法人名
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(1)
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独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
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(2)
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東日本高速道路株式会社
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(3)
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首都高速道路株式会社
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(4)
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中日本高速道路株式会社
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(5)
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西日本高速道路株式会社
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(6)
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阪神高速道路株式会社
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(7)
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本州四国連絡高速道路株式会社
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事態の概要
ア 承継資産の価額の算定について
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過大額計
|
過小額計
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機構の承継資産の価額が過大又は過小に算定されていたもの
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(1)
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5537万円
|
4億5898万円
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東会社管理分 | 4695万円
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1億9857万円
|
|||
首都会社管理分 | —
|
2億4919万円
|
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阪神会社管理分 | 841万円
|
1120万円
|
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道路会社の承継資産の価額が過大又は過小に算定されていたもの
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(2)
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2530万円
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2079万円
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||
(3)
|
66億9414万円
|
8594万円
|
|||
(4)
|
6132万円
|
1億7005万円
|
|||
(5)
|
14億2754万円
|
19億2545万円
|
|||
(7)
|
1158万円
|
309万円
|
|||
計
|
82億7527万円
|
26億6433万円
|
|||
イ 資産の承継先について
|
|||||
件数
|
金額
|
||||
機構が承継すべき資産が道路会社の資産とされていたもの
|
(2)
|
130件
|
1億9874万円
|
||
(4)
|
376件
|
9億3178万円
|
|||
(5)
|
141件
|
8億7525万円
|
|||
道路会社が承継すべき資産が機構の資産とされていたもの
|
(1)
|
642件
|
4億0121万円
|
||
東会社管理分 | 400件
|
2億3818万円
|
|||
中会社管理分 | 173件
|
9050万円
|
|||
