(平成21年度決算検査報告 参照)
国立大学法人東北大学、国立大学法人東京学芸大学、国立大学法人東京芸術大学及び国立大学法人琉球大学(以下、これらを合わせて「4国立大学法人」という。)は、教育研究等の業務を確実に実施するために必要であるとして、国から土地や建物を承継している。しかし、具体的な処分計画又は利用計画を策定しないまま、利用していない土地等や利用が低調である施設を保有している事態が見受けられた。
したがって、4国立大学法人において、利用していない土地等について今後も引き続き保有することに合理的な理由が存在するか否かを検討して、当該土地等を保有することに合理的な理由が存在しない場合には、当該土地等について具体的な売却等の処分計画を策定し、合理的な理由が存在する場合には、具体的な当該土地等の利用計画を策定するなどして、当該資産の有効活用を図るよう、4国立大学法人の各学長に対して平成22年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。
本院は、4国立大学法人に対して、その後の処置状況についての報告を求めて、その報告内容を確認するなどの方法により検査を行った。
検査の結果、国立大学法人東北大学、国立大学法人東京学芸大学及び国立大学法人琉球大学は、本院指摘の趣旨に沿い、プロジェクト・チームを設置するなどして、利用していない土地等を今後も引き続き保有する合理的な理由の有無や保有する場合の具体的な当該土地等の利用方法等についての検討を行っていた。そして、23年2月から6月までの間に具体的な利用計画等を策定して、引き続き保有することに合理的な理由が存在しない土地については、当該土地について処分に向けた手続を進めるとともに、合理的な理由が存在する土地等については、利用していなかった一部の土地について利用を開始したり、利用が低調な一部の施設について利用の向上を図るための施策を実施したりなどして、当該資産の有効活用を図る処置を講じていた。
また、国立大学法人東京芸術大学は、利用していない土地等を今後も引き続き保有する合理的な理由の有無の検討を行っていたものの、取手団地の土地については、23年度中に当該土地の具体的な利用計画の策定を行う予定であるとしている。