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  • 平成14年度|
  • 第4章 特定検査対象に関する検査状況

無償資金協力のうち一般プロジェクト無償及び水産無償における施設の建設や資機材の調達等の手続及び契約状況について


第2 無償資金協力のうち一般プロジェクト無償及び水産無償における施設の建設や資機材の調達等の手続及び契約状況について

検査対象 外務省、国際協力事業団(平成15年10月1日以降は独立行政法人国際協力機構)
政府開発援助の内容 無償資金協力
無償資金協力の年度別実績 平成12年度  2380億4978万円
13年度  2359億6376万円
14年度  2228億5519万円
検査の対象とした無償資金協力の種類 一般プロジェクト無償、水産無償
上記に係る契約金額 平成12年度  862億0485万円
13年度  891億9850万円
14年度  506億7273万円

1 一般プロジェクト無償及び水産無償の手続の概要

 外務省では、開発途上国の経済・社会の発展のために必要な施設の建設、資機材の調達等に要する資金を返済の義務を課さないで供与する無償資金協力を実施しており、その実績は平成12年度2380億4978万余円、13年度2359億6376万余円、14年度2228億5519万余円と毎年多額に上っている。
 無償資金協力のうち、病院、学校、道路、かんがい施設などの建設及び公共の輸送用車両などの調達を対象とする一般プロジェクト無償並びに水産振興に寄与するための漁業関連施設の建設などを対象とする水産無償については、12年度1152億7025万余円、13年度1157億4772万余円、14年度1040億4404万余円と多額の援助実績となっていて、無償資金協力の中核となっている。
 そして、一般プロジェクト無償及び水産無償(以下、これらを「一般プロジェクト無償等」という。)の手続は、以下のとおりである(参考図参照)。

〔1〕 被援助国の要請

 開発途上国が我が国の一般プロジェクト無償等を希望する場合、協力の要請をその国に置かれている我が国の在外公館を通じて外務省に文書で提出する。

〔2〕 事前調査

 外務省では、この要請を受け、その中から案件の選定を行い、当該選定案件の妥当性などの検証及び設計・積算を行うため、国際協力事業団(以下「事業団」という。)に事前の調査(以下「基本設計調査」という。)の実施を指示する。事業団はコンサルタントに委託して基本設計調査を実施する。

〔3〕 審査

 外務省では、基本設計調査等の結果に基づき案件の内容を審査する。また、基本設計調査により積算された概算事業費は、交換公文の供与限度額の算定基礎となる。そして、閣議において一般プロジェクト無償等の実施について最終決定がなされる。

〔4〕 実施

 閣議により一般プロジェクト無償等の実施が決定されると、我が国の代表と被援助国の代表との間で交換公文の署名が行われる。交換公文には、一般プロジェクト無償等の目的、供与限度額、供与期限などが記載される。そして、交換公文に基づき、被援助国は、供与された資金により施設の建設、資機材の調達等を我が国の認証を得て自ら行う。
 また、交換公文に付随して、一般プロジェクト無償等の円滑、適正な実施を促進するための業務(以下「実施促進業務」という。)を事業団が行うこと、及び被援助国は、一般プロジェクト無償等の実施に当たり、事業団が定めた「無償資金協力ガイドライン」に従うことなどが合意される。
 被援助国は、この実施に必要な詳細設計業務、入札関連業務及び施工監理業務を、基本設計調査を実施したコンサルタントに委託する。

〔5〕 支払

 被援助国は、我が国からの援助資金の受入れに当たり、上記の業務委託を受けたコンサルタント及び施設の建設や資機材の調達等の契約(以下「本体契約」という。)を受注した業者(以下「契約業者」という。)に対する支払のため我が国内に銀行口座を開設し、支払手続代行のため銀行取極を締結する。コンサルタント及び契約業者は、契約締結後、被援助国政府が発行する完工証明書、輸出船積関係書類等を添付して、銀行取極を締結した銀行に対して支払を請求する。銀行からの請求を受けた外務省は、所要額を支払い、これを受けて銀行は、被援助国に代わり契約業者に支払を行う。

(参考図)一般プロジェクト無償等の手続

(参考図)一般プロジェクト無償等の手続

2 検査の着眼点、対象及び方法

(検査の着眼点)

 一般プロジェクト無償等による事業は、全額我が国の財政資金で賄われており、被援助国から将来の返還を求めないことから、その実施主体は被援助国ではあるが、事業の実施に当たっては、適正、経済的、効率的に行われることが求められる。
 そして、外務省では、被援助国が一般プロジェクト無償等による事業を実施する際に、その適正な実施のため事業団が定めた無償資金協力ガイドラインに従うことを交換公文に付随した合意書において求めている。また、外務省では、一般プロジェクト無償等に関して、透明性を確保するため、本体契約の契約当事者である被援助国の了解を得た上で、入札結果について落札業者名、落札金額のほか、応札業者名、応札金額も含めて公表している。
 このような状況を踏まえ、次の点に着眼して検査を実施した。
〔1〕 被援助国が行う一般プロジェクト無償等に係る本体契約の締結に至る手続はどのように行われているか、また、その手続が適切なものとなるよう我が国の援助実施機関である外務省及び事業団がどのように取り組んでいるか。
〔2〕 一般プロジェクト無償等の本体契約に係る入札の状況等は、どのようになっているか。

