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  • 平成20年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 農林水産省|
  • 不当事項|
  • 補助金

補助対象事業費を過大に精算しているもの及び補助の対象とならないもの食品製造工程管理技術力高度化促進事業の補助対象事業費を過大に精算するなどしているもの


(7) 補助対象事業費を過大に精算しているもの及び補助の対象とならないもの

1件 不当と認める国庫補助金 41,006,812円

食品製造工程管理技術力高度化促進事業の補助対象事業費を過大に精算するなどしているもの

(1件 不当と認める国庫補助金 41,006,812円)

  部局等 補助事業者等 間接補助事業者等 補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(413) 農林水産本省 社団法人日本食品衛生協会
(事業主体)
食品製造工程管理技術力高度化促進事業 15〜19 354,316 354,316 41,006 41,006
 この補助事業は、社団法人日本食品衛生協会(以下「協会」という。)が、中小食品製造事業所等においてHACCP(注) に係る取組を的確に指導できる人材を育成するなどのため、衛生・品質管理を担当する者等を対象に、HACCPシステムの基礎等を学ぶ研修を行うものである。研修は、協会本部が中心となり、研修開催地において、当該都道府県等に設置されている協会の支部等の協力の下に実施されている。
 そして、協会は、本件補助事業を、平成15年度から19年度までの間に計354,316,000円(国庫補助対象事業費同額)で実施したとして、農林水産本省に実績報告書を提出して、これにより同額の国庫補助金の交付を受けていた。
 しかし、協会は、次のような補助の対象とは認められない経費(アからオまでの合計41,006,812円)を本件補助対象事業費に含めていた。
ア 本件補助事業を実施するための事務所は、協会が所有する本部ビル内に設置されていることから、発生することがあり得ない事務所の賃借料等
計17,603,281円
イ 研修の事務経費のうち、使用されていなかった経費
計2,300,000円
ウ 研修の事務経費のうち、領収書等による支払の事実の裏付けがないなど、本件補助事業に係る経費であることの確認ができない経費
計4,411,795円
エ 本件補助事業の実施に関係がない什器等に係る経費
計2,483,987円
オ 補助金の交付決定等の前に農林水産本省の了解を得ることなく事業に着手したことに係る協会本部の人件費等
計14,207,749円
 したがって、適正な国庫補助対象事業費は、計313,309,188円となり、前記の国庫補助対象事業費計354,316,000円との差額計41,006,812円が過大に精算されるなどしていて、これに係る国庫補助金相当額計41,006,812円が不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、協会において、補助事業の適正な実施についての認識が欠けていたこと、同省において、本件補助事業の審査、確認及び協会に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
 HACCP  食品のすべての製造工程で、あらかじめ危害を予測し、危害防止につながるポイントで継 続的に監視・是正することにより、問題のある製品の出荷を未然に防止する管理手法