会計名及び科目 | 一般会計 (組織)文部本省 (項)公立文教施設整備費 |
部局等の名称 | 山梨県ほか3県 |
補助の根拠 | 義務教育諸学校施設費国庫負担法(昭和33年法律第81号)等 |
事業主体 | 市3、町2、計5事業主体 |
補助事業 | 西桂町立西桂小学校校舎増築等5事業 |
上記に対する国庫補助金交付額の合計 | 484,499,000円 |
不当と認める国庫補助金交付額 | 16,092,000円 |
1 補助金の概要
文部省は、小学校、中学校その他の公立の義務教育諸学校の施設の整備を行う市町村に対して公立学校施設整備費負担金及び公立学校施設整備費補助金(以下「補助金」という。)を交付している。この補助金は、義務教育諸学校の施設の整備を促進し、教育の円滑な実施を確保することを目的として、次の法令等に基づいて次の各事業に要する経費の一部を補助するために交付されるものである。
義務教育諸学校施設費国庫負担法(昭和33年法律第81号)
〔1〕 新築事業又は増築事業に要する経費
〔2〕 構造上危険な状態にある建物の改築事業(以下「危険改築事業」という。)に要する経費
地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(昭和55年法律第63号)
〔3〕 地震対策緊急整備事業に係る構造土危険な状態にある建物の改築事業(以下「地震改築事業」という。)等に要する経費
公立学校施設整備費国庫補助要項(昭和46年文施助第7号)
〔4〕 構造上又は教育機能上不適格な建物の改築事業(以下「不適格改築事業」という。)に要する経費
補助金の交付額は、次により算定することとなっている。
そして、補助対象面積、補助単価及び補助率は、校舎及び屋内運動場の区分ごとに次により算定することとなっている。
(1) 補助対象面積の算定
補助対象面積は、実際の建築面積(以下「実施面積」という。)が必要面積を下回る場合は実施面積を限度とすることなどとして、次により算定することとなっている。
そして、必要面積及び保有面積は、事業実施年度の5月1日現在でそれぞれ次により算定することとなっている。
(ア) 必要面積は、原則として、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」(昭和33年法律第116号)等に規定されている方法によって算定した当該学校に係る標準学級数に応じて算定されることとなっている。
(イ) 保有面積は、原則として、当該学校の建物の棟ごとの各階ごとに天井高2.0mを超える部分の床面積を合計した面積とすることとなっている。そして、交付決定年度以前に取り壊した建物のうち、当該年度末までに取壊し後5年を経過しない建物の面積は保有面積に含めることとなっている。また、借用契約又は使用許可により使用している建物(以下「借用建物」という。)の面積は保有面積に含めないこととなっている。
(2) 補助単価の算定
補助単価は、文部大臣が大蔵大臣と協議して定める1m2 当たりの建築の単価とされている。ただし、実際に建築に要した工事費を実施面積で除して得た1m2 当たりの単価(以下「実施単価」という。)の方が下回る場合は、これによることとされている。
(3) 補助率
補助率は、原則として、新築事業、増築事業及び地震改築事業が2分の1、危険改築事業及び不適格改築事業が3分の1とされている。
2 検査の結果
検査の結果、5事業主体が実施した公立小学校校舎増築等の5事業に係る国庫補助金16,092,000円が不当と認められる。
これを不当の態様別に示すと次のとおりである。
〔1〕 補助種目の適用を誤っているもの | |
3事業 不当と認める国庫補助金 | 6,331,000円 |
〔2〕 補助金を過大に交付しているもの | |
1事業 不当と認める国庫補助金 | 4,945,000円 |
〔3〕 補助の対象とは認められないものを補助対象事業費に含めているもの | |
1事業 不当と認める国庫補助金 | 4,816,000円 |
これを県別に示すと次のとおりである。
県名 | 補助事業 | 事業主体 | 補助対象事業費 | 左に対する国庫補助金 | 不当と認める補助対象事業費 | 不当と認める国庫補助金 | 摘要 | |
(19) |
山梨県 |
西桂小学校校舎増築等 |
南都留郡西桂町 |
千円 303,204 |
千円 151,602 |
千円 18,494 |
千円 3,083 |
補助種目の適用誤り |