(検査の対象及び方法)

 一般プロジェクト無償等において、12年度から14年度までの3箇年に閣議決定が行われた案件に係る本体契約のうち15年6月末日までに一般競争入札による落札業者名等を公表しているものを対象に検査を行った。その契約金額及び契約金額別件数等は表1のとおりである。

表1 検査対象とした契約金額及び契約金額別件数等
年度 契約金額
(単位:千円)
契約金額別件数 交換公文件数
5千万円未満 5千万円〜1億円 1億円〜5億円 5億円〜10億円 10億円〜20億円 20億円以上
12 86,204,855 12
(4)
7 75
(3)
32 15 8 149
(7)
118
13 89,198,501 8
(6)
11 69
(1)
53 11 6 158
(7)
113
14 50,672,732 1
(2)
13 38 30 10 1 93
(2)
68
226,076,088 21
(12)
31 182
(4)
115 36 15 400
(16)
299
(注)
 ( )内は、一般競争になじまないため随意契約によったもので外数であり、契約金額合計は7億6080万余円である。

 検査に当たっては、本院の検査権限が被援助国及び契約相手に対し及ばないことから、上記の交換公文299件に係る契約400件について、外務省及び事業団における関係資料や外務省が公表している入札状況に関する資料等に基づき検査を実施した。

3 検査の状況

(1)一般プロジェクト無償等における指針

 無償資金協力ガイドラインでは、一般プロジェクト無償等により事業を実施するのは被援助国であり、被援助国は、設計等の業務をコンサルタントに委託し、施設の建設や資機材の調達等を契約業者に実施させることにより事業を実施することとなっている。また、事業団を実施促進を行う公的機関と定め、被援助国が一般プロジェクト無償等を実施する際に従うべき事項等を規定している。
 無償資金協力ガイドラインに定められている事項は、以下のとおりである。

(ア)報告義務

 被援助国は、〔1〕入札図書の作成(入札案内、事前資格審査書類及び詳細設計に係る報告を含む。)、〔2〕入札評価、〔3〕契約書類の作成、〔4〕しゅん功検査、〔5〕暇疵検査の各段階において、事業の進ちょくに関して書面で事業団を通じて我が国に報告する。

(イ)基本設計調査報告書に基づくプロジェクトの実施義務等

 基本設計調査報告書の基本設計は、我が国及び被援助国が確認したもので、交換公文の基礎
となるものであることから、被援助国は基本設計に基づき事業を実施する義務を負っていて、設計変更等によりプロジェクト内容に変更が必要となった場合には、事前に事業団を通じて我が国の変更承認を得なければならない。

(ウ)コンサルタント利用義務

 被援助国は、プロジェクトの設計、入札及び調達監理についての契約(以下「コンサルタント契約」という。)について、交換公文に則り、日本人(法人を含む。以下同じ。)のコンサルタントを利用するよう定められている。また、事業団は、基本設計調査からの技術的一貫性を確保するため、コンサルタントを被援助国に推薦する。
 コンサルタント業務は、〔1〕詳細設計の実施、〔2〕調達の実施についての支援、〔3〕契約業者に対する監理及び指導、〔4〕施工中、完了段階及び保証期間満了時における検査の実施等である。

(エ)契約業者の限定等

 被援助国における本体契約を締結する契約業者についても、コンサルタントと同様、日本人でなければならない。そして、資機材については、交換公文に則り、我が国又は被援助国以外の国から調達する場合は、我が国の事前の同意が必要である。

(オ)一般競争入札の原則等

 本体契約の締結に当たっては、経済性、効率性及び公正性の観点から一般競争入札を原則として、一般競争になじまない緊急な調達が必要な場合など特別な理由がある場合は、事業団の事前の同意を得て、指名競争あるいは随意契約によることができる。
 また、入札に先立ち、大規模、複雑な業務等に関しては、〔1〕同種契約の経験及び実績、〔2〕被援助国及び近隣国での経験と過去の実績、〔3〕人材、設備及び製作工場の能力、〔4〕財務状況を特に考慮に入れた事前資格審査の実施を勧めている。
 入札の公告は、被援助国、近隣国又は我が国で一般に流通している新聞のうち少なくとも1紙に、〔1〕プロジェクト名等、〔2〕入札資格、〔3〕入札図書配布の日時、場所、〔4〕その他の入札に関する重要な情報等の事項を掲載しなければならず、入札図書の配布開始日から入札日までの入札準備期間は、少なくとも30日間が必要である。

