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  • 平成11年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 4 公団、事業団その他20団体の決算|
  • (事業団)

中小企業総合事業団


(14) 中小企業総合事業団

 この事業団は、次の業務等を行うことにより中小企業の振興、小規模企業者の福祉の増進及び中小企業の経営の安定に寄与することなどを目的として設置されているものである。
(ア) 中小企業構造の高度化及び中小企業の新事業の開拓を促進するために必要な指導、資金の貸付け、出資及び助成等の事業を総合的に実施し、併せて中小企業の経営管理の合理化及び技術の向上を図るために必要な研修、指導等の事業を行う業務
(イ) 中小企業に対する事業資金の融通を円滑にするために債務の保証等についての保険及び信用保証協会に対する資金の貸付けを行うなどの業務
(ウ) 小規模企業共済法(昭和40年法律第102号)及び中小企業倒産防止共済法(昭和52年法律第84号)による共済制度の運営等を行う業務
(エ) 新事業創出促進法(平成10年法律第152号)による創業促進に関する業務
 このうち、同事業団信用保険部門 で実施している上記(イ)を除く業務に関する収入支出決算等についてみると、次のとおりである。
 その資本金は11事業年度(注1) 末現在で1兆2576億9611万余円(全額国の出資)となっている。
 同事業団の会計は、高度化、新事業開拓促進及び指導研修勘定、小規模企業共済勘定並びに中小企業倒産防止共済勘定の3勘定に区分して経理されている。
 なお、同事業団は、11年7月1日、中小企業総合事業団法(平成11年法律第19号)附則第5条、第6条及び第7条の規定により解散した中小企業信用保険公庫、繊維産業構造改善事業協会及び中小企業事業団の一切の権利及び義務を承継(注2) して設立されたものである。

(注1) 中小企業総合事業団の11事業年度は、11年7月1日から12年3月31日までである。
(注2) この承継に係る中小企業信用保険公庫、繊維産業構造改善事業協会及び中小企業事業団の貸借対照表上の資産、負債及び資本は次のとおりである。

(1) 中小企業信用保険公庫

 現金預け金等の資産1兆6930億6508万余円、支払備金等の負債1425億0224万余円及び政府出資金等の資本1兆5505億6283万余円

(2) 繊維産業構造改善事業協会

 (ア) 信用基金勘定の資産78億4577万余円、負債39億3387万余円及び資本39億1190万余円
 (イ) 振興基金勘定の資産128億7877万余円、資本128億7877万余円
 (ウ) 人材育成基金勘定の資産3億0818万余円、負債121万円及び資本3億0697万余円
 (エ) 業務勘定の資産3億6825万余円、負債3億8445万余円及び資本△1620万余円

(3) 中小企業事業団

 (ア) 小規模企業共済勘定の資産6兆9877億8855万余円、負債7兆0264億4402万余円及び資本△386億5546万余円
 (イ) 中小企業倒産防止共済勘定の資産7571億9794万余円、負債7101億9890万余円及び資本469億9903万余円
 (ウ) 高度化、創業促進及び指導研修勘定の資産1兆5965億4802万余円、負債2034億4523万余円及び資本1兆3931億0278万余円

 同事業団の勘定別の11事業年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。

(高度化、新事業開拓促進及び指導研修勘定)

 この勘定は、中小企業構造の高度化及び中小企業の新事業の開拓を促進するために必要な指導、資金の貸付け、出資及び助成等の事業、経営管理の合理化、技術の向上を図るための指導、研修等の事業等に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 11事業年度
  千円
(収入)
 収入決定済額 128,877,126
(支出)
 支出予算現額 291,650,126
 支出決定済額 110,039,381
 翌事業年度繰越額 44,166,240
 不用額 137,444,504

 翌事業年度繰越額の主なものは、貸付金(支出予算現額1904億9457万余円)の231億8806万円、出資金(同303億円)の180億5000万円及び創業・ベンチャー・経営革新支援拠点体制整備事業費(同38億6538万余円)の16億1254万余円である。また、不用額の主なものは、貸付金の1135億8423万余円、出資金の98億7800万円及び助成金(同40億円)の30億9140万円である。

2 損益

  区分 11事業年度
  千円
 経常収益 93,308,898
 (うち貸付事業収入) (10,963,828)
 経常費用 91,772,898
 (うち貸付事業費) (7,016,218)
 特別損失 256,769
 当期利益金 1,279,230
(利益金の処理)
 翌事業年度に新事業開拓促進資金に繰入 1,200,000
 翌事業年度に積立金として整理 79,230

