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雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給が適正でなかったもの


(165) 雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給が適正でなかったもの

会計名及び科目 労働保険特別会計(雇用勘定) (項)雇用安定等事業費
部局等の名称 茨城県ほか8都県(支給庁)
日立公共職業安定所ほか18公共職業安定所(支給決定庁)
支給の相手方 21事業主
特定求職者雇用開発助成金の支給額の合計 109,099,025円
不適正支給額 37,138,353円

 特定求職者雇用開発助成金の支給決定に当たり、事業主からの申請に対する調査確認が十分でなかったため、上記の21事業主に対して37,138,353円が不適正に支給されていた。これらについては、本院の指摘により、すべて返還の処置が執られた。

1 保険給付の概要

(特定求職者雇用開発助成金)

 特定求職者雇用開発助成金は、雇用保険(前掲の「雇用保険の失業給付金の支給が適正でなかったもの」参照 )で行う事業のうちの雇用安定事業の一環として、55歳以上(注1) 65歳未満の高年齢者など就職が特に困難な者(以下「特定求職者」という。)の雇用機会の増大を図るため、特定求職者を雇用した事業主に対して、当該雇用労働者に支払った賃金の額の一部を支給するものである。

(特定求職者雇用開発助成金の支給)

 この助成金は、事業主が特定求職者を公共職業安定所の紹介により新たに常用労働者として雇い入れたことなどを支給要件としている。その支給対象期間は雇入れ後1年(重度の身体障害者などについては1年6箇月)、また、支給額は支給対象期間に支払った賃金に所定の支給率(注2) を乗じて得た額となっている。そして、公共職業安定所が、事業主から提出された申請書に記載されている当該雇用労働者の氏名、生年月日、雇用年月日、支払賃金額等を審査して支給を決定し、これに基づいて、各都道府県が支給することとなっている。

(注1)  55歳以上 昭和62年7月1日から平成元年3月31日までの間は暫定措置として45歳以上となっている。

(注2)  所定の支給率高年齢者の場合の支給率は1/4(中小企業事業主の場合は1/3)であるが、昭和62年4月1日から平成元年3月31日までの間は暫定措置として1/2(中小企業事業主の場合は2/3)となっている。

2 検査の結果

(検査の対象)

 北海道ほか24都府県(支給決定庁 札幌公共職業安定所ほか198公共職業安定所)から特定求職者雇用開発助成金の支給を受けた事業主のうち、1,559事業主(支給額5,169,727,757円)を対象として、公共職業安定所における特定求職者雇用開発助成金の支給決定の適否について検査した。

(不適正支給の事態)

 検査したところ、茨城県ほか8都県で、21事業主に対する支給(支給額109,099,025円)について37,138,353円が不適正に支給されていた。これは、日立公共職業安定所ほか18公共職業安定所において、事業主が誠実でなかったなどして、既に雇用している者を新たに雇用したこととしているなど申請書の記載内容が事実と相違していたのに、これに対する調査確認が十分でないまま支給の決定を行っていたことなどによるものである。
 なお、これらの不適正支給額については、本院の指摘により、すべて返還の処置が執られた。
 これらの不適正支給額を都県別に示すと次のとおりである。

都県名 公共職業安定所 本院が調査した事業主数 不適正受給事業主数 左の事業主に支給した特定求職者雇用開発助成金 左のうち不適正特定求職者雇用開発助成金
千円 千円
茨城県 日立ほか1 20 3 7,918 2,382
東京都 上野ほか3 68 4 41,458 16,473
神奈川県 横浜ほか4 38 5 21,490 3,019
新潟県 新潟ほか1 19 2 6,441 1,475
愛知県 刈谷 10 1 5,327 1,099
岡山県 玉島 4 1 4,220 2,199
広島県 広島 8 1 3,512 1,292
高知県 高知ほか1 20 3 13,775 8,343
長崎県 長崎 9 1 4,954 852
 計 19箇所 196 21 109,099 37,138