(カ)入札図書

 入札図書は、被援助国により作成され、〔1〕入札心得、〔2〕入札書式、〔3〕契約書案、〔4〕仕様書、〔5〕必要な付属文書等が、公告の前に事業団に提出される。
 仕様書については、特定のスペアパーツの調達以外は商標名、カタログ番号等の特定を避けること、資機材の規格について言及する場合には、日本工業規格あるいはこれと同等かこれ以上の品質を保証する国際的に認められた規格に合致するものとすることとされている。

(キ)開札、入札評価、落札

 開札後は、入札の変更は認められず、入札評価は、入札図書に従い行われる。技術仕様や他の入札図書の規定に合格している入札について、価格を基に判定し、最低の入札価格が予定価格を上回らなかった場合は、最低価格を提示したものが落札者となる。また、落札又は失格の理由を示した入札評価報告書を落札者決定前に事業団に提出しなければならない。

(ク)契約発効の条件等

 コンサルタント契約及び本体契約については、外務省による認証を経て発効する。事業団は外務省による認証に先立ち、契約書のチェックなどの認証前審査を行う。契約書には、交換公文に基づき我が国が事業に関する資金を贈与し実施すること、履行期間及び契約金額については、交換公文の有効期間内及び贈与金額内であること、支払方法として被援助国又はその指定する機関が発行する支払授権書により我が国の銀行を通じ日本円で行われることなどの条項が記載されなければならない。
 このように、無償資金協力ガイドラインは、我が国と被援助国とが締結した交換公文に則り、事業の適正な実施を確保することを目的として被援助国から報告書の提出を求めている。
 また、本体契約に関しては、経済性、効率性、公正性の観点から一般競争入札の原則によることを定め、被援助国から入札図書、入札評価報告書等の提出を受け、事業団は交換公文及び無償資金協力ガイドラインとの整合性を確認し、経済的、効率的、公正な実施に資することとしている。

(2)基本設計調査における我が国援助実施機関の取組

 前記のとおり、被援助国の要請を受け、外務省は、基本設計調査を実施する案件を選定し、事業団にその実施を指示している。

(基本設計調査におけるコンサルタント選定方法)

 事業団が、契約により基本設計調査を実施させるコンサルタントについては、事業団に登録されている者の中から、コンサルタントから提出された技術提案書(以下「プロポーザル」という。)に基づき、その能力を評価するなどによって選定している。その手続は、次のとおりである。
〔1〕 事業団は公示開始日から2箇月後の月に契約する予定の案件を対象として実施予定案件概要等を公示する。
〔2〕 公示案件に関心があるコンサルタントは、原則公示後10日以内に、事業団に関心表明書を提出する。
〔3〕 事業団は、関心表明書を提出したコンサルタントに対して、調査の目的、内容等に関する事項、業務実施上の条件等を記載した業務指示書を提示し、2週間の提出期限を付してプロポーザルの提出を依頼する。その際、プロポーザルの作成、提出に要する費用は、支払わない旨を明示する。
〔4〕 コンサルタントの経験・能力、調査業務の実施方針、業務従事予定者の経験・能力等を記載したプロポーザルをコンサルタントから受理する。
〔5〕 提出されたプロポーザルを評価基準に則り評価し、技術評点の高い順に契約交渉順位を決定する。評価に当たっては、技術評点を基に行うが、その結果、第1順位と第2順位以下との差が僅少で声る場合には、コンサルタントより提出された当該調査業務の実施に要する費用の見積価格を参考として交渉順位を決定する。
〔6〕 交渉順位に基づき契約交渉を行い、契約相手を決定し、予定価格以内で契約を締結する。

(コンサルタント契約の状況)

 コンサルタントの登録は、調査業務の分野ごとに行うこととなっていて、1者で複数分野に登録している者もあるが、登録コンサルタント数は、14年3月末現在で626者に上っている。
 検査の対象とした299件の一般プロジェクト無償等のうち、基本設計調査を行った272件に係るプロポーザルの提出状況について検査したところ、表2及び表3のとおり、上記の登録コンサルタント626者に対し、3箇年で111者(1案件当たり4.2者)がプロポーザルを提出していた。

表2 プロポーザル提出者数(純計)
12年度閣議決定案件関係 13年度閣議決定案件関係 14年度閣議決定案件関係 12〜14年度閣議決定案件関係
88者 85者 66者 111者

表3 プロポーザルの提出状況
年度 プロポーザル提出対象案件数 プロポーザル提出者数(単位:件)
1者 2者 3者 4者 5者 6者 7者 8者 平均
12 105 8 25 29 18 18 3 4 450 4.2
13 104 5 1 22 33 22 15 3 3 450 4.3
14 63 1 5 20 14 14 7 2 253 4.0
272 14 6 67 76 54 40 8 7 1,153 4.2
件数割合(%) 5.2 2.2 24.6 27.9 19.9 14.7 2.9 2.6 100

