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  • 平成25年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第2節 団体別の検査結果 |
  • 第29 独立行政法人国立環境研究所 |
  • 不当事項 |
  • 役務

公開シンポジウムの開催に係る業務請負契約において、予定価格の積算に当たり、業者から徴した参考見積書の価格と異なる価格を誤って用いたため、契約額が割高となっていたもの[独立行政法人国立環境研究所](398)


科目
研究業務費
部局等
独立行政法人国立環境研究所
契約名
独立行政法人国立環境研究所公開シンポジウム2013の開催及び記録映像制作に関する業務
契約の概要
独立行政法人国立環境研究所が主催する公開シンポジウム2013の開催に関する業務を行うなどのもの
契約の相手方
株式会社ステージ
契約
平成24年12月 一般競争契約
契約額
9,840,600円(平成24年度)
割高となっていた契約額
310万円(平成24年度)

1 契約の概要

独立行政法人国立環境研究所(以下「研究所」という。)は、環境問題に関する研究成果を国民に普及・還元することを目的として、毎年6月の環境月間に、東京等の2都市で公開シンポジウムを開催している。そして、平成25年の公開シンポジウムの開催に伴い必要となる進行管理、実施マニュアルの作成、ホームページの作成・更新等の業務について、24年12月に一般競争契約により株式会社ステージと業務請負契約を締結しており、業務完了後の25年10月に契約額9,840,600円を支払っている。

研究所は、本件業務請負契約の予定価格の積算に当たり、業務に係る費用について、所要の人日数に研究所が職種ごとに定めた1日当たりの人件費単価を乗ずるなどして算定している。一方、所要の人日数を把握していないホームページの作成・更新等の業務に係る費用については、業者から徴した参考見積書の価格(以下「見積価格」という。)をそのまま用いることにしている。

2 検査の結果

本院は、経済性等の観点から、予定価格の積算が適切に行われているかなどに着眼して、本件業務請負契約を対象として、研究所において、契約関係書類等により会計実地検査を行った。

検査したところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。
研究所は、予定価格の積算に当たり、ホームページの作成・更新に係る費用を、見積価格を用いたとして3,000,000円としていた。

しかし、実際は上記の業務に係る見積価格は300,000円となっており、研究所は、これを誤って3,000,000円として予定価格を積算していた。

したがって、ホームページの作成・更新に係る費用について、見積価格である300,000円を用いて予定価格を修正計算すると6,657,748円となり、本件契約額9,840,600円はこれに比べて約310万円割高となっていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、研究所において、予定価格の積算に当たっての審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。