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  • 昭和36年度|
  • 第2章 国の会計|
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土地の売渡価額が低廉と認められるもの


(163) 土地の売渡価額が低廉と認められるもの

(一般会計) (部)政府資産整理収入 (款)国有財産処分収入 (項)国有財産売払収入

 関東財務局横浜財務部横須賀出張所で、昭和37年3月、随意契約により神奈川県に横須賀市所在元第一海軍技術廠天神工員宿舎の土地1,166.55坪を価額4,646,000円で売り渡しているが、売渡評定価格の決定にあたり、その一部について国有財産特別措置法(昭和27年法律第219号)の規定の適用を誤ったため、売渡価額が約130万円低額となっていると認められる。
 本件土地は、同出張所が建物6むね730坪とともに21年以降居住者に貸し付けてきたものであるが、36年8月、住宅地区改良法(昭和35年法律第84号)の規定により建設大臣から改良地区としての指定を受けたので、神奈川県において、上記建物を取りこわして新たに中層耐火構造4階建住宅3むね(改良住宅2むね、公営住宅1むね)を建設することとし、同年10月、同出張所に本件土地、建物の払下げを申請してきたもので、これに対し、同出張所では、上記建設予定の住宅は住宅地区改良法に基づく改良住宅または公営住宅法(昭和26年法律第193号)に基づく公営住宅であり、かつ、これらに従前の建物の居住者を収容するものであるとして国有財産特別措置法第6条の2第1項の規定を適用し、建物は無償で同県に譲与し、土地はその全面積1,166.55坪を建設省で定めた36年度用地取得造成費に相当する価額4,646,000円で売り渡したものである。

 しかしながら、公営住宅法に基づき建設するものとした上記公営住宅1むねは、神奈川県が35年6月建設大臣に提出した36年度以降3箇年の公営住宅建設計画および36年10月建設大臣が認可した本件住宅地区改良事業計画のいずれにも含まれておらず、かつ、従前の居住者は上記改良住宅に収容することとなっていてこの公営住宅には収容することとはなっていないものであるから、本件公営住宅は国有財産特別措置法第6条の2第1項の規定に該当しないものであるのに、その敷地についてもこの規定を適用したのは妥当でなく、一般の公営住宅建設用地として国有財産特別措置法第3条第1項の規定により時価額から4割減額した価額で売り渡すのが相当と認められる。
 いま、仮に本件土地1,166.55坪のうち、改良住宅2むねを建設するための適正規模752.94坪については36年度用地取得造成費相当額2,576,186円で売り渡すものとし、残りの土地413.61坪については時価額から4割減額した価額で売り渡すこととして時価額坪当り13,880円(当局評価額)を基として売渡価額を算定すると3,444,544円となり、この合計額6,020,730円に比べて本件売渡価額は約130万円低額となる計算である。