 また、プロポーザルの提出件数が多いコンサルタントは、表4のとおりとなっていた。

表4 コンサルタントごとのプロポーザル提出件数等
コンサルタント名 12年度分 13年度分 14年度分
a社
48<45.7%>

48<46.1%>

29<46.0%>

125<45.9%>
b社 33<31.4%> 36<34.6%> 12<19.0%> 81<29.7%>
c社 19<18.0%> 13<12.5%> 4<6.3%> 36<13.2%>
d社 13<12.3%> 13<12.5%> 9<14.2%> 35<12.8%>
e社 18<17.1%> 13<12.5%> 2<3.1%> 33<12.1%>
f社 7<6.6%> 13<12.5%> 12<19.0%> 32<11.7%>
g社 16<15.2%> 10<9.6%> 3<4.7%> 29<10.6%>
h社 11<10.4%> 14<13.4%> 3<4.7%> 28<10.2%>
i社 9<8.5%> 10<9.6%> 9<14.2%> 28<10.2%>
j社 10<9.5%> 10<9.6%> 7<11.1%> 27<9.9%>
k社 11<10.4%> 12<11.5%> 3<4.7%> 26<9.5%>
1社 8<7.6%> 10<9.6%> 7<11.1%> 25<9.1%>
m社 7<6.6%> 9<8.6%> 9<14.2%> 25<9.1%>
プロポーザル提出対象案件数 105 104 63 272
(注)
 < >内の割合は、プロポーザル提出対象案件数に対する割合である。

(基本設計調査における積算方法)

 事業団と基本設計調査の実施契約を締結したコンサルタントは、プロジェクトに関する開発計画の内容、目的、効果及び一般プロジェクト無償等を実施する場合の内容、最適規模等を検討するとともに、対象施設等の設計・積算を行うこととなっている。そして、この設計・積算により算定された事業費は交換公文の供与限度額の算定基礎となるものである。
 事業団は、基本設計調査における積算に当たり準拠する基準として、建設工事等を行う施設案件に関し、「無償資金協力案件に係る概算事業費積算ガイドライン」(以下「積算ガイドライン」という。)を定めている。これは、我が国内の公共事業に適用される積算基準を基にして、労務単価等については被援助国における実態を反映させるよう定めたものである。そして、基本設計調査を行うコンサルタントは、被援助国において適用可能な積算基準がある場合を除いて積算ガイドラインに基づくこととなっていて、積算ガイドラインを用いているのが現状であると、事業団では説明している。
 そして、積算ガイドラインでは、コンサルタントに積算の結果を積算関連資料等に基づき「概算事業費積算概要資料」(以下「概算積算資料」という。)として整理することを求めている。この概算積算資料の構成は、〔1〕案件概要、〔2〕施工計画(施工方法、労務・資機材の調達計画、設計施工監理計画及び工程計画の策定)、〔3〕積算条件、方法(通貨の交換レート、準拠する積算基準、歩掛の補正等)、〔4〕事業実施工程表、〔5〕概算事業費総括表、〔6〕事業費内訳表(直接工事費、外注工事費、共通仮設費、現場管理費各内訳表)、〔7〕労務単価表、〔8〕資材単価表、〔9〕建設機械賃貸料表となっている。

(基本設計調査における積算領の審査等)

 事業団は、これに対し労務及び資機材について現場条件に応じた現地調達の可否、工程計画の是非、通貨の交換レートの適用等を中心に、現場条件等に応じた事業費の積算となっているか審査しているとしている。また、事業費の積算に必要な数量を算出するための数量計算書の検算については、コンサルタントの責任で行うものであり、特別な場合を除き行っていないとしている。
 一方、車両等の調達を行う機材案件についても同様に積算のガイドラインを定めているが、価格については見積りによることとし、事業団においては、その見積価格採用の適否について審査しているとしている。
 概算積算資料は、事業団とコンサルタントとの間の業務実施契約において、機材案件については成果品と位置付けているので保存されているが、施設案件については成果品とは位置付けられていないため、この資料はコンサルタントから提出等を受けた後、事業団において審査後廃棄したり、コンサルタントに返還したりしていて保存されていない。
 これについて、事業団では、機材案件に係る基本設計調査では、実際には詳細設計レベルの精度となり、調査の結果算出される概算事業費も最終的な事業費にほぼ近いものとなるため、その算出の基礎となる概算積算資料を成果品としてコンサルタントに提出を求めている。一方、施設案件に係る基本設計調査では、その後に実施される詳細設計との差がプラスマイナス10%以内に収まるような精度での概算事業費の算出を要求しており、最終的な事業費は詳細設計で確定されることとなるため、その概算事業費算出の基礎となる概算積算資料をコンサルタントの成果品と位置付けていないとしている。

