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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 平成18年10月

社会保障費支出の現状に関する会計検査の結果について


第1 検査の背景

1 検査の要請の内容

 会計検査院は、平成17年6月8日、参議院から、下記事項について会計検査を行い、その結果を報告することを求める要請を受けた。

一、会計検査及びその結果の報告を求める事項

(一)検査の対象

厚生労働省

(二)検査の内容

社会保障給付費(医療・福祉)についての次の各事項

1 医療保険及び介護保険の財政状況

2 保険給付の状況

3 医療費の地域格差の状況

4 認定率、サービス内容等を含めた介護保険の地域格差の状況

5 生活保護の地域格差の状況

2 平成15年度決算審査措置要求決議の内容

 参議院決算委員会は、17年6月7日に検査を要請する旨の上記の決議を行っているが、同日に「平成15年度決算審査措置要求決議」を行っている。
 このうち、上記検査の要請に関連する項目の内容は、以下のとおりである。

23 社会保障費の地域格差について

 国民医療費は、近年、横ばい傾向にあるものの、その額は30兆円を超え、多額に上っている。医療費の伸びの最大の要因は老人医療費の増加であるが、1人当たりの老人医療費については最大と最小の都道府県で約1.5倍の格差が存在している。
 市町村が保険者となっている介護保険においても、毎年給付費が増大しており、また、都道府県別に見ると、第1号被保険者1人当たりの支給額に約2倍の地域格差が生じている。このほかにも、人的要因を含めたサービスの供給体制等についても、地域格差が生じているといった問題も指摘されている。
 以上のことから、政府及び会計検査院は、地域ごとの事情を十分配慮しつつ、社会保障における地域間の財政状況・給付状況について調査・検討及び会計検査を行う必要がある。

 検査の要請は、前記のとおり、社会保障給付費(医療・福祉)に関する5事項であるが、これを医療保険等、介護保険、生活保護の各項目に分けて検査を行った。