西会社管理分 | 69件
|
7251万円
|
|||
計
|
1,289件
|
24億0700万円
|
|||
ウ 土地の使用に係る権利関係について
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|||||
箇所数
|
金額
|
||||
機構と道路会社との間で、土地の所有者と使用者が一致していないもの
|
(2)
|
7箇所
|
584万円
|
||
(4)
|
6箇所
|
6367万円
|
|||
(5)
|
13箇所
|
2999万円
|
|||
計
|
26箇所
|
9952万円
|
本院では、道路関係4公団の民営化に伴う資産の承継・評価について、平成18年10月30日に、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」という。)の理事長並びに東日本高速道路株式会社(以下「東会社」という。)、首都高速道路株式会社(以下「首都会社」という。)、中日本高速道路株式会社(以下「中会社」という。)、西日本高速道路株式会社(以下「西会社」という。)、阪神高速道路株式会社(以下「阪神会社」という。)及び本州四国連絡高速道路株式会社(以下「本四会社」という。また、以下、これらの6会社を総称して「道路会社」という。)それぞれの代表取締役社長に対し、「民営化に伴う資産の承継・評価について」として、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を要求した。
これらの処置要求の内容は、機構及び道路会社の検査結果に応じたものとなっているが、これを総括的に示すと以下のとおりである。
日本道路公団、首都高速道路公団(以下「首都公団」という。)、阪神高速道路公団(以下「阪神公団」という。)及び本州四国連絡橋公団(以下、これらの4公団を総称して「公団」という。)は、30年以上にわたり高速道路を建設・管理するなどして社会資本を整備する役割を遂行してきた。
しかし、高速道路の整備のあり方について検討が行われた結果、16年6月に公布された日本道路公団等民営化関係法施行法(平成16年法律第102号。以下「施行法」という。)等の規定により、17年10月1日、公団は解散するとともに、高速道路に係る道路資産の保有、貸付け、債務の早期の確実な返済等を行うことなどを目的として機構が設立され、高速道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理を効率的に行うことなどを目的として道路会社が設立された。
ア 公団が保有する資産の機構及び道路会社への承継
公団から機構及び道路会社に承継させる資産に関する基本的な事項については、施行法第13条第1項の規定により国土交通大臣が定めた「日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団及び本州四国連絡橋公団の業務の引継ぎ並びに権利及び義務の承継に関する基本方針」(平成17年国土交通省告示第712号。以下「承継基本方針」という。)に定められている。承継基本方針では、原則として、高速道路に係る固定資産(以下「道路資産」という。)は機構に承継させることとされ、その管理は道路会社において実施することとされた。一方、道路会社の事業を適切かつ円滑に運営する上で必要な料金徴収施設等の固定資産は、道路会社に承継させることとされた。公団はこの承継基本方針を受け、民営化に先立ち、施行法第14条第3項の規定に基づき「業務の引継ぎ並びに権利及び義務の承継に関する実施計画書」(以下「承継実施計画」という。)を作成し、17年9月、国土交通大臣の認可を受けた。そして、公団の資産は、承継実施計画に基づいて機構又は道路会社に承継されることとなり、その承継区分は次のとおりとされた。
(ア)道路資産及び料金徴収施設
高速道路に係る道路区域に存する建物(管理事務所建物等)、構築物(土工、トンネル、橋りょう等)、土地等は、道路資産として機構が承継し、料金徴収施設である構築物、機械装置等は道路会社が承継する。
(イ)サービスエリア等
サービスエリア及びパーキングエリア(以下「サービスエリア等」という。)に存する資産のうち、道路管理上必要な駐車場、洗面所等に係る施設については機構が承継し、サービスエリア等における道路会社による自由な事業展開を可能にするために必要となる施設については道路会社が承継する。また、民営化以前は道路区域とされていたサービスエリア等の土地のうち、営業用施設や園地に係る部分については、原則として、公団において道路区域から除外するための変更を行った上で、道路会社が承継する。
(ウ)庁舎等
道路会社の事業運営上必要となる支社等の庁舎、工事事務所、職員宿舎等(以下「庁舎等」という。)は道路会社が承継する。
イ 機構及び道路会社が承継する資産の価額の算定
(ア)承継資産の評価方針
機構及び道路会社が承継する資産(以下「承継資産」という。)の価額については、機構及び道路会社の設立時における時価を基準として、国土交通大臣が任命した評価委員により構成された「高速道路株式会社及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構資産評価委員会」(以下「評価委員会」という。)が評価した価額とすることとされた。