この事業は、平成4年度の補助事業として、西桂小学校の校舎を増改築したもので、校舎の必要面積にコンピュータ教室の必要面積を加算した3,613m2
から保有面積3,310m2
を差し引き、さらに、コンピュータ教室の必要面積とその実施面積との差47m2
を差し引いた256m2
を増築事業の補助対象面積としていた。また、保有面積のうち1,196m2
を地震改築事業の補助対象面積としていた。そして、これらにそれぞれ1m2
当たりの補助単価181,300円又は212,200円を乗ずるなどして補助対象事業費を303,204,000円(国庫補助金151,602,000円)と算定していた。 しかし、西桂町は、校舎の保有面積に含めることとされている取壊し後5年を経過していない建物2棟96m2 を上記の保有面積に含めておらず、また、地震改築事業の補助対象面積を5m2 過小に算定しており、これを含めると保有面積は3,411m2 となる。 したがって、増築事業(補助率2分の1)の補助対象面積は155m2 となる。また、上記建物2棟が不適格建物であることと、地震改築事業の補助対象面積としていたもののうち上記とは別の5m2 が不適格建物であることから、不適格改築事業(補助率3分の1)の補助対象面積は101m2 となる。これにより算定すると、補助対象事業費303,204,000円に対する適正な国庫補助金は148,519,000円となり、3,083,000円が過大に交付されていた。 |
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(注) | コンピュータ教室を設ける場合には、校舎の必要面積にコンピュータ教室の必要面積を加算できることとなっているが、加算した必要面積をその実施面積が下回る場合には、この差の面積は補助対象面積に含めないことになっている。 |
(参考図)
( )内の数字は補助対象面積
(20) | 長野県 | 小諸東中学校校舎増築等 | 小諸市 | 329,299 | 114,404 | 13,221 | 4,816 | 補助の対象外 |
この事業は、平成4年度の補助事業として、小諸東中学校の校舎を増改築したもので、校舎の必要面積にコンピュータ教室の必要面積を加算した8,370m2
から保有面積8,141m2
を差し引き、さらに、コンピュータ教室の必要面積とその実施面積との差59m2
を差し引いた170m2
を増築事業の補助対象面積としていた。また、保有面積のうち1,602m2
及び206m2
をそれぞれ危険改築事業、不適格改築事業の補助対象面積としていた。そして、これらにそれぞれ1m2
当たりの補助単価162,100円、166,800円又は151,800円を乗ずるなどして補助対象事業費を329,299,000円(国庫補助金114,404,000円)と算定していた。 しかし、小諸市は、校舎の保有面積に含めることとされている体育倉庫23m2 及び校舎1階階段部分64m2 を含めていなかったり、校舎の保有面積64m2 (危険改築事業の補助対象面積63m2 、不適格改築事業の補助対象面積1m2 )を過大に算定したりしていた。この結果、校舎の保有面積は23m2 増加して8,164m2 となる。また、コンピュータ教室の必要面積とその実施面積との差は51m2 であった。 したがって、増築事業、危険改築事業及び不適格改築事業の補助対象面積はそれぞれ155m2 、1,539m2 及び205m2 となり、これにより算定すると、適正な補助対象事業費は316,078,000円(国庫補助金109,588,000円)となり、国庫補助金4,816,000円が過大に交付されていた。 |
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(21) | 兵庫県 | 佐用小学校屋内運動場増築等 | 佐用郡佐用町 | 140,990 | 73,992 | 9,476 | 4,945 | 補助金の過大交付 |