(3)本体契約の締結に至る手続に関する我が国援助実施機関の取組等

(コンサルタント業務)

 コンサルタントについては、前記のとおり、基本設計調査からの一貫性を確保するため、事業団が基本設計調査を実施させたコンサルタントを被援助国に推薦することとなっていて、被援助国はコンサルタントに随意契約により当該業務を委託している。この契約は、事業団による認証前審査を経て、外務省の認証により発効する。
 事業団では、無償資金協力ガイドラインの趣旨に基づき「無償資金協力事業におけるコンサルタント業務の手引き」(以下「手引き」という。)を作成し、コンサルタント業務の指針としている。そして、手引きでは、調達に関し、基本設計調査及び無償資金協力ガイドラインに沿ったものとなるようコンサルタント業務の留意点が以下のように示されている。
〔1〕 入札図書である詳細設計は、基本設計の精度を高めることが一般的な作業であるが、詳細設計時の追加調査に基づいた技術的検討結果、被援助国の政策変更や事情の変化等に対応する必要が生じた場合においても、基本設計との整合性を確保しその範囲内で設計内容を検討する必要がある。
〔2〕 入札会は、被援助国で実施することを前提としているが、入札業務の円滑迅速な推進、競争性を広く確保する観点等から、我が国で開催することも認められている。この場合でも、入札会の主催者は、施主である被援助国であることから、被援助国の実施機関の契約責任者の参加が必要である。また、事業団は、入札が公正かつ適正に実施されているかを確認するため、中立な第三者の立場で、入札会に立ち会うことがある。
〔3〕 入札評価においては、応札書類中の技術仕様・工期等に関する事項を分析・整理し、価格についての評価を行った上、被援助国政府に対して説明・助言を行い、その承認を得る。

(事業団が行う実施促進業務の内容)

 事業団は、一般プロジェクト無償等に係る実施促進業務として、国際協力事業団法(昭和49年法律第62号。平成15年10月1日以降は「独立行政法人国際協力機構法」(平成14年法律第136号))に基づき、本体契約の締結に関し、調査、あっせん、連絡その他の必要な業務を行い、また、その契約の実施状況に関し必要な調査を行っている。
 被援助国からは、無償資金協力ガイドラインに従って、事業団を通じ、外務省に対して、プロジェクトの各段階で、入札図書(案)、入札評価報告書、契約書、完了届(しゅん功検査報告書)、暇疵検査報告書等の報告書が提出されることとなっている。また、事業団は、被援助国への推薦に当たり、コンサルタントにこれら報告書の提出の励行を求めている。
 事業団は、実施促進業務として、これらの報告書に基づいて、〔1〕入札図書の確認、〔2〕入札評価の確認、〔3〕契約についての審査(契約認証前審査)などを行い、施設の建設、資機材の調達が適正、迅速に、支障なく行われるよう、被援助国及びその契約したコンサルタントに対し、助言、連絡等を行っている。
 外務省は、被援助国から事業団に提出された上記報告書のうち、契約書、完了届(しゅん功検査報告書)を事業団から受領していて、入札図書(案)、入札評価報告書等については、特に必要のある場合受領している。
 そして、手引きによれば、事業団は入札会に立ち会うことがあるとしているが、入札会の実施に当たり、事業団では原則入札会に立ち会っている。

(実施促進業務のうち詳細設計についての確認の状況)

 詳細設計は、基本設計調査で策定された基本構想との整合性を確保し、その基本構想から逸脱しない範囲において、より具体的に詳細にわたり設計するものであり、被援助国と契約したコンサルタントは、この方針の下、入札図書の一部として詳細設計を作成している。事業団によれば、詳細設計調査を行うコンサルタントは基本設計調査の積算ガイドラインに基づいて詳細設計の積算を行っているとしている。
 そして、事業団は、実施促進業務の一環として行う詳細設計の確認を次のように行っている。
 事業団は、詳細設計と基本設計の一貫性を確保するため、基本設計に変更が加えられる場合に、コンサルタントからその変更内容の報告を受け、基本設計・詳細設計比較検討会を開催する。検討会においては、変更の理由、内容、技術的妥当性について検討を行い、また、変更に伴う積算内容等について基本設計調査と整合性がとれていて妥当なものか検討を行い、事業費の積算額が供与限度額以内であるかなどの確認を行っている。
 一方、事業団は、被援助国がその後入札を行うに当たって定める予定価格については、発注者である被援助国が算定することであり、事業団は入札の当事者ではなく、予定価格について事前に関与するべきではないとしている。

(詳細設計調査におけるコンサルタント契約の状況)

 被援助国が施設の建設、資機材の調達等を行うに当たっては、被援助国は事業団に推薦されたコンサルタントと契約を締結して詳細設計業務、入札関連業務、施工監理業務を行わせている。
 基本設計調査に関しプロポーザルを提出して選定されたコンサルタントは、ほぼ例外なく詳細設計調査を受託している。そこで、コンサルタントが詳細設計調査を受託した契約件数について検査したところ、表5のとおり、3箇年度分の合計件数の上位10位(12社)で44.4%となっていた。