そして、承継資産の時価評価方法については、原則として再調達原価方式を採用することとされた。再調達原価方式とは、資産を新たに取得する場合の金額(以下「再調達原価」という。)を算定し、これを基に耐用年数と経過年数に応じて減価償却した後の未償却残高を評価額とする方法である。
(イ)個々の承継資産の価額の算定方法
公団においては、道路資産に係る会計処理として、償還準備金積立方式と呼ばれる方法が採用されていた。この方式では、道路資産の減価償却及び除却を行わず、土地、構築物等について、個々の資産ごとの価額は把握されないものとなっていた。
一方、機構及び道路会社における会計処理に当たっては、減価償却及び除却を行うため、個々の資産ごとの価額を算定することが必要となった。
したがって、承継資産の価額は、個々の資産ごとに算定されることとなり、その方法は、前記の評価方針を踏まえ、次の方式により行われた。
〔1〕 標準的単金方式
個々の資産の当初の取得原価を把握できない構築物等については、近年の工事の実績を調査・集計して、資産の種類ごとに標準的な単位当たりの金額(以下「標準的単金」という。)を設定し、それぞれの数量を乗ずるなどして価額を算定する方式
〔2〕 デフレーター調整方式
個々の資産の当初の取得原価を把握できる構築物等については、「国土交通省所管土木工事費デフレーター」等のデフレーター(注) を使用するなどして価額を算定する方式
〔3〕 鑑定評価等による方式
土地、建物等の不動産について、原則として不動産鑑定士による鑑定評価もしくは鑑定評価に準じた方法(以下「鑑定評価等」という。)により価額を算定する方式
〔4〕 簿価方式
工具器具備品、料金徴収施設に係る機械装置等について、減価償却後の簿価により価額を算定する方式
(ウ)承継資産の価額の決定
承継資産の価額の決定に当たっては、道路会社が機構への承継資産も含めて、上記(イ)の算定方法に従って算定した。そして、機構は道路会社からの報告を基に、また、道路会社は自らの算定結果を基にして、承継資産の数量、価額を路線別、箇所別等に記載した評価調書及び評価内訳書(以下「評価調書等」という。)を作成して、評価委員会に提出した。
評価委員会の評価を経て決定された機構及び道路会社の承継資産の主な内訳は下表のとおりである。
表 機構及び道路会社の承継資産の価額
(単位:億円)
道路資産
|
料金徴収施設
|
サービスエリア等
|
庁舎等
|
その他
|
資産合計
|
|
機構
|
427,539
|
/
|
/
|
0
|
12,288
|
439,828
|
東会社
|
1,332
|
795
|
775
|
292
|
2,266
|
5,462
|
首都会社
|
1,595
|
448
|
4
|
396
|
917
|
3,363
|
中会社
|
2,407
|
486
|
1,104
|
299
|
2,041
|
6,339
|
西会社
|
689
|
751
|
727
|
260
|
2,509
|
4,938
|
阪神会社
|
595
|
337
|
7
|
101
|
401
|
1,443
|
本四会社
|
7
|
86
|
54
|
61
|
111
|
322
|
道路会社計
|
6,628
|
2,906
|
2,674
|
1,412
|
8,248
|
21,870
|
合計
|
434,167
|
2,906
|
2,674
|
1,413
|
20,537
|
461,699
|
注(1) | サービスエリア等の資産のうち、機構が承継した駐車場の土地や洗面所の建物等、道路区域に存するものについては道路資産としている。
|
注(2) | 道路会社の道路資産は高速道路の新設等のために投下した資本で、工事受注者又は地権者から引渡しがなされていないものである。
|
機構及び道路会社は、その設立時に公団から多額の資産を承継している。これらの資産は、今後の高速道路事業の運営を確実に実施するために必要な財産的基礎となるものであることから、正確性、合規性等の観点から、承継資産の価額が適切に算定されているか、資産の承継先は適切なものとなっているかなどに着眼して検査を実施した。
機構及び道路会社の評価調書等を基に、機構及び道路会社が承継した構築物、機械装置等について、鑑定評価書との照合を行ったり、現地確認を行ったりするなどの方法により検査した。
検査したところ、次のような事態が見受けられた。
承継資産の価額の算定及び算定結果の確認が十分に行われておらず、過大又は過小に算定されていたものが、次のとおり見受けられた。
ア 標準的単金方式により価額を算定した資産について
(ア)評価調書等の作成の際に資産の計上漏れがあったため、承継資産の価額が過小に算定されていたもの
西会社
|
構築物(料金所上屋)
|
2件
|
4413万余円(過小)
|
機構(首都会社管理)
|
構築物(浄化槽く体)
|
3件
|
2億3921万余円(過小)
|
機構(首都会社管理)
|
機械装置(浄化槽設備)
|
4件
|
998万余円(過小)
|
