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  • 平成20年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第14 防衛省|
  • 平成19年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

廃電池の管理について


(1) 廃電池の管理について

平成19年度決算検査報告 参照)

1 本院が要求した適宜の処置

 海上自衛隊は、潜水艦救難母艦等に搭載されている深海救難艇等に電力を供給するために銀電池を使用している。そして、銀電池が使用済みなどになった場合には、その廃電池から粗銀を回収して、この粗銀を精製した精製銀を銀電池製作時の官給品として使用するが、廃電池から回収が見込まれる粗銀の精製銀換算量が、5か年分の官給所要量を超えた場合には、超えた量に相当する廃電池について、年度処分計画を定めて売り払うこととしている。しかし、年間の官給所要量から推計すると、粗銀及び精製銀は約10か年分に相当する量が、また、廃電池から回収が見込まれる粗銀は約17か年分に相当する量がそれぞれ舞鶴地方総監部等に保管されていて、保管量が5か年分の官給所要量を大幅に超えているにもかかわらず、廃電池の売払いが行われていない事態が見受けられた。
 したがって、海上自衛隊補給本部において、粗銀、精製銀及び廃電池の保管状況を勘案した銀回収サイクルを十分に検討した上で、5か年分の官給所要量を超える廃電池について全体保管数を対象とした処分計画を作成するなどして、これらの廃電池を速やかに売り払う処置を講ずるよう、海上自衛隊補給本部長に対して平成20年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求した。

2 当局の処置状況

 本院は、補給本部及び舞鶴地方総監部において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、補給本部は、本院指摘の趣旨に沿い、21年8月に深海救難艇及び人員移送用カプセル用廃電池の一部の売払いを行うとともに、同年3月に行おうとした魚雷用廃電池の売払いについては、契約の締結に至らなかったことから、舞鶴地方総監部の関係部署と入札不調の原因を分析して、同年12月までに、廃電池の売払規模や銀回収可能量の調査を行い、併せて各地方総監部地区における売払いの実施の可否を検討した上で、同年中に廃電池の中期的な処分計画を策定するなどして、22年以降に廃電池の処分の促進を図ることとしている。