表5 コンサルタントごとの詳細設計調査受託契約件数等
コンサルタント名 12年度分 13年度分 14年度分
a社
11<10.4%>
(22.9%)

12<11.5%>
(25.0%)

2<3.1%>
(6.8%)

25<9.1%>
(20.0%)
e社 4<3.8%>
(22.2%)
7<6.7%>
(53.8%)
2<3.1%>
(100%)
13<4.7%>
(39.3%)
m社 2<1.9%>
(28.5%)
5<4.8%>
(55.5%)
6<9.5%>
(66.6%)
13<4.7%>
(52.0%)
b社 4<3.8%>
(12.1%)
4<3.8%>
(11.1%)
2<3.1%>
(16.6%)
10<3.6%>
(12.3%)
f社 3<2.8%>
(42.8%)
4<3.8%>
(30.7%)
3<4.7%>
(25.0%)
10<3.6%>
(31.2%)
n社 3<2.8%>
(60.0%)
5<4.8%>
(100%)
1<1.5%>
(33.3%)
9<3.3%>
(69.2%)
o社 1<0.9%>
(33.3%)
4<3.8%>
(50.0%)
4<6.3%>
(50.0%)
9<3.3%>
(47.3%)
p社 5<4.7%>
(45.4%)
2<1.9%>
(28.5%)
−<−%>
(−%)
7<2.5%>
(33.3%)
h社 5<4.7%>
(45.4%)
1<0.9%>
(7.1%)
1<1.5%>
(33.3%)
7<2.5%>
(25.0%)
c社 4<3.8%>
(21.0%)
2<1.9%>
(15.3%)
−<−%>
(−%)
6<2.2%>
(16.6%)
d社 4<3.8%>
(30.7%)
−<−%>
(−%)
2<3.1%>
(22.2%)
6<22%>
(17.1%)
q社 3<2.8%>
(33.3%)
2<1.9%>
(33.3%)
1<1.5%>
(16.6%)
6<2.2%>
(28.5%)
上位12社計 49 <46.6%> 48<46.1%> 24<38.0%> 121<44.4%>
契約件数 105 104 63 272
r社 13 9 5 27
注(1)  < >内の割合は、契約件数に対する割合である。
注(2)  ( )内の割合は、当該コンサルタントのプロポーザル提出対象案件数に対する割合である。
注(3)  r社は、品目数が少ないなどの簡易機材案件について、プロポーザルによる方式ではなく、随意契約により調査を受託している。

(4)本体契約の入札の状況

 本体契約に当たっては、前記のとおり、原則として一般競争入札方式によることとなっている。
 この本体契約の入札の状況について検査したところ、次のようになっていた。

ア 入札参加者数の状況

 被援助国が本体契約のために実施した入札会への参加者数は、表6のとおり1者が15.2%、2者以内が44.2%、3者以内が91.5%などとなっていた。

表6 入札参加者数の状況
年度 入札実施件数 入札参加者数(単位:件)
1者 2者 3者 4者 5者 6者
12 149 11 60 68 10
13 158 16 43 79 13 4 3
14 93 34 13 42 3 1
400 61 116 189 26 4 4
件数割合(%) 15.2 29.0 47.3 6.5 1.0 1.0
累積件数割合(%) 15.2 44.2 91.5 98.0 99.0 100

イ 入札金額の状況

 入札会においては、事業団で入札に当たり標準としている標準入札指示書によれば、その場で2回までの価格札を開札することとされており、2回目の開札においても予定価格を下回る応札がない場合は、最低価格で入札を行った者と価格交渉を行い、予定価格の範囲内で随意契約を行うか、再度入札の公告を行うこととしている。
 そして、入札を実施した400件に係る応札数は合計1,249札であった。また、一つの交換公文案件を分割発注したことにより複数の入札会を行っていたものについては、入札金額と交換公文の供与限度額が対応していないため、これらの分割発注における入札171件に係る応札数509札を除き、229件に係る応札数740札について、各入札金額とこれに対応する交換公文の供与限度額を比較してみると、16件に係る35札の入札金額は公表されている交換公文上の供与限度額を超えていた。
 これら16件に係る35札についてみると、コンサルタント契約及び本体契約の合計限度額である交換公文の供与限度額に対する入札金額の比率は、表7のとおりとなっていた。

表7 交換公文の供与限度額を超えていた35札の状況
交換公文の供与限度額に対する入札金額の比率 (単位:札)
100%を超え
102%未満
102%を超え
104%未満
104%を超え
106%未満
106%を超え
108%未満
108%を超え
110%未満
110%を超え
115%未満
115%を超え
120%未満
120%を超え
130%未満
130%を超え
140%未満
140%を超え
150%未満
4 3 6 4 5 7 2 2 2 35