機構が首都公団より承継した資産で、首都会社が管理している八潮上りパーキングエリアほか2箇所の構築物(浄化槽く体)については、別に計上されている建物に含めて評価したものと誤認したため、評価調書等を作成する際に計上漏れとなり、2億3921万余円が過小に算定されていた。
(イ)誤った標準的単金を適用して資産を評価していたため、承継資産の価額が過大又は過小に算定されていたもの
首都会社
|
構築物(料金所上屋)
|
4件
|
57億5346万余円(過大)
|
首都会社
|
構築物(料金所ブース)
|
8件
|
8594万余円(過小)
|
首都会社
|
機械装置(防犯無線装置)
|
16件
|
9億4067万余円(過大)
|
首都会社が承継した空港中央料金所ほか1箇所における構築物(料金所上屋)評価額計59億3710万余円については、料金所上屋1m2 当たりの標準的単金(35万余円)を適用すべきところ、誤って料金所ブース1基当たりの標準的単金(775万余円又は2629万余円)又は料金所アイランド1組当たりの標準的単金(319万余円)を適用していたり、取得年月を誤って減価償却の計算を行っていたりして算定していた。このため、正しい標準的単金及び取得年月を基に評価額を算定すると計1億8363万余円となり、57億5346万余円が過大に算定されていた。
イ デフレーター調整方式により価額を算定した資産について
誤った取得年月によりデフレーター及び減価償却の計算を行っていたため、承継資産の価額が過大又は過小に算定されていたもの
機構(阪神会社管理)
|
機械装置(自家発電設備)
|
1件
|
1120万余円(過小)
|
機構(阪神会社管理)
|
機械装置(防災設備ほか2装置)
|
3件
|
841万余円(過大)
|
機構が阪神公団より承継した資産で、阪神会社が管理している湊町パーキングエリアにおける機械装置(自家発電設備)評価額258万余円については、取得年月を昭和45年3月として、取得価額にデフレーターを乗ずるなどして再調達原価を求め、これに減価償却の計算を行って算定している。しかし、上記資産の正しい取得年月は平成14年3月であり、これにより評価額を算定すると1379万余円となり、1120万余円が過小に算定されていた。
ウ 鑑定評価等による方式により価額を算定した資産について
(ア)誤った数量集計に基づいて鑑定評価等を行ったため、承継資産の価額が過大又は過小に算定されていたもの
東会社
|
土地
|
19箇所
|
2530万余円(過大)
|
東会社
|
土地
|
11箇所
|
689万余円(過小)
|
中会社
|
土地
|
8箇所
|
1284万余円(過大)
|
中会社
|
土地
|
5箇所
|
447万余円(過小)
|
西会社
|
土地
|
6箇所
|
4508万余円(過大)
|
西会社
|
土地
|
6箇所
|
1100万円(過小)
|
本四会社
|
土地
|
8箇所
|
1090万円(過大)
|
本四会社
|
土地
|
1箇所
|
30万円(過小)
|
本四会社
|
建物
|
1箇所
|
12万余円(過大)
|
本四会社
|
建物
|
6箇所
|
269万余円(過小)
|
東会社が承継した友部下りサービスエリアほか29箇所における休憩施設や園地に係る土地(面積計270,760m2 )評価額計98億7571万余円については、サービスエリア等の箇所ごとに集計した面積により鑑定評価等を行って評価額を算定している。しかし、鑑定評価等の対象となる土地面積の集計等を誤っていたため、友部下りサービスエリアほか18箇所について2530万余円(面積計6,977.70m2 )が過大に算定され、横須賀下りパーキングエリアほか10箇所について689万余円(面積計3,626.40m2 )が過小に算定されていた。
(イ)箇所ごとに一体として評価された鑑定評価等の額を個々の資産の価額に配分する際の計算等を誤ったため、承継資産の価額が過大又は過小に算定されていたもの
東会社 庁舎等1箇所の建物 | 1390万余円(過小)
|
中会社 サービスエリア等42箇所の構築物 | 1億6557万余円(過小)
|
西会社 庁舎等19箇所の土地、建物及び構築物 | 12億2250万余円(過大)
|
西会社 庁舎等103箇所の土地、建物及び構築物 | 18億4569万余円(過小)
|
西会社 サービスエリア等4箇所の建物 | 1億5995万余円(過大)
|
西会社 サービスエリア等2箇所の構築物 | 2462万余円(過小)
|
機構(東会社管理) 料金所6箇所の建物 | 4695万余円(過大)
|
機構(東会社管理) 料金所12箇所の建物 | 1億9857万余円(過小)
|
西会社が承継した中国支社緑井庁舎ほか121箇所における土地、建物及び構築物評価額計188億3807万余円については、各庁舎等の箇所ごとに土地、建物及び構築物を一体として鑑定評価等を行っている。そして、鑑定評価等の額を個々の資産(減価償却及び除却を行う単位となる資産)に配分し、それぞれの資産の評価額を算定している。しかし、鑑定評価等の額を個々の資産に配分する際の計算等を誤ったため、中国支社緑井庁舎ほか18箇所については12億2250万余円が過大に算定され、広島技術事務所ほか102箇所については18億4569万余円が過小に算定されていた。
