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  • 平成3年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第5 厚生省|
  • 平成2年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項に対する処置状況

付添看護に係る看護料の支給について


付添看護に係る看護料の支給について

 (平成2年度決算検査報告参照)

1 本院が要求した是正改善の処置

(検査結果の概要)

 健康保険法(大正11年法律第70号)等に基づいて、国、都道府県、市町村等が行う医療給付のうち、看護の給付は、人院患者が常時監視を要し又は常態として食事等につき介助を要するなどのため、医療機関の外部から看護担当者を求めて付添看護を受けその費用を支払った患者に対して、看護料を支給するものである。常態として食事等につき介助を要するなどの患者に対して行う付添看護の形態は、看護担当者1人が患者2人を担当する看護(2人付看護)を原則とするが、患者の病状等によっては、看護担当者1人が患者1人を担当する看護(1人付看護)とすることができ、また、看護担当者1人が患者3人を担当する看護(3人付看護)も差し支えないものとされている。そして、看護担当者1人が患者4人以上を担当する看護は付添看護制度の対象外とされている。

 しかし、医療機関における付添看護の形態等について調査したところ、23病院において、付添看護を受けたとする支給申請に対し所定の付添看護料が支給されていたが、実際は制度対象外の看護となっているなどしていて、適切を欠く事態が見受けられた。

 このような事態が生じているのは、病院が介護職員等を病院の負担において十分確保しないまま、常態として多くの患者の看護を看護補助者(看護担当者のうち看護婦資格を有しない者)に行わせていたこと、病院等が患者に代わって付添看護料の支給申請等を行っていて、その際誠実でなかったことなどによると認められた。

(検査結果により要求した是正改善の処置)

 適切な介護の実施を期するとともに、付添看護料の不適正な支給を防止して増こうする医療費の節減を図るため、次のとおり、厚生大臣に対し平成3年12月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を要求した。

(ア) 多数の看護補助者が常態としてその看護体制に組み込まれている医療機関について、介護職員等の確保に関する指導の徹底を図ること

(イ) 付添看護の申請書類を充実するなど付添看護料の支給に係る審査方法等を整備するとともに、付添看護の適正な運用について指導すること

(ウ) 保険者、医療機関等に対し、付添看護制度の趣旨の周知徹底を図ること

2 当局が講じた是正改善の処置

 厚生省では、本院指摘の趣旨に沿い、4年3月に保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)の改正を行い、都道府県に対して通知を発するなどして、次のような付添看護に係る看護料の支給の適正化を図る処置を講じた。

(ア) 多数の看護補助者が常態としてその看護体制に組み込まれている医療機関について、付添看護に依存しない看護体制の充実を図っていくべき旨の義務を課すなどした。

(イ) 付添看護の申請書等の様式の改正を行い、付添看護料の支給に係る審査方法等を整備した。

(ウ) 保険者、医療機関等に対し、付添看護制度の趣旨の周知徹底を図るため、医療機関における付添看護に関する院内掲示の義務を課すなどした。