,322)
4,088 2,641
小計 265,322
(171,437)
7,639 4,935
 この貸付けは、協同組合に対し、土地9,104m2 の取得及び造成等に必要な資金359,800,000円(貸付対象事業費同額)の一部として、また、組合員である卸売業者に対し、当該土地の一部1,368.86m2 に事務所及び倉庫延べ638m2 等を設置するために必要な資金48,389,000円(貸付対象事業費同額)の一部として、それぞれ貸し付けたものであるが、同組合員は、設置直後の昭和59年4月から当該事務所の一部79.77m2 を組合員以外の者に賃貸していた。
 したがって、上記事務所の賃貸部分及びこれに係る敷地など(賃貸開始時の貸付金残高相当額計7,639,232円、うち事業団の貸付金相当額計4,935,995円)は、貸付けの目的外に使用されていたものである。
 なお、本件の不当貸付金残高6,070,138円(事業団の貸付金相当額3,922,141円)については、平成元年10月に繰上償還された。
(159) 鳥取県 水産流通協同組合
(境港市)
事務所等 57.4
(年2.7%)
8.12 326,840
(211,180)
8,120 5,246 目的外使用
 この貸付けは、事務所等の建物延べ4,378,73m2 等の設置に必要な資金526,130,500円(うち貸付対象事業費分506,059,000円)の一部として貸し付けたものであるが、借入者は、設置直後の昭和57年5月から当該建物の一部63m2 を、さらに、59年2月から14m2 をそれぞれ組合員以外の者に賃貸していた。
 したがって、上記建物の賃貸部分など(賃貸開始時の貸付金残高相当額計8,120,215円、うち事業団の貸付金相当額計5,246,685円)は、貸付けの目的外に使用されていたものである。
 なお、本件の不当貸付金残高5,400,097円(事業団の貸付金相当額3,489,146円)については、繰上償還の措置を執ることになった。

(貨物自動車ターミナル等集団化事業)

(160) 岐阜県 貨物流団協同組合
(羽島郡柳津町)
土地 51.6
(年2.7%)
2.11

1,486,310
(960,380)

8,327 5,380 目的外使用
土地等 57.12
(年2.7%)
9.11 98,980
(77,770)
13,849 10,881
建物等

61.3
(年2.7%)

12.9

73,080
(57,420)

19,700 15,479
小計 1,658,370
(1,095,570)
41,878 31,741
 この貸付けは、土地51,017.99m2 の取得に必要な資金2,404,086,265円(うち貸付対象事業費分2,404,084,000円)の一部として、また、建物延べ2,820.33m2 等の設置に必要な資金137,575,700円(うち貸付対象事業費分128,692,000円)の一部として、それぞれ貸し付けたもので、借入者は、当該土地及び建物等のうち土地1,656.12m2 (貸付対象事業費81,328,220円)及び保管庫等延べ964.59m2 等(貸付対象事業費34,669,000円)を組合員1名に使用させていたが、同組合員は、設置直後の昭和61年3月から当該保管庫683.67m2 を大企業である他の組合員に賃貸していた。
 したがって、上記保管庫及びこれに係る敷地など(賃貸開始時の貸付金残高相当額計41,878,074円、うち事業団の貸付金相当額計31,741,966円)は、貸付けの目的外に使用されていたものである。
 なお、本件の不当貸付金残高32,446,158円(事業団の貸付金相当額24,927,813円)については、繰上償還の措置を執ることになった。
(小売商業店舗共同化事業)
(161) 広島県 小売業者
(比婆郡東城町)
土地、共同店舗等 59.3
(無利子)
11.10

540,500
(364,837)

7,199 4,859 低額取得
 この貸付けは、土地3,862.4m2 等の取得及び共同店舗延べ3,569.2m2 等の設置に必要な資金762,757,000円(うち貸付対象事業費分675,644,000円)の一部として貸し付けたもので、借入者は、当該土地の一部2,220.76m2 を136,800,000円(貸付対象事業費同額)で取得したとしているが、実際は、値引きを受けて127,800,000円で取得していた。
 したがって、適切な貸付金額は533,300,203円となり、本件貸付金額540,500,000円との差額7,199,797円(うち事業団の貸付金相当額4,859,856円)が過大な貸付けとなっている。
 なお、本件の不当貸付金残高6,092,001円(事業団の貸付金相当額4,112,095円)については、平成元年11月に繰上償還された。
8,871,549
(6,496,754)
310,798 234,366