エ 簿価方式により価額を算定した資産について
評価調書等の作成の際に資産の計上漏れや二重計上等があったため、承継資産の価額が過大又は過小に算定されていたもの
中会社
|
工具器具備品(事務機器等)
|
71件
|
4848万余円(過大)
|
本四会社
|
構築物(プランター等)
|
3件
|
55万余円(過大)
|
本四会社
|
構築物(立入防止柵)
|
1件
|
10万余円(過小)
|
中会社が承継した御殿場管理事務所ほか10箇所における工具器具備品(事務機器等)142件、評価額計9697万余円については、評価調書等を作成する際に同じ資産の価額を二重に計上していたため、71件、4848万余円が過大に算定されていた。
東会社、中会社、西会社管内のサービスエリア等全750箇所(東会社293箇所、中会社173箇所、西会社284箇所)における資産のうち、個々の施設の機能や現況についての把握が十分に行われておらず、構築物等の償却資産の承継先が適切でないものが、次のとおり見受けられた。
ア 機構が承継すべき構築物等が道路会社の資産とされていたもの
東会社
|
78箇所
|
構築物等
|
130件
|
1億9874万余円
|
中会社
|
119箇所
|
構築物等
|
376件
|
9億3178万余円
|
西会社
|
118箇所
|
構築物等
|
141件
|
8億7525万余円
|
東会社管内の田山下りパーキングエリア及び湯瀬上りパーキングエリアにおける洗面所の建物及び建物付属設備(評価額計4231万余円)は、道路管理上必要な施設であるため機構が承継すべきものであるが、東会社の資産とされていた。
イ 道路会社が承継すべき構築物等が機構の資産とされていたもの
東会社管理分
|
223箇所
|
構築物等
|
400件
|
2億3818万余円
|
中会社管理分
|
80箇所
|
構築物等
|
173件
|
9050万余円
|
西会社管理分
|
67箇所
|
構築物等
|
69件
|
7251万余円
|
東会社管内の大谷下りパーキングエリアほか118箇所における店舗や園地の利用者のために設置されている照明設備(評価額計6272万余円)は、東会社が承継すべきものであるが、機構の資産とされていた。
東会社、中会社、西会社管内のサービスエリア等における資産のうち、土地の使用状況についての把握が十分に行われておらず、土地の使用に係る権利関係が整理されていないままとなっているものが、次のとおり見受けられた。
すなわち、東会社、中会社、西会社が保有する計666箇所のサービスエリア等の土地のうち、東会社7箇所(土地面積計112.88m2
、評価額計584万余円)、中会社6箇所(同390.60m2
、同6367万余円)、西会社13箇所(同806.56m2
、同2999万余円)の計26箇所(同1,310.04m2
、同9952万余円)において、機構に帰属させるべき駐車場等が造成されていて、土地の所有者と使用者が一致していない状態となっているのに、土地の使用に係る権利関係が整理されないままとなっていた。
また、上記666箇所のうち東会社260箇所、中会社156箇所、西会社234箇所、計650箇所においては、機構が承継した施設(駐車場照明等)が道路会社の承継した土地にあったり、道路会社が承継した施設(ごみ仮置場等)が機構の承継した土地にあったりしているものも見受けられた。
前記のように、承継資産の価額が過大又は過小に算定されていたり、資産の承継先が適切でなかったりなどしている事態は適切でなく、是正改善の要があると認められる。
このような事態が生じているのは、資産の評価や承継区分の作業が膨大であったことにもよるが、機構及び道路会社において、次のことなどによると認められる。
〔1〕 承継資産の価額を算定するに当たり、その算定及び算定結果の確認に係る事務処理を適切に行う体制が十分でなかったこと
〔2〕 資産の承継先を機構と道路会社に区分し、機構と道路会社との間で生じた土地の使用に係る権利関係を整理するに当たり、個々の施設の機能や現況等についての把握に係る事務処理を適切に行う体制が十分でなかったこと
機構及び道路会社に対しては、将来にわたって国民共有の財産となる高速道路について、今後新設等により取得する資産も含め、適切に把握・管理するとともに、事業の効率化と高速道路利用者が享受する利便性等の維持・向上の両立を適切に図った上で、債務の返済を早期に確実に達成することが求められている。
ついては、機構及び道路会社において、資産の価額を修正し、資産の承継先を適切なものとする措置を講じ、正確な資産の価額を計上した財務諸表を作成するなどするとともに、今後とも、新たに取得する資産についても、その把握・管理が適切に行われるよう、決算及び資産管理に係る事務処理を適切に行うための体制の整備を図る要があると認められる。
上記の是正改善を必要とする事態を機構及び道路会社別に示すと、次のとおりである。
(1)承継資産の価額の算定について
過大
|
過小
|
|
東会社管理の機構資産
|
4695万余円
|
1億9857万余円
|
首都会社管理の機構資産
|
—
|
2億4919万余円
|
阪神会社管理の機構資産
|