3 借入金等

  区分 11事業年度末
  千円
 借入金残高 15,796,674
 (都道府県等)
 中小企業総合事業団債券発行残高 166,560,000
 積立金残高 32,507,158

4 主な業務実績

(1) 貸付業務
  区分 11事業年度  
 貸付け 件数 209件
金額 53,722,280千円
 貸付金回収等 金額 76,389,942千円
 (うち貸付金償却) (746,226千円)
 事業年度末貸付金残高 件数 6,580件
金額 1,142,118,114千円
  上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に事業団において開示している債権
  破綻先債権 16,405,153千円
  延滞債権 25,626,155千円
  3カ月以上延滞債権 8,224,776千円
  貸出条件緩和債権 82,379,034千円
132,635,119千円
貸倒引当金 57,105,905千円  
(貸倒引当金計上率)(注) (50/1000)  
(注)  貸倒引当金に計上する金額は、当該事業年度末における貸付金残高に50/1000を乗じて得た金額とされている。
(2) 出資業務
  区分 11事業年度
 出資 会社数 4社
件数 4件
金額 2,372,000千円
 事業年度末出資金残高 会社数 44社
件数 46件
金額 12,737,417千円

(小規模企業共済勘定)

 この勘定は、小規模企業共済事業及び小規模企業共済契約者に対する資金の貸付事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 11事業年度
  千円
(収入)
 収入決定済額 1,177,945,545
(支出)
 支出予算現額 1,197,919,576
 支出決定済額 946,650,251
 不用額 251,269,324

 不用額の主なものは、貸付金(支出予算現額6066億3087万余円)の2124億1045万余円、借入金償還(同2146億2048万余円)の274億1546万余円及び共済金(同2965億7048万余円)の29億8590万余円である。

2 損益

  区分 11事業年度
  千円
 経常収益 7,602,248,863
 (うち共済事業収入) (595,421,048)
 経常費用 7,865,401,261
 (うち共済事業費) (353,129,077)
 当期損失金 263,153,119
(損失金の処理)
 翌事業年度に繰越欠損金として整理 263,153,119
(繰越欠損金 54,173,468)

3 責任準備金

  区分 11事業年度末
  千円
 責任準備金残高 7,505,555,040

4 主な業務実績

  区分 11事業年度
 共済契約 契約件数 66,660件
事業年度末契約件数 2,057,361件
 共済金の支払 件数 40,165件
金額 293,584,578千円
 貸付け 件数 88,592件
金額 193,603,310千円
 貸付金回収 金額 176,539,246千円
 事業年度末貸付金残高 件数 95,654件
金額 194,163,726千円

(中小企業倒産防止共済勘定)

 この勘定は、中小企業倒産防止共済事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 11事業年度
  千円
(収入)
 収入決定済額 150,013,691
(支出)
 支出予算現額 243,139,698
 支出決定済額 126,523,493
 不用額 116,616,204

 不用額の主なものは、貸付金(支出予算現額1758億7040万円)の1058億4550万円及び解約手当金(同452億5575万余円)の98億2935万余円である。

2 損益

  区分 11事業年度
  千円
 経常収益 734,226,192
 (うち共済事業収入) (49,478,597)
 経常費用 734,243,345
 (うち共済事業費) (36,678,228)
 当期損失金 17,351
(損失金の処理)
 翌事業年度に積立金を減額整理 17,351

3 倒産防止共済基金等

  区分 11事業年度末
  千円
 倒産防止共済基金残高 671,032,559
 積立金残高 490,037

4 主な業務実績

  区分 11事業年度
 共済契約 契約件数 14,594件
事業年度末契約件数 430,020件
 貸付け 件数 16,257件
金額 70,024,900千円
 貸付金回収等 金額 86,113,985千円
 (うち貸付金償却) (6,959,205千円)
 事業年度末貸付金残高 件数 86,141件
金額 368,549,308千円
  上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に事業団において開示している債権
   破綻先債権 47,087,215千円
   延滞債権 37,978,377千円
   3カ月以上延滞債権 7,345,777千円
   貸出条件緩和債権 27,124,085千円
 計 119,535,455千円
貸倒引当金 17,506,888千円  
(貸倒引当金計上率)(注) (5/100)  
(注)  中小企業倒産防止共済勘定の貸付金には共済貸付金、一時貸付金がある。共済貸付金の貸倒引当金に計上する金額は、当該事業年度末における貸付金残高に5/100を乗じて得た金額とされている。なお、一時貸付金の貸倒引当金は設定されていない。