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  • 平成22年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 経済産業省|
  • 平成21年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

独立行政法人中小企業基盤整備機構が保有している第2種信用基金の規模等について


(5) 独立行政法人中小企業基盤整備機構が保有している第2種信用基金の規模等について

1 本院が表示した意見

 独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下「機構」という。)は、経済産業大臣等から事業計画の認定を受けた事業者又は法律に基づく事業に対して、民間金融機関からの借入等による事業資金を円滑に調達するために、第2種信用基金による債務保証を実施しており、当該債務保証業務のための原資として、政府から出資金を受けるなどしている。しかし、同基金による事業再構築円滑化等債務保証等の利用が極めて低調となっていて、政府出資金等を財源としている同基金が有効に活用されていない事態が見受けられた。
 したがって、経済産業省及び機構において、債務保証の利用実態を分析するなどした上で、債務保証制度の所期の目的が達成されるための方策を検討し、今後も利用の増大が見込めない場合は、利用実態に応じた事業規模となるように、基金の額を適切に見直すよう、経済産業大臣に対して平成22年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局の処置状況

 本院は、経済産業本省及び機構本部において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、経済産業省は、本院指摘の趣旨に沿い、債務保証制度の改善点を把握するために金融機関等の制度の利用者から意見を聴取した上で、利用者のニーズを踏まえた制度改善策を検討し、23年1月に機構に対して債務保証制度の運用改善について指導・助言するとともに、「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法」(平成11年法律第131号)の改正(23年7月1日施行)に伴い、第2種信用基金による債務保証の対象に事業革新新商品生産設備導入計画に係る債務保証を追加するなどの処置を講じていた。
 一方、機構は、上記の指導・助言を受け、要領等の改正を行って、審査期間の短縮を図ったり、事業者や金融機関の事務手続の簡素化を図ったりするなどして、制度の利用促進を図る処置を講じていた。
 そして、機構は、同年3月に第2期中期計画を変更し、同計画において、事業再構築円滑化等債務保証について、23年度末までの実績を踏まえ、それ以降の制度利用見込みを把握することとし、その結果、必要な場合には基金規模の見直しを行い、不要額について国庫納付することとしている。