平成16年度
第3章 個別の検査結果
第1節 省庁別の検査結果
第4 総務省
本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項
(1)新世代地域ケーブルテレビ施設整備事業における光ケーブルの敷設に係る補助対象経費を適切に算定するよう改善させたもの
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 事業の概要
(新世代地域ケーブルテレビ施設整備事業の概要)
総務省では、地域における情報基盤を整備し高度情報化社会の均衡ある発展を図るため、電気通信格差是正事業の一環として、地域住民に映像情報等を提供するための施設及び設備を整備する新世代地域ケーブルテレビ施設整備事業(以下「CATV施設整備事業」という。)を行う市町村又は第三セクター(以下「事業主体」という。)に対し、都道府県等を通じて、その事業に要する経費の一部として電気通信格差是正事業費補助金を交付し又は無利子貸付金(注1)を貸し付けている。
そして、事業主体は、総務省所管補助金等交付規則(平成12年総理府・郵政省・自治省令第6号)のほか、電気通信格差是正事業費補助金交付要綱(以下「交付要綱」という。)等に従ってCATV施設整備事業を実施することとなっている。
(補助金の審査)
総務省及び都道府県等では、交付決定及び額の確定に当たり、事業主体から提出された交付申請書、実績報告書及びその添付書類等により必要な審査を行っている。
(補助対象の施設及び設備)
交付要綱等によると、CATV施設整備事業においては、スタジオ、番組制作室等を備えたセンター施設、線路設備、インターネット設備等の整備に要する経費等が補助の対象とされている。
そして、線路設備は、センター施設と各家庭等との間を結ぶ光ファイバケーブル(以下「光ケーブル」という。)及び同軸ケーブル、これらのケーブルを接続して光ケーブルの光信号と同軸ケーブルの電気信号を相互に変換するノードなどで構成され、その敷設に要する費用が補助対象経費となる(参考図1参照)。

また、補助の対象となる光ケーブルの心数(参考図2参照)は、原則として1ノード当たり必要最小限の4心とされていることから、これにノードの設置数を乗じて算出した心数が、CATV施設整備事業で整備する光ケーブルの心数となる。しかし、光ケーブルの敷設費等は、心数が増えてもさほど増加しないことから、事業主体では、将来、より高品質なサービス等を独自に提供するためにあらかじめ整備する心数(以下「独自整備心数」という。)とCATV施設整備事業で整備する心数(以下「補助整備心数」という。)を合わせた心数の光ケーブルを敷設することがある(以下、このような敷設のうち独自整備心数に係る部分を「増心敷設」という。)。

2 検査の結果
(検査の着眼点及び対象)
北海道ほか11府県(注2)において、平成13年度から16年度までの間に、73事業主体が実施したCATV施設整備事業130事業、補助対象事業費493億0415万余円(国庫補助金133億0755万円)を対象として、光ケーブル敷設費に係る補助対象経費は適切に算定されているかなどに着眼して検査した。
(検査の結果)
検査したところ、北海道ほか7県(注3)において、17事業主体が増心敷設を行った23事業、補助対象事業費62億2087万余円(国庫補助金16億3583万余円)について、次のような事態が見受けられた。
すなわち、増心敷設における光ケーブル敷設費のうち資材費については、22事業では、実際の資材費を補助整備心数と独自整備心数の割合であん分して補助対象経費を算定していたが、1事業では、あん分せずに算定していた。
また、労務費、雑材料費及び諸経費については、23事業のすべてにおいて、補助整備心数と独自整備心数の割合であん分することなく、その全額を補助対象経費としていた。
しかし、上記のようにあん分することなく補助対象経費を算定した場合、結果的に、補助対象外の増心敷設部分に係る経費についても国庫補助金を交付したこととなるので適切とは認められず、改善の要があると認められた。
現に、総務省では、CATV施設整備事業とほぼ同様の線路設備の整備を行う地域イントラネット基盤施設整備事業における光ケーブル敷設費について、補助整備心数と独自整備心数の割合等であん分して補助対象経費を算定することとしていた。
(節減できた敷設費)
前記の23事業について、実際の敷設費を補助整備心数と独自整備心数の割合等であん分して補助対象事業費を算定し国庫補助金を交付したとすれば、国庫補助金交付額16億3583万余円は15億9163万余円となり、4420万余円が節減できたと認められた。
(発生原因)
このような事態が生じていたのは、次のことなどによると認められた。
ア 総務省及び都道府県等において
(ア)交付要綱等において増心敷設を併せて実施した場合の補助対象経費の算定方法を規定していなかったこと
(イ)交付申請書、実績報告書及びその添付書類において、増心敷設の内容等について記載することとしておらず、その結果、十分に審査を行えなかったこと
イ 事業主体において、本件補助事業の趣旨を十分に理解していなかったこと
3 当局が講じた改善の処置
上記についての本院の指摘に基づき、総務省では、17年9月に管下の各総合通信局等に対して通知を発し、補助対象事業費を適切に算定するよう、次のような処置を講じた。
ア 増心敷設を併せて実施した場合の補助対象経費の算定方法を明確に定め、事業主体にその旨を周知徹底することとした。
イ 交付申請書及び実績報告書に、増心敷設を含めた線路設備等の整備の全体を把握できる書類を添付させることとして、光ケーブルの敷設費を適切にあん分して補助対象経費を算定しているかについて、十分に審査を行えるようにした。