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  • 平成23年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第13 防衛省|
  • 平成22年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

一般輸入により調達する部品等の予定価格の算定等について


(4) 一般輸入により調達する部品等の予定価格の算定等について

平成22年度決算検査報告参照

1 本院が表示した意見

 防衛省の調達実施機関は、一般輸入により部品等を調達するに当たり、商社等を通じて外国製造会社等から提出させた見積資料に基づき予定価格を算定し、入札を実施するなどして、商社等との間で輸入品等売買契約等を締結している。しかし、調達実施機関において、商社等が部品等の代金を支払った後に外国製造会社等から取次手数料を受け取っていることを把握していないため、取次手数料を含んだ品代を基準として予定価格を算定していたり、独自品、標準品等の部品等の種類、取引の形態等に応じた予定価格の算定や契約の方法を検討していなかったり、品代に疑義が生じた場合に契約条項に基づく原価の調査を実施していなかったりする事態が見受けられた。
 したがって、防衛省において、各契約における調査項目を明確に定めるなどして、一般輸入調達における取引の実態の把握に努めたり、算定基準訓令等を見直し取次手数料の取扱いを明確に定めたり、契約金額に疑義が生じた場合の原価の調査等の取扱いを規則等に定めたり、調達する部品等の種類、取引の形態等に応じた予定価格の算定方法や、国内製造会社と外国製造会社との間で直接売買契約が可能な場合これを実施するなどの契約の方法を検討したりして、予定価格の算定等が適切に行われるよう、防衛大臣に対して平成23年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局の処置状況

 本院は、防衛省内部部局及び装備施設本部において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、防衛省は、本院の指摘の趣旨に沿い、一般輸入調達における競争性の促進や取引実態の把握を図りつつ、適正かつ効率的な調達に努めるために、20年度から一般輸入調達に関係する商社等を対象に行っている輸入調達調査において、22年度までの調査項目に加え、費用の実際の計上方法を元帳、総勘定元帳、有価証券報告書等から確認するよう調査項目を明確に定め、23年9月から同調査を実施した結果、調査対象7社のうち3社について、外国製造会社から代理店手数料又はこれに類似する費用の受渡しがあることを確認したが、この受渡しは包括的な額が把握できたにとどまり、個々の輸入品の品代との関連性を確認するまでには至っていない。
 このため、輸入調達調査の実施について契約条項に規定することにより調査の実効性を確保することを検討するなどして引き続き取引の実態把握に努めるとともに、算定基準訓令等の見直しや契約金額に疑義が生じた場合の原価の調査等の取扱いを規則等に定めたり、調達する部品等の種類、取引の形態等に応じた予定価格の算定方法や国内製造会社と外国製造会社との直接売買契約を締結するなどの契約の方法を検討したりすることについては、上記により取引の実態を把握した上で検討することとしている。