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  • 昭和38年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項

日本放送協会


第28 日本放送協会

 日本放送協会の昭和38事業年度末資本は200億円で前事業年度末に比べて50億円増加しているが、これは積立金からの組入れがあったためである。

 38事業年度の放送網建設計画は、ラジオにおいては東京超大電力放送局の建設を行なうほか、放送局10局の新設、7局の増力、3局の第2放送の増設およびFM放送局17局の建設、テレビジョンにおいては総合テレビジョン局35局、教育テレビジョン局62局の建設を完成することとしているが、前事業年度計画の繰越しを含めた建設実績は、ラジオにおいては超大電力放送として東京第2放送を100キロワットから300キロワットに増力したほか、放送局11局の新設、10局の増力、6局の第2放送の増設、FM放送局4局の建設、テレビジョンにおいては総合テレビジョン局48局、教育テレビジョン局61局の建設を完成した。この結果、事業年度末では、ラジオにおいては第1放送166局(カバレージ99.7%)、第2放送125局(カバレージ98.1%)となり、テレビジョンにおいては総合放送162局(カバレージ87%)、教育放送152局(カバレージ86%)となった。

 また、演奏所整備計画においては、オリンピック放送実施体制の確立をはかるとともに、放送規模の拡大と番組の多様化に対処するため、新たにテレビジョン、ラジオを総合した放送センターを42事業年度末完了を目途として整備することとし、その第1期工事として工事費予定額166億3872万余円で着工し、38事業年度末までに57億7536万余円を支出している。

 しかして、38事業年度の建設費の決算額はラジオ、テレビ放送網建設費56億4999万余円、演奏所整備費89億2065万余円、その他放送設備整備費等48億2810万余円計193億9875万余円で、前事業年度の決算額149億0762万余円に比べて44億9113万余円増加している。

 受信契約件数は、契約甲(すべての種類の放送の受信についての契約)において事業年度当初1337万余件に対して事業年度末には1566万余件に増加し、契約乙(ラジオ放送だけの受信についての契約)において事業年度当初510万余件に対して事業年度末には370万余件に減少している。

 38事業年度の所要資金711億6050万余円については、受信料収入590億2220万余円、債券発行による収入金58億4056万円等を充当している。

 38事業年度の損益は、事業収入601億2372万余円に対し、事業支出498億7904万余円であり、資本支出充当82億5290万余円、当期剰余金19億9177万余円となっていて、前事業年度に比べると、事業収入で97億0178万余円、事業支出で66億5405万余円、資本支出充当で27億0961万余円、当期剰余金で3億3811万余円増加している。