この事業は、平成3年度の補助事業として、佐用小学校の屋内運動場を増改築したものである。 佐用町は、補助金の算定に当たり、同運動場全体が鉄筋コンクリート造であるとして計算していた。すなわち、鉄筋コンクリート造の交付決定時の補助単価151,900円が、実際に建築に要した工事費158,161,370円を実施面積1,016m2 で除して得た実施単価155,600円を下回るとして、交付決定時の補助単価を補助単価としていた。そして、補助対象面積(増築事業463m2 、不適格改築事業456m2 )に、この補助単価を乗ずるなどして補助対象事業費を140,990,000円(国庫補助金73,992,000円)と算定していた。 しかし、同町は、上記実施単価の算定に当たり、鉄筋コンクリート造の建築に要した工事費の中に誤って鉄骨造の渡り廊下部分の工事費を含めていた。また、鉄筋コンクリート造の実施面積を2m2 過小に計算していた。このことから、鉄骨造の渡り廊下部分の工事費を除いた上記の工事費は143,102,837円となり、これを鉄筋コンクリート造の実施面積1,018m2 で除して得た140,500円が実施単価となる。そして、不適格改築事業については、補助対象事業費に解体撤去工事費を含めることができるので、これを考慮しても142,900円となり、いずれも鉄筋コンクリート造の交付決定時の補助単価を下回ることとなる。 したがって、適正な補助単価は140,500円及び142,900円となり、これにより算定すると、適正な補助対象事業費は131,514,000円(国庫補助金69,047,000円)となり、国庫補助金4,945,000円が過大に交付されていた。 |
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(22) | 広島県 | 東村小学校校舎増築等 | 福山市 | 245,483 | 96,264 | 8,799 | 1,488 | 補助種目の適用誤り |
この事業は、平成3年度の補助事業として、東村小学校の校舎を増改築したもので、校舎の必要面積1,982m2
から保有面積1,283m2
を差し引いた699m2
を増築事業の補助対象面積とし、また、保有面積のうち1,274m2
及び9m2
をそれぞれ危険改築事業、不適格改築事業の補助対象面積としていた。そして、これらにそれぞれ1m2
当たりの補助単価122,700円、122,600円又は121,800円を乗ずるなどして補助対象事業費を245,483,000円(国庫補助金96,264,000円)と算定していた。 しかし、福山市は、上記保有面積の算定に当たり、家庭科教室として以前から使用している同市所有の建物71m2 を借用建物であるとして保有面積に含めておらず、これを含めると保有面積は1,354m2 となる。 したがって、増築事業(補助率2分の1)の補助対象面積は628m2 となり、不適格改築事業(補助率3分の1)の補助対象面積は、上記の家庭科教室が不適格建物であることから、これを加えた80m2 となる。これにより算定すると、適正な補助対象事業費は245,419,000円(国庫補助金94,776,000円)となり、国庫補助金1,488,000円が過大に交付されていた。 |
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(23) | 広島県 | 大竹中学校屋内運動場増築等 | 大竹市 | 131,082 | 48,237 | 10,556 | 1,760 | 補助種目の適用誤り |
この事業は、平成2年度の補助事業として、大竹中学校の屋内運動場を増改築したもので、屋内運動場の必要面積981m2
から保有面積777m2
を差し引いた204m2
を増築事業の補助対象面積とし、また、既存の屋内運動場が危険建物であることから、保有面積777m2
を危険改築事業の補助対象面積としていた。そして、これらに1m2
当たりの補助単価132,300円を乗ずるなどして補助対象事業費を131,082,000円(国庫補助金48,237,000円)と算定していた。 しかし、大竹市は、屋内運動場の保有面積に含めることとされている同運動場内の半地下倉庫79m2 を上記の保有面積に含めておらず、これを含めると保有面積は856m2 となる。 したがって、増築事業(補助率2分の1)の補助対象面積は125m2 となり、危険改築事業(補助率3分の1)の補助対象面積は、上記の倉庫が危険建物であることから、これを加えた856m2 となる。これにより算定すると、補助対象事業費131,082,000円に対する適正な国庫補助金は46,477,000円となり、1,760,000円が過大に交付されていた。 |
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(19 )-(23 )の計 | 1,150,058 | 484,499 | 60,546 | 16,092 |