ページトップ
  • 昭和29年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第12 労働省

(失業保険特別会計)


 (失業保険特別会計)

 昭和29年度の損益の状況は、利益の部、保険料収入等383億3千4百余万円、損失の部、保険金等377億8千6百余万円で差引5億4千8百余万円の利益となるが、本年度中に保険金財源に不足を生じたため積立金から13億5000万円を受け入れているので、これを考慮すると実質上は8億1百余万円の欠損となる。したがって、年度末における繰越利益金の総額は前年度末の285億2千2百余万円に比べ減少して277億2千余万円となっている。
 このような欠損を生じたおもな原因は、失業保険金受給者数の月平均が前年度44万9000人に対し本年度は60万人と著しく増加した結果によると認められる。
 なお、本特別会計について注意を要する点をあげると、(ア)保険給付について給付の適正を欠いている事例があり、(イ)保険料等の既往年度分の収納未済額が12億5千2百余万円の多額に達しており、(ウ)保険料等の徴収決定さえしていないものが生じているから、これらに対しては適切な対策を講ずることが望ましい。