ウ 入札参加者ごとの入札及び契約の状況

 入札参加者ごとの入札及び契約の状況については、表8のとおりとなっていて、単独で受注した契約数の多い上位10位(11社)で契約件数全体の58.7%、契約額の47.8%となっていた。

表8 入札参加者ごとの入札及び契約の状況
業者名 12年度 13年度 14年度
入札参加件数 契約数 入札参加件数 契約数 入札参加件数 契約数 入札参加件数 A 契約数 B 契約割合 B/A
契約金額 契約金額 契約金額 契約金額(契約金額割合)
A社 38
25.5%
16
10.7%
34
21.5%
13
8.2%
15
16.1%
9
9.6%
87
21.7%
38
9.5%

43.6%
4,915,118千円 4,808,316千円 4,229,554千円 13,952,989千円 (6.2%)
B社 24
16.1%
17
11.4%
26
16.4%
12
7.5%
5
5.3%
5
5.3%
55
13.7%
34
8.5%

61.8%
6,157,220 3,192,877 2,736,340 12,086,438 (5.3%)
C社 29
19.4%
10
6.7%
18
11.3%
7
4.4%
15
16.1%
11
11.8%
62
15.5%
28
7.0%

45.1%
1,902,390 3,538,717 2,306,507 7,747,615 (3.4%)
D社 16
10.7%
8
5.3%
30
18.9%
16
10.1%
8
8.6%
4
4.3%
54
13.5%
28
7.0%

51.8%
2,708,956 2,658,418 715,937 6,083,312 (2.7%)
E社 16
12.0%
8
3.3%
30
13.9%
16
5.0%
8
15.0%
4
8.6%
54
13.5%
28
5.2%

38.8%
4,501,050 7,712,905 4,614,270 16,828,225 (7.4%)
F社 17
11.4%
5
3.3%
24
15.1%
9
5.6%
8
8.6%
4
4.3%
49
12.2%
18
4.5%

36.7%
2,864,514 1,944,003 1,247,270 6,055,787 (2.7%)
G社 22
14.7%
10
6.7%
18
11.3%
6
3.7%

−%

−%
40
10.0%
16
4.0%

40.0%
4,180,752 1,107,655 5,288,407 (2.3%)
H社 18
12.0%
6
4.0%
11
6.9%
4
2.5%
12
12.9%
6
6.4%
41
10.2%
16
4.0%

39.0%
9,839,500 4,619,200 4,430,600 18,889,300 (8.4%)
I社 11
7.3%
5
3.3%
13
8.2%
5
3.1%
10
10.7%
4
4.3%
34
8.5%
14
3.5%

41.1%
677,790 916,824 345,216 1,939,831 (0.9%)
J社 14
9.3%
8
5.3%
9
5.6%
2
1.2%
1
1.0%
1
1.0%
24
6.0%
11
2.7%

45.8%
10,205,144 1,732,400 483,500 12,421,044 (5.5%)
K社 12
8.0%
3
2.0%
14
8.8%
6
3.7%
7
7.5%
2
2.1%
32
8.2%
11
2.7%

33.3%
1,850,000 3,570,300 1,319,000 6,739,300 (3.0%)
上位11社計 219 93
62.4%
219
88
55.6%
95
54
58.0%
533
235
58.7%

44.0%
49,802,437 35,801,618 22,428,196 108,032,252 (47.8%)
11社以外計 146 56 214 70 114 39 474 165 34.8%
36,402,417 53,396,882 28,244,536 118,043,836 (52.2%)
契約件数計 149 158 93 400
契約金額計 86,204,855 89,198,501 50,672,732 226,076,088 (100%)
(注)
 下段の%は、契約件数に対する割合である。

エ 落札の状況

 外務省では、予定価格については、15年4月以降閣議決定を受けた一般プロジェクト無償等の新規案件に係る本体契約のうち、被援助国の了解を得られたものにつき同年10月以降順次公表しているが、14年度までは予定価格が公表されていなかったことから予定価格に対する落札額の比率である落札比率の算出は困難である。そこで、本院では、落札比率に代わり落札の状況をみる指標として、交換公文単位で以下の式のとおり、交換公文単位本体契約金額に対する交換公文の供与限度額からコンサルタント契約額を差し引いた金額である交換公文単位本体契約限度額の比率を算出した(以下、この算出結果を「EN(注) 単位本体契約金額比率」という。)。

EN単位本体契約金額比率(%)=交換公文単位本体契約金額/交換公文単位本体契約限度額×100
(注)  EN Exchange of Notesの略で、交換公文の意。

 その結果、落札の状況については、表9のとおりとなっていて、EN単位本体契約金額比率が90%以上のものが契約件数の90.9%、80%以上のものが契約件数の94.6%、70%以上のものが契約件数の96.3%などとなっていた。

