1 本院が表示した改善の意見
住宅・都市整備公団では、住宅団地を建設する場合には、その居住者のための購買施設等の利便施設の施設用地を、地方公共団体の長と協議して策定した建設計画に基づき、住宅団地内に確保している。
この施設用地の利用状況について調査したところ、利便施設が建設されていない施設用地(以下「未建設地」という。)で、住宅建設の完了後既に3年以上経過し、地方公共団体等と協議して建設計画の変更を行えば、利用の促進を図ることができると認められるものが8団地において約2万3千m2 見受けられた。
このような事態が生じているのは、当初の建設計画策定時に比べて施設の需要が減少しているのに建設計画の見直しを十分に行っていなかったこと、建設計画の変更について地方公共団体等との協議を十分に行っていなかったことなどによると認められた。
本件未建設地について、当該住宅団地に係る施設需要及び周辺環境等を調査のうえ、他用途への利用の可能性を検討し、関係する地方公共団体等との協議調整を積極的に行うなどしてその利用促進を図るよう、住宅・都市整備公団総裁に対し平成3年12月に、会計検査院法第36条の規定により改善の意見を表示した。
2 当局が講じた改善の処置
住宅・都市整備公団では、本院指摘の趣旨に沿い、事態の改善を図るために、次のような処置を講じた。
(ア) 3年12月に、関係各支社に対し通達を発するなどして本件未建設地の利用促進を図るよう指示するとともに、関係各支社において未建設地の利用促進のための組織を設置するなどして利用促進を図った。
(イ) その結果、指摘に係る未建設地については、関係する地方公共団体等との協議調整を積極的に行うなどして、建設計画の変更などを行い、4年11月までに、既に住宅等の建設に着手したものを含め約2万1千m2 の未建設地に係る利用方針が決定されている。