841万余円
|
1120万余円
|
計
|
5537万余円
|
4億5898万余円
|
(2)資産の承継先について
ア 機構が承継すべき構築物等が道路会社の資産とされていたもの
件数
|
金額
|
|
東会社資産 | 130件
|
1億9874万余円
|
中会社資産 | 376件
|
9億3178万余円
|
西会社資産 | 141件
|
8億7525万余円
|
計
|
647件
|
20億0579万余円
|
イ 道路会社が承継すべき構築物等が機構の資産とされていたもの
東会社管理の機構資産
|
400件
|
2億3818万余円
|
中会社管理の機構資産
|
173件
|
9050万余円
|
西会社管理の機構資産
|
69件
|
7251万余円
|
計
|
642件
|
4億0121万余円
|
(3)土地の使用に係る権利関係について
機構と道路会社との間で、土地の所有者と使用者が一致していないもの
箇所数
|
金額
|
|
東会社資産 | 7箇所
|
584万余円
|
中会社資産 | 6箇所
|
6367万余円
|
西会社資産 | 13箇所
|
2999万余円
|
計
|
26箇所
|
9952万余円
|
(1)承継資産の価額の算定について
過大
|
過小
|
|
会社資産
|
2530万余円
|
2079万余円
|
(会社管理の機構資産
|
4695万余円
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1億9857万余円)
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(2)資産の承継先について
ア 機構が承継すべき構築物等が道路会社の資産とされていたもの
件数
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金額
|
|
会社資産
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130件
|
1億9874万余円
|
イ 道路会社が承継すべき構築物等が機構の資産とされていたもの
(機構資産
|
400件
|
2億3818万余円)
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(3)土地の使用に係る権利関係について
機構と道路会社との間で、土地の所有者と使用者が一致していないもの
箇所数
|
金額
|
|
会社資産
|
7箇所
|
584万余円
|
(1)承継資産の価額の算定について
過大
|
過小
|
|
会社資産
|
66億9414万余円
|
8594万余円
|
(会社管理の機構資産
|
—
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2億4919万余円)
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(1)承継資産の価額の算定について
過大
|
過小
|
|
会社資産
|
6132万余円
|
1億7005万余円
|
(2)資産の承継先について
ア 機構が承継すべき構築物等が道路会社の資産とされていたもの
件数
|
金額
|
|
会社資産
|
376件
|
9億3178万余円
|
イ 道路会社が承継すべき構築物等が機構の資産とされていたもの
(機構資産
|
173件
|
9050万余円)
|
(3)土地の使用に係る権利関係について
機構と道路会社との間で、土地の所有者と使用者が一致していないもの
箇所数
|
金額
|
|
会社資産
|
6箇所
|
6367万余円
|
(1)承継資産の価額の算定について
過大
|
過小
|
|
会社資産
|
14億2754万余円
|
19億2545万余円
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(2)資産の承継先について
ア 機構が承継すべき構築物等が道路会社の資産とされていたもの
件数
|
金額
|
|
会社資産
|
141件
|
8億7525万余円
|
イ 道路会社が承継すべき構築物等が機構の資産とされていたもの
(機構資産
|
69件
|
7251万余円)
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(3)土地の使用に係る権利関係について
機構と道路会社との間で、土地の所有者と使用者が一致していないもの
箇所数
|
金額
|
|
会社資産
|
13箇所
|
2999万余円
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(1)承継資産の価額の算定について
過大
|
過小
|
|
(会社管理の機構資産
|
841万余円
|
1120万余円)
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(1)承継資産の価額の算定について
過大
|
過小
|
|
会社資産
|
1158万余円
|
309万余円
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