表9 落札の状況
年度 EN単位本体契約金額比率(単位:件、%)
100% 99%以上100%未満 98%以上99%未満 97%以上98%未満 96%以上97%未満 95%以上96%未満 90%以上95%未満 80%以上90%未満 70%以上80%未満 60%以上70%未満 40%以上60%未満
12 5 63 9 9 8 5 13 2 2 2 118
13 4 71 11 6 2 2 7 4 6 113
14 19 12 9 3 6 8 5 3 2 1 68
9 153 32 24 13 13 28 11 5 10 1 299
件数割合 3.0 51.2 10.7 8.0 4.3 4.3 9.4 3.7 1.7 3.4 0.3 100%
累積件数割合 3.0 54.2 64.9 72.9 77.2 81.5 90.9 94.6 96.3 99.7 100

 また、一つの交換公文の案件を複数の契約に分割発注したものや機材案件に着目してみると表10のとおりとなっていて、分割発注している案件及び機材案件においてEN単位本体契約金額比率が90%以上のものが分割発注で契約件数の78.6%、機材案件で契約件数の76.7%、EN単位本体契約金額比率が80%以上のものが分割発注で契約件数の85.7%、機材案件で契約件数の84.8%、EN単位本体契約金額比率が70%以上のものが分割発注で契約件数の90%、機材案件で契約件数の89.5%などとなっていた。

表10 分割発注契約及び機材案件に係る落札の状況
EN単位本体契約金額比率(単位:件、%)
100% 99%以上100%未満 98%以上99%未満 97%以上98%未満 96%以上97%未満 95%以上96%未満 90%以上95%未満 80%以上90%未満 70%以上80%未満 60%以上70%未満 40%以上60%未満
12〜14年度の交換公文件数 A 9 153 32 24 13 13 28 11 5 10 1 299
分割発注件数 B 1 29 9 6 2 2 6 5 3 7 70
件数割合 1.4 41.4 12.8 8.6 2.9 2.9 8.6 7.1 4.3 10.0 100%
累積件数割合 1.4 42.8 55.6 64.2 67.1 70.0 78.6 85.7 90.0 100 100%
分割発注割合 B/A 11.1 18.9 28.1 25.0 15.3 15.3 21.4 45.4 60.0 70.0 23.4
12〜14年度の入札件数 C 10 193 45 31 16 16 34 20 11 23 1 400
機材案件件数 D 2 91 24 13 7 7 18 17 10 21 1 211
件数割合 0.9 43.1 11.4 6.2 3.3 3.3 8.5 8.1 4.7 10.0 0.5 100%
累積件数割合 0.9 44.0 55.4 61.6 64.9 68.2 76.7 84.8 89.5 99.5 100 100%
機材案件割合 D/C 20.0 47.1 53.3 41.9 43.7 43.7 52.9 85.0 90.9 91.3 100 52.7

オ 入札と落札の関係

 入札参加者数の状況と落札の状況との関係は、表11のとおりとなっていて、平均入札参加者数は、契約全体で2.52者となっていた。

表11 入札参加者数と落札の状況との関係
区分
EN単位本体契約金額比率  
交換公文件数 入札実施件数 入札参加者数毎入札実施件数 平均入札参加者数
1者 2者 3者 4者 5者 6者
100% 9 10 2 1 7 2.50
99%以上100%未満 153 193 23 69 91 10 2.45
98%以上 99%未満 32 45 9 15 17 3 1 2.40
97%以上 98%未満 24 31 7 5 16 3 2.48
96%以上 97%未満 13 16 4 4 8 2.25
95%以上 96%未満 13 16 1 2 10 3 2.93
90%以上 95%未満 28 34 8 8 14 2 1 1 2.50
80%以上 90%未満 11 20 3 4 10 3 2.65
70%以上 80%未満 5 11 2 3 5 1 2.45
60%以上 70%未満 10 23 2 5 10 1 3 2 3.17
40%以上 60%未満 1 1 1 3.00
299 400 61 116 189 26 4 4 2.52
(注)
 交換公文案件数と入札実施件数に差が生じるのは、同一の交換公文の案件であっても分割して入札を実施しているものがあるためである。

4 本院の所見

 本体契約の締結に至る手続及び本体契約に係る入札の状況等については、前項までにみたとおりである。
 外務省では、政府開発援助の効率的、効果的な実施のための施策を講じてきていて、また、国民の理解と支持を得るため透明性の向上に努めているところであり、無償資金協力についても、我が国の財政資金で全額賄われており、効率的、効果的な実施及び透明性の向上が求められている。
 また、外務省では、15年度から一般プロジェクト無償等に係る本体契約の予定価格について、了解を得られた被援助国につき順次公開するなどの方策を講じるなどしているところである。
 本院としては、無償資金協力の効果の発現状況とともに、その透明性、競争性の向上についても引き続